ジヒドロピリジン系力ルシウム遮断薬 (DHP) アゼルニジピンの, 各種力ルシウムチャネルサブタイプ特異性を検討するために, アフリカツメガエル (
Xenopus Laevis) 卵母細胞ならびにBaby Hamster Kidney (BHK) 細胞に各種力ルシウムチャネルサブタイプを発現させ, 膜電流に対するアゼルニジピンの作用を電気生理学的に測定した, アゼルニジピン10μM溶液を作用させると, アフリカツメガエル卵母細胞に発現させたL型力ルシウムチヤネルは, 保持電位-100mVにおいて31.8±5, 1%抑制された.アゼルニジピンはP/Q型, R型チャネルに対しては抑制作用をもたなかったが, N型, T型チャネルに対しては抑制作用を示した, 50%抑制濃度を比較すると, N型チャネルはL型の約6倍, T型チャネルはL型の約2倍であった.一方, BHK細胞に発現させた, T型チヤネルに対する抑制作用は, アフリカツメガエル卵母細胞と比較して増強され, 50%抑制濃度は約1/9となった.以上より, アゼルニジピンはL型チャネルのみならず, N型, T型チャネルに対しても, 比較できる程度の抑制作用を有する薬物であると考えられた.
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