心電図
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19 巻, 3 号
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  • 三崎 拓郎
    1999 年 19 巻 3 号 p. 221
    発行日: 1999/05/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 河合 祥雄
    1999 年 19 巻 3 号 p. 223-230
    発行日: 1999/05/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    不整脈の発症・病態の持続には心筋構造変化を伴うとの認識が多くの理解を得つつあるが, 不整脈原性基質の解明は未だ充分ではない.右室異形成症10剖検例の検討では, 右室障害は自由壁緻密層に強く, リエントリー回路は従来の好発三角部の脱落心筋巣周囲の自由壁だけでなく, 残存する網目状肉柱層も関与している可能性が指摘された.また, QT延長症候群自験例5例の検討ではいずれもPurkinje様細胞の増殖, 通常の心内膜下領域ではない心室筋層内での異常な部位での出現, 心筋錯綜配列などの所見が見られた.この異常細胞とM細胞との関係は今後の検討を要する.
  • 古賀 義則, 吉田 輝久, 大賀 雅信, 足達 寿, 柴田 純一, 今泉 勉, 木村 彰方, 戸嶋 裕徳
    1999 年 19 巻 3 号 p. 231-238
    発行日: 1999/05/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    肥大型心筋症の不整脈は塞栓症, 突然死などの心事故の機序として重要であるが, これは中・高齢で心筋病変が進行した例に高率に見られる.心房細動例では高率 (27%) に塞栓症が見られ, その予防には心房細動の症状, 塞栓症の危険性および抗凝固療法の必要性をあらかじめ患者に説明しておくことが重要である.心室頻拍例では突然死, 心死が高率であるが, 特に左室収縮不全を合併した重症例に危険性が高く, 今後はICD, 心移植を考慮する必要がある.一方若年例の突然死は心室頻拍とは無関係に発生し, その予防には運動制限が重要である.遺伝子異常の種類と予後の関係では, 荷電変化を有する心筋βミオシン重鎖, トロポニンT変異例に突然死が多く, 荷電変化のない変異例や心筋ミオシン結合蛋白C変異例の予後は良好である.しかし荷電変化例でも30歳までの突然死の確率は約16%で, 本症の予後は病因遺伝子に完全に規定されるものではないと思われる.したがって不整脈対策は本症の心事故防止のために極めて重要と考えられる.
  • 沖重 薫, 畔上 幸司, 矢野 佳, 笹野 哲郎, 佐竹 修太郎, 比江嶋 一昌
    1999 年 19 巻 3 号 p. 239-242
    発行日: 1999/05/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    心尖部肥大型心筋症 (AHCM) は通常予後良好とされているが, 当施設で最近10年間に経験したAHCM31例中2例に重症心室性不整脈が合併し“aborted sudden death”をきたした例や失神例が見られ, 植え込み型除細動器およびアミオダロン治療を必要とした.重症心室性不整脈合併例と非合併例にて, 加算平均心電図検査, 運動負荷検査, ホルター心電図検査, 123-I-MIBG心筋シンチグラムを施行した結果, 合併例においてMIBG心筋シンチグラム検査で左室広範囲に有意なtraoer uptakeの低下が見られたが, それ以外の検査では両者間に有意な相違点は見られなかった.また, 他の2例において頻脈性心房細動による重症心不全をきたしたため長期入院加療を要した.AHCM例は概ね予後良好であるが, まれに予後不良例もみられるため, 通常の肥大型心筋症と同様の注意深い対応が必要であると考えられる.
  • 大西 祥男, 山城 荒平, 武居 明日美, 足立 和正, 黒田 奈己, 岡嶋 克則, 井上 聡子, 吉田 明宏, 横田 慶之, 横山 光宏
    1999 年 19 巻 3 号 p. 243-249
    発行日: 1999/05/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    拡張型心筋症223例において不整脈の頻度や重症度を, 電気生理学的検査 (EPS) , 加算平均心電図 (SAECG) , T wave alternans (TWA) 施行例では心室性不整脈, 心機能や予後との関連を検討した.心房細動は24%, 心室頻拍 (VT) は48%と高頻度に認め, 心機能の推移と不整脈頻度は密に関連した.EPSで持続性VTは68% (13/19) に誘発され, 有効薬は38%に決定可で, 有効薬決定例のうち3例が突然死した.SAEOG異常群では正常群に比し, 6連発以上のVTは有意に高率であった.23例の心臓死 (突然死8例, 心不全死15例) を認め, 突然死群で心不全死群に比し6連発以上のVTは有意に高率であった.SAEOG異常群で6例が, 正常群で2例が突然死した.TWA陽性は40%, 陰性が43%, 判定不能は17%であった.TWA陽性群では陰性群に比較し, VTは有意に高率であった (61%vs8%, p<0.001) .
  • 関口 守衛
    1999 年 19 巻 3 号 p. 250-254
    発行日: 1999/05/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    不整脈, 伝導障害を主徴とする心筋症 (EOM) が存在するとの想定のもとに573症例について心内膜心筋生検を施行, その中で右心房心内膜心筋生検例を行った27症例中13例 (48%) に有意な心筋病変を認め, 右心室には病変が著明でなかったことから心房心筋症atrial cardiology (ACM) という概念を提唱するに至った自主研究内容を紹介した.
    ACMでは何故心房に病変の局在があるのか?遺伝子異常が関係あるのか?など今後の研究課題であることを強調した.
