日本家禽学会誌
Print ISSN : 0029-0254
17 巻, 6 号
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  • 高田 勝広, 中里 孝之, 小野 幸二, 本田 博信, 山根 哲夫
    1980 年 17 巻 6 号 p. 299-305
    発行日: 1980/11/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    中国産のニセアカシア葉 (Robinia Pseudoacacia. L) の養鶏飼料としての価値をデハイドレィテドアルファルファミールを対照として検討した。
    リーフミールの成分は, CP 19.7%, C. Fat 3.5%, C. Fib 10.9%, C. Ash 12.1%, カルシウム2.1%, リン0.2%, 総カロチノイド色素含量28.2mg/100g, 代謝エネルギー含量1074kcal/kgであり, デハイドレイテド•アルファルファミールと比較すると, CPが若干高く, C. Fib が半量であり, 総カロチノイド系色素および代謝エネルギー含量は差はなかった。
    ブロイラー専用種のひなを用い, リーフミールおよびデハイドレィテド•アルファルファミールを各5%配合した飼料を給与し生物試験を行なったが, 両区の増体量, 飼料摂取量, 飼料要求率のいずれにおいても有意の差が認められなかった。さらに白色レグホン種雌を用い卵黄の着色効果について検討した。その結果リーフミールとデハイドレイテド•アルファルファミールは同程度の着色効果を有することが分かった。またリーフミールのとうもろこしに対する相対着色効果は約84であった。
    以上の結果より, リーフミールは使用量を5%以内とした今回の実験では, デハイドレィテド•アルファルファミールの代替原料として使用できることが分かった。
  • 武政 正明, 土黒 定信
    1980 年 17 巻 6 号 p. 306-311
    発行日: 1980/11/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    WHEELER and FERREL が提唱したフィチン態リンの定量法は, その分析値が配合飼料に含まれるリン酸カルシウムによって大きく影響されるため, 配合飼料中のフィチン態リンを定量するには不適当であった。
    このため, 配合飼料中のフィチン態リンが定量できるように, WHEEELER and FERREL が提唱した方法に若干の改良を加えた。すなわち, 配合飼料中のフィチン態リンを3%TCAで抽出したのち, その抽出液にFeCl3を加えてフィチン酸鉄として沈澱させる。この沈澱を3%TCAで2回, N/6 HClで2回, H2Oで1回それぞれ洗浄したのち, この中に含まれるFe含量を比色法により測定する。この値から計算によってフィチン態リン含量を求める。
    この方法によれば, 配合飼料中に含まれるリン酸2石灰あるいはリン酸3石灰の影響を受けることなく, 飼料原料単味の場合と同様に, 配合飼料中のフィチン態リン含量を測定することができた。
  • 木村 正雄, 石黒 基嗣, 伊藤 慎一, 磯貝 岩弘
    1980 年 17 巻 6 号 p. 312-322
    発行日: 1980/11/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    閉鎖群のウズラにおける蛋白質多型について調査した。実験1では浅胸筋と肝臓に含まれる10種類の酵素を分析した。その結果, 4種類の酵素 (マンノース•ホスヘート•イソメラーゼ, グルタミン酸脱水素酵素, ソルビトール脱水素酵素およびNADP依存性リンゴ酸脱水素酵素) で新らしく遺伝変異が発見された。また別の酵素 (エステラーゼD) で新らしい変異体が発見され, この酵素が複対立遺伝子の支配を受けることが明らかになった。実験2では, 肝臓, 膵臓, 血液および卵白を試料として, 他のウズラ群において多型をしめすことが報告された6種類の蛋白質と酵素, それに加えて他の動物種で比較的に調査が進んでいる酵素 (ロイシン•アミノペプチダーゼ) を分析した。閉鎖群における多型存在の有無に関しては他のウズラ群と同様な結果が得られた。すなわち, 他のウズラ群で多型をしめすと報告された酵素と蛋白質は我々の閉鎖群においても多型をしめした。この実験で得た結果とすでに我々が報告した結果を統合した合計31座位に関するデーターから, 我々の所有するウズラ群の遺伝的変異性を求めた。多型座位の割合は0.516, 平均ヘテロ接合体率は0.167, そして座位当り共存する対立遺伝子の有効数は1.20であった。
  • 桜井 斉
    1980 年 17 巻 6 号 p. 323-328
    発行日: 1980/11/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    日本ウズラ抜雄の体重増加 (ヤキトリ材料供給) を目的とした飼育に適合する光周期を設定するために, 増体量, 精巣重量, 飼料効率におよぼす照明時間および照度の影響について実験した。実験1では, 照明時間8, 1624時間の各時間に, 5, 45, 85ルックスの各照度をわりつけた9試験区により2週齢から6週齢まで飼育した。実験2では照明時間8, 6, 4時間の各時間に, 前記の3照度をわりつけた。その結果,
