日本集中治療医学会雑誌
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25 巻 , 2 号
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編集委員会より
集中治療の歴史
原著
  • 横川 真理, 笠井 正志, 志馬 伸朗
    2018 年 25 巻 2 号 p. 115-120
    発行日: 2018/03/01
    公開日: 2018/03/01
    ジャーナル フリー
    【目的】本邦の小児集中治療領域における敗血症性ショックの管理実態を調査し,管理実践の改善に繋がる基礎的資料を得る。【方法】小児の集中治療を行っている国内29施設のICUあるいはPICUの施設長を対象に,提示した敗血症性ショック症例に対する標準的診療状況について調査した。【結果】27施設から回答を得た。抗菌薬投与前に全例で血液培養を2セット採取していたのは33%で,敗血症の診断後1時間以内に抗菌薬を投与していたのは52%に過ぎなかった。全体の59%が,40~60 ml/kgの輸液にもかかわらず低血圧が持続する場合に昇圧薬投与を考慮し,選択する昇圧薬はドパミン(33%),ノルアドレナリン(30%),アドレナリン(26%)であった。敗血症性ショックの重症度は,乳酸値,動脈血液ガス分析値,中心静脈血酸素飽和度を指標にしていた。【結論】今後の重要な診療改善点は,血液培養の複数セット採取と,より早期の適切な抗菌薬投与であると考えられた。
症例報告
  • 伊藤 秀和, 河野 真人, 田村 哲也, 祖父江 和哉
    2018 年 25 巻 2 号 p. 121-124
    発行日: 2018/03/01
    公開日: 2018/03/01
    ジャーナル フリー
    腹部打撲による外傷性脾損傷(IIIa型)を呈した7歳の女児。経カテーテル的動脈塞栓術にて止血後もショックが持続した。腹部膨満から血性腹水による腹部コンパートメント症候群(abdominal compartment syndrome, ACS)を疑い腹腔ドレナージを施行したところ,速やかにショックから離脱した。腹腔内圧は通常,膀胱内圧(intra-vesical pressure, IVP)で代用される。小児のACSについては,正常のIVP,IAH(intra-abdominal hypertension)およびACSの定義,IVPの測定法の4点が成人と異なることを認識し,正しい診断と早期介入を行うべきである。
  • 今井 恵理哉, 小林 収, 桂井 理恵, 松井 宏樹, 佐藤 仁信, 重城 聡
    2018 年 25 巻 2 号 p. 125-128
    発行日: 2018/03/01
    公開日: 2018/03/01
    ジャーナル フリー
    周産期心筋症(peripartum cardiomyopathy, PPCM)は,心疾患の既往のない女性が妊娠最終月から産褥期5ヶ月の時期に心不全を発症する疾患である。非常に稀な疾患ではあるが,低心機能が残存する可能性も高く,心臓移植が必要になることもある重篤な疾患である。症例は4回経産の40歳女性。2日前から続く呼吸困難で当院を妊娠36週6日に受診した。心疾患の既往はなく,胸部X線写真で両側肺うっ血と胸水貯留を認め,経胸壁心エコー上左室駆出率18%であり,PPCMと診断され緊急帝王切開術を施行した。術後ICUで非侵襲的陽圧換気,利尿薬,ドブタミンなどで治療し,POD 2にICUを退室した。周術期管理が奏功し,無事にPOD 23に退院したが,PPCM発症から6ヶ月後に小脳梗塞を発症した。持続する低心機能,産褥期の凝固能亢進の関与が考えられた。
  • 澄田 奏子, 岡田 保誠, 稲川 博司, 小島 直樹, 山口 和将, 佐々木 庸郎
    2018 年 25 巻 2 号 p. 129-133
    発行日: 2018/03/01
    公開日: 2018/03/01
    ジャーナル フリー
    心肺停止蘇生後にparoxysmal sympathetic hyperactivity(PSH)を呈し,治療に難渋した一例を経験した。症例は33歳,男性。数日前からの全身倦怠感を主訴に受診した。著しい脱水と腎障害,横紋筋融解症,高カリウム血症を呈しており,来院後心肺停止状態となった。心肺蘇生法により自己心拍再開し,低体温療法を施行したが,低酸素脳症に至った。第7病日より,刺激に対し発作性に頻脈,高血圧,頻呼吸,発汗,高熱,筋緊張が見られるようになり,PSHと診断した。治療に難渋し,長期にわたる全身管理を要したが,ラベタロール,クロナゼパム,ガバペンチン,ブロモクリプチン,ダントロレンによる薬物療法を行い発作の頻度は減少した。本邦におけるPSHの報告例は数少なく,特に低酸素脳症における報告例はほとんどない。頭部外傷のみならず,低酸素性脳症においても,PSHの発症を考慮に入れる必要がある。
  • 妙中 浩紀, 入嵩西 毅, 堀口 佑, 内山 昭則, 藤野 裕士
    2018 年 25 巻 2 号 p. 134-137
    発行日: 2018/03/01
    公開日: 2018/03/01
    ジャーナル フリー
    【背景】分離肺換気を用いる低侵襲心臓手術(minimally invasive cardiac surgery, MICS)では,再膨張性肺水腫(re-expansion pulmonary edema, RPE)をはじめとした酸素化障害がしばしば発生する。当施設でMICS後の酸素化障害の発生関連因子を検討した。【方法】分離肺換気を用いたMICS 97例を対象に,術後4~6時間後のP/F比により酸素化良好群(H群72例,P/F比>300),酸素化不良群(L群25例,P/F比≦300)で後方視的に関連因子について比較を行った。【結果】H群1例,L群5例がRPEと診断された。L群では術前アルブミン値が低く(P=0.04),分離肺換気時間は長く(P<0.01),術中のFFP(fresh frozen plasma)投与が多かった(P=0.02)。【結論】MICS後において,肺虚脱時間が延長した時や術中FFP投与が行われる症例では,術後低酸素血症となる可能性があり,周術期の呼吸管理には留意が必要である。
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