  • 阿南 隆一郎, 中尾 正一郎, 鄭 忠和
    1999 年 19 巻 3 号 p. 255-261
    発行日: 1999/05/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    二次性心筋症は, 原因または全身疾患との関連が明らかな心筋症である.本研究では遺伝子レベルで病因が明らかな二次性心筋症である, Duohenne/Beoker型進行性筋ジストロフィ, ミトコンドリア病, Fabry病に伴う心筋症における不整脈の特徴について検討した.Beoker型進行性筋ジストロフィ7例, ミトコンドリア病11例, 心Fabry病13例を対象とした.Becker型進行性筋ジストロフィでは伝導障害が, ミトコンドリア病, 心Fabry病においては心室性を主とする期外収縮や徐脈1生不整脈が認められた.心Fabry病の不整脈は進行性であることを確認した.Kearns-Sayre症候群と心Fabry病では, 徐脈性不整脈のために心臓ペースメーカーを必要とした例があった.Kearns-Sayre症候群と心Fabry病は, 徐脈性不整脈のために心臓ペースメーカーを必要とする疾患の中で, 遺伝子レベルで病因が明らかにされている疾患である.二次性心筋症の不整脈の特徴は疾患ことにさまざまである.
  • ―加算平均心電図と電気生理学的検査からの検討―
    手島 保, 桜田 春水, 本宮 武司, 平岡 昌和
    1999 年 19 巻 3 号 p. 262-269
    発行日: 1999/05/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    肥大型心筋症 (HCM) 56例, 拡張型心筋症 (DCM) 83例の計139例を対象とし, 加算平均心電図と電気生理学的検査から心筋症における致死的心室性不整脈の特徴と予測の可能性について検討した.持続性心室頻拍 (VT) 例はHCMにも, DCMにも遅延電位 (LP) 陽性例に有意に多く認めた (p<0.01) . HCMではLP陽1生13例中7例にVTが認められたが, 突然死例は認められなかった.HCMでの突然死の4例はLP陰性でVTを有さない例であった.
    DCMではLP陽性24例中15例にVTを認め, その7例に突然死を認め, 突然死の原因にVTが関与した可能性が示唆された.LP陰性例では突然死は7例に認められたが, 全例VTを有さない例であった.LP陰性の突然死例にはLP陽性の突然死例とは不整脈の基質が異なり, VTを基盤としない例が含まれている可能性が示唆された.
    結論: 心筋症においてもVT例には高率にLPが記録された.加算平均心電図は心筋症における単形性VTの予測には有用であるが, 突然死の症例の予測には限界がある.
  • 松田 直樹, 庄田 守男, 武市 耕, 志賀 剛, 梶本 克也, 笠貫 宏
    1999 年 19 巻 3 号 p. 270-277
    発行日: 1999/05/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    拡張型心筋症 (DOM) 80例, 肥大型心筋症 (HCM) 33例, 不整脈原性右室異形成症 (ARVD) 41例の自験例について致死的心室性頻脈性不整脈に対するカテーテルアブレーション, アミオダロン, 植え込み型除細動器 (ICD) の有効性と限界を評価し, 今後の突然死の予防戦略を検討した.DCMおよびHCM例にカテーテルアブレーションを施行したのはそれぞれ13%, 6%と少なく, 適応は狭く有用性は必ずしも高くなかった.これに対しARVDでは69%でアブレーションが行われその適応は広く成功率も高かった.しかしいすれの心筋症でも新たなVTの出現がありアブレーション単独治療には限界があると考えられた.アミオダロン使用はいすれの心筋症においても75%を越えその適応は広いと考えられた.アミオダロン継続115例中の突然死が12例であるのに対し, 内服中止例では15例中5例であることからアミオダロンは突然死の予防にある程度有効であった.しかしいずれの心筋症でも約4割にVT/VFの再発を認め, アミオダロンによるVT/VFおよび突然死の予防には限界があると思われた.電気生理学的検査とホルター心電図による薬効評価で無効だった例, アミオダロン内服でもVT/VFが再発した例, 使用中止例, 使用不可能例は突然死の可能性が高く, ICDの植え込みが望ましいと考えられた.10口植え込み例の83%にVT/VFに対する適切な作動を認め, 突然死はないことから, いすれの心筋症においてもICDは突然死予防に極めて有用であった.しかしDOMなどの低心機能例の予後など今後の検討が必要と考えられた.
  • 田口 敦史, 鎌倉 史郎, 相原 直彦, 栗田 隆志, 須山 和弘, 清水 渉, 松尾 清隆
    1999 年 19 巻 3 号 p. 278-283
    発行日: 1999/05/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    左脚ブロック+下方軸型特発性心室頻拍 (VT) 症例で, 左室側に最早期興奮部位を認める症例の臨床的特徴を検討した.対象は左脚ブロック+下方軸型の特発性心室頻拍59例.全例に心内膜マッピングを施行し, うち9例で最早期興奮部位を左室流出路側に同定できた.これらの症例 (LV群) の臨床的, ならびに電気生理学的諸指標を右室流出路に起源が同定できた症例 (RV群) と比較検討した.LV群は, 男性8名, 女性1名で, 有意に男性が多かった.またVT rateは有意に遅く, 臨床的に30秒以上の持続型VTが認められる症例が多かった.年齢・自覚症状はRV群と差異を認めなかった.心内膜側での頻拍時の最早期興奮部位はLV群9例中6例でLCC側, 3例ではRCC側に推定された.また3例では大心静脈内から心外膜マッピングを施行できた.うち2例で心外膜側が心内膜側よりも早期に興奮しており, 心外膜側に頻拍の起源が推定された.
  • 新村 一郎
    1999 年 19 巻 3 号 p. 284-291
    発行日: 1999/05/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
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