    1) 増体量, 精巣重量, 飼料摂取量, 飼料効率は, 照度間に有意な差はなかった。
    2) 照明時間が8時間から16時間以上に延長すると, 2週齢~3週齢時の増体量には有意な影響はなかったが, 4週齢以後の増体量は延長の程度に応じて減少した。この変化とは対象的に, 精巣重量は漸減的に増加した。
    3) 照明時間が8時間以下4時間までの間では, 増体量, 精巣重量に有意な差はなかった。
    4) 飼料効率は照明時間が短かくなるにともなって高くなった。
    5) 以上の成績より, 体重増加を目的とした日本ウズラ抜雄飼育の理想的な照明時間は, 4時間程度であるといえる。
  • 星野 貞夫, 脇田 正彰, 鈴木 光雄, 山本 清
    1980 年 17 巻 6 号 p. 329-336
    発行日: 1980/11/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    若雄鶏を1, 3, 5日間飢餓にして体重の変化を測定し, と殺して脳下垂体の重量および脳下垂体の成長ホルモン (GH) 含量とプロラクチン (PRL) 含量をディスク電気泳動-デンシトメトリー法で測定した。同時に採取した血液からま血清を分離し, その血糖, 遊離脂肪酸(FFA), GH, ソマトメジン (SM) 濃度を測定した。血糖はオルトトルイジン法, FFAはITAYA, UIの方法9), GHはラットGHを標準としたラジオイムノアッセィー, SMは DAUGHADAY らの方法10)で測定した。同様な実験で若雄鶏または産卵鶏の脳下垂体を in vitro で標識アミノ酸と培養し, GH, PRLおよび脳下垂体の全タンパク質の合成, 分泌速度を前報の方法12)で測定した。
    体重は若雄鶏では飢餓によって減少し, 3, 5日飢餓では有意な減少がみられた。脳下垂体のGH含量は3~5日間の飢餓で有意な増加を示したが, PRL含量はほとんど変化しなかった。血清中の血糖は減少傾向を示したが, 有意な減少はみられなかった。FFAは飢餓1日で有意に増加し, 3, 5日では有意に減少した。血中のGH濃度は飢餓1日で有意に増加したが, 3, 5日では飼料を自由摂取している対照区の鶏のそれと同一水準に戻った。血清中のSM活性は飢餓1日で対照区の10%程度に低下し, 3, 5日飢餓でも回復はみられず低水準のまま推移した (表1)。
    若雄鶏の脳下垂体での in vitro のGH合成速度は飢餓によって有意に増加し, 分泌速度も増加した。PRLの合成, 分泌速度はいずれも飢餓によって有意な変化を受けなかった。脳下垂体の全タンパク合成速度はいくぶん増加したが, 分泌速度に変化はみられなかった (表2)。しかし, 産卵鶏では飢餓1~5日では体重減少もみられず, GH, PRLの合成速度は有意に減少した (表3)。
    これらの結果から鶏でも飢餓時にはFFAがGHの作用の下に動員され, エネルギー源として機能している可能性が高いこと, 血中のFFAやSM濃度がフィードバックして脳下垂体のGH合成, 分泌機能を修飾していること, 飢餓に対する反応は鶏の栄養状態で変化することなどについて論じた。
  • 岡田 育穂, 豊川 好司, 高安 一郎
    1980 年 17 巻 6 号 p. 337-343
    発行日: 1980/11/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    北奥羽在来の日本鶏である比内鶏, 声良および金八の3品種の相互関係ならびに品種の成立過程を調べるために, この3品種およびその成立に関係あると考えられている大軍鶏, 小軍鶏および蜀鶏の3品種, 計6品種の血液型ならびにアイソザイムの遺伝子頻度を調査した。
    血液型B座位は各品種とも非常に多様性を示し, 各品種に見出された表現型の数は9~36, 推定遺伝子数は8~22であった。比内鶏, 金八および蜀鶏ではBGの頻度が高く, 大軍鶏, 小軍鶏および金八ではBILTXの頻度が高かった。A座位ではARの頻度が各品種とも高かった。DおよびG座位では品種差は存在したが, 特定の傾向は認められなかった。
    エステラーゼEs-1座位では, 一般にEs-1Bの頻度が高かった。大軍鶏, 小軍鶏および蜀鶏にのみEs-1Cが検出され, 特に小軍鶏ではEs-1Cの高い頻度が観察された。アルカリ性ホスファターゼAkp座位では, 各品種ともakpの頻度が高く, 0.95~1.00であった。Akp-2座位では品種により差がみられた。
    これらの遺伝子頻度から遺伝的距離を算出し, デンドログラムを作成した。各品種間の遺伝的距離は比内鶏と金八の間が最も近く, また大軍鶏は各品種と比較的近い関係にあった。これに反し, 小軍鶏は各品種と遠い関係を示した。
  • 1. 野外発生例と発症再現試験
    風間 龍彦, 牧野 晃, 安部 道夫, 赤池 洋二, 菅原 道熙, 谷口 稔明
    1980 年 17 巻 6 号 p. 344-350
