フロートリガ方式の人工呼吸器は,定常流のバイアスフローを流すため酸素使用量が多いと推定できる。そこで各種人工呼吸器について酸素使用量を測定し,人工呼吸器の経済性について検討した。人工呼吸器の酸素使用量は,間欠的強制換気(SIMV)モードでテスト肺を接続し,酸素濃度設定100%,60%,40%,21%について,それぞれ30分間の人工換気で,デジタル積算流量計によって測定した。また,一部の人工呼吸器では酸素ボンベ圧低下を指標とした測定も行った。その結果,酸素使用量はトリガ様式にかかわりなく,少ない群(Servo900C,Evita2,Servo300)と,多い群(Bennett740,T-BirdVSO
2,Bird8400ST
i,CV4000
a)に分かれた。酸素濃度100%での酸素使用量はBird 8400ST
iが最大で,最少のServo900Cの3倍以上であった。酸素使用量はトリガ方式よりも酸素空気ブレンダーや人工呼吸器の構造が原因と考えられた.酸素使用量の多い機種では保険収入を上回り赤字を出すことがわかった。酸素消費量が最も多い機種を100%酸素濃度で連続稼働しても1日当たり約2,600円と赤字は寡少であるが,多数の人工呼吸器を長時間使用する施設では,酸素使用量を抑制する工夫が望まれる。
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