【目的】サイトメガロウイルス(cytomegalovirus, CMV)感染はICU患者の予後悪化に関連する。定期的なCMV抗原血症検査の有効性を検討した。【方法】対象はICU入室中に1回以上CMV抗原血症検査を行った341例。前半2年間(Before群)は医師が必要と判断した際に,後半2年間(After群)は週1回同検査を行った。主要アウトカムは陽性患者数,二次アウトカムは検査初回陽性時のCMV抗原陽性細胞数,抗ウイルス薬投与期間など。【結果】After群ではBefore群に比し,陽性患者数は3.75倍と有意に増加し(
P<0.0001),抗ウイルス薬投与期間は有意に短縮した(
P=0.0087)。【結論】ICU入室患者に対して定期的にCMV抗原血症検査を施行することにより,CMV感染患者が有意に多く同定され,抗ウイルス薬の投与期間は有意に短かった。
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