    発行日: 1980/11/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    1) 1978年から1979年にかけ, 兵庫•香川•鳥取県下のブロイラー生産農場で筋胃のびらんおよび潰瘍を主徴とする疾病が多発し, その原因究明を目的として野外発生状況調査, 病理ならびに細菌検査, および野外発生農場から持ち帰った飼料の給与による発症再現試験を行なった。
    2) 本症の発生は9日齢以後の群に認められ, 飼育前期における発生率が特に高いように思われた。また, 本症の発生と鶏種, 種鶏場, 鶏舎構造, 飼養形態および季節等の要因との間には特に関連は認められなかった。
    3) 発症鶏には下痢便の排泄, 黒褐色液の吐出, 発育不良, 元気沈衰, 食欲減退ないし廃絶, 脱水および嗜眠等の症状が観察された。剖検所見では〓嚢および筋胃内に貯溜した黒褐色液状内容物と, 筋胃粘膜のびらんおよび潰瘍の形成が著明であった。発症群の給与飼料を切り替えると疾病は終息したが, 発症耐過群にはその後も発育の遅延や不ぞろいが目立った。
    4) 筋胃の病理組織検査により, 腺組織の変性•壊死剥離および再生性変化と, ケラチノイド層の異常角化とを伴うびらんおよび潰瘍の形成が著明に観察された。
    5) 細菌検査により, 本症の原因と思われる細菌は検出されなかった。
    6) 本症発生農場から持ち帰った飼料を用い, 飼育前期および後期のブロイラーに給与して発症再現試験を行なった結果, 野外例と同様の症状•病変を伴った疾病が再現され, 本症が飼料に起因することが確認された。
  • 2. 魚紛との関連について
    洞口 博司, 増村 忠宏, 堀河 博, 菅原 道熙
    1980 年 17 巻 6 号 p. 351-357
    発行日: 1980/11/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    最近, 我国においてブロイラーの筋胃びらんおよび潰瘍 (GE) の発生がみられた。この様な症状は魚粉の多給に関係があると言われているが, 魚粉とGEとの関係をより明確なものとする為に幾つかの試験を行った。
    一般市販魚粉6銘柄をそれぞれ30%含む飼料をブロイラーヒナに与え, 筋胃を調べた。その結果ある種の魚粉の多給によってGEの発生が認められた。この魚粉の配合割合を増すに応じてGEの強度が増大した。
    GEが発生しない魚粉でも130°C, 5時間加熱することによりGEの発生が認められる様になる魚粉があった。北洋ミール (WFM) では加熱処理によってもGEは認められなかった。
    GE発生が認められた魚粉をメタノール•エーテルおよび水抽出したところ, いずれも残渣区分でGEが発生し, 抽出区分では発生しなかった。
    加熱によってGEが認められた魚粉をあらかじめメタノール•エーテル抽出したのち加熱処理したところ, 残渣区分にGE発生が多く認められた。この魚粉をあらかじめ水抽出した後に加熱処理したところ, GE発生は水抽出区分, 残渣区分いずれも軽度なもののみであった。しかし水抽出区分をWFMとともに加熱したところGE発生が強度にみられた。
    加熱してもGE発生が認められないWFMにあらかじめサバのフィッシュソリュブル (F.S) を混合し加熱したところGE発生が認められる様になった。
    これらの結果から, ブロイラーヒナのGEを発生させる原因物質は魚粉中の水溶性区分に含まれる成分が魚粉の存在下に加熱によって, それ自身または魚粉中の何らかの成分と反応することによって水難溶性の物質になって存在しているものと推察された。
  • 吉田 実, 星井 博, 森地 敏樹, 小宮山 鐵朗
    1980 年 17 巻 6 号 p. 358-363
    発行日: 1980/11/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
    産みたての卵をゆでたときの卵白の風味が劣っていることを確認する目的で, 産卵後15分以内で, まだ温か味の残る卵を集め, これを新鮮卵として, 卵白の風味について官能検査を行なった。
    実験1では, 新鮮卵と室温に7日間貯蔵した卵を比較したが, 両者は確実に識別され, しかも新鮮卵の卵白が不味いことが確かめられた。
    実験2では, 230°Cで7日間貯蔵した卵を対照とし, 5°Cで2, 4, および6日間貯蔵した卵と, それぞれ比較した。いずれの場合も, 対照の卵白との差は識別されており, 対照の卵白を好ましいとした人が多かった。対照を好ましいとした人数の百分率を好ましさ指数として示すと, 貯蔵日数と好ましさ指数に直線的な関係が認められ, 日とともに新鮮卵の不味さが薄れてゆく傾向が確かめられた。
    5°Cで0~6日間貯蔵した卵の殼のむきやすさも, 貯蔵日数に応じ直線的に改善されていた。しかし, 卵白のpHの変化は, 曲線的であった。
  • 窪田 大作, 山崎 昌良, 安藤 幹男
    1980 年 17 巻 6 号 p. 364-365
    発行日: 1980/11/25
    公開日: 2008/11/12
    ジャーナル フリー
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