日本集中治療医学会雑誌
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9 巻 , 4 号
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  • 陳 儀, 小濱 るり子, 中澤 博江
    2002 年 9 巻 4 号 p. 361-367
    発行日: 2002/10/01
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    活性酸素/フリーラジカルによる障害はヒドロキシラジカル(OH-)による過酸化反応に加え,一酸化窒素(NO・)とその派生物によるニトロ化反応の影響を考慮する必要がある。特にスーパーオキサイド(O2-)とNO・との反応によって生じるパーオキシナイトライト(ONOO-)は芳香族アミノ酸に親和性を持ち,これをニトロ化する。なかでもタイロシンはニトロ化されやすく,ニトロタイロシンが生成される。タイロシンは生体内蛋白には比較的多く存在するアミノ酸残基であり,またタイロシンキナーゼのターゲットでもあることより,このニトロ化の病的意義は大きいと思われる。脳虚血・再灌流やARDSなどの動物実験において梗塞部や肺組織でニトロタイロシン生成が示されている。臨床でも敗血症ショック症例の血漿中で増加することや,動脈硬化巣内にも認められる成績がある。別に活性酸素/フリーラジカルは低濃度では細胞内のレドックスを変化させることにより細胞内情報伝達を制御する機能も持つ。
  • 黒田 泰弘
    2002 年 9 巻 4 号 p. 369-377
    発行日: 2002/10/01
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    神経集中治療において,脳血流の自己調節能の障害内容,例えば自己調節の上限および下限値を把握することは,患者管理上有用であると同時に患者の予後の推定にも役立つ。経頭蓋超音波ドプラ法を用いた自己調節能の評価は,その非侵襲性と連続測定可能な特性により種々の方法が考案されているが,集中治療現場において実用に耐えるものは限定される。本稿では集中治療における脳血流自己調節能の評価方法に関して,その有用性と問題点を概説する。
  • 稲垣 喜三, 齋藤 憲輝, 永井 小夜, 廣澤 寿一, 石部 裕一
    2002 年 9 巻 4 号 p. 379-384
    発行日: 2002/10/01
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    鳥取大学医学部附属病院において,1991年1月から1999年12月までに院内で心肺蘇生を受け,集中治療部(ICU)に収容された40例の入院患者の予後とその要因を後ろ向きに調査した。40例中20例がICUを生存退室した。このうち,14例が軽快退院,1例が症状不変,5例が56日(中央値)で院内死亡の転帰をとった。軽快退院した14例の生存率は,退院後1年が100%,2年が86%,4年から7年までが57%であった。心肺蘇生開始時の心電図がVF/VTであった患者は,生存退室群で9例(45%)と,死亡退室群の1例(5%)と比較して有意に多かった(P=0.0035)。また,生存退室群では,自己心拍再開までの時間が死亡退室群と比較して有意に短かった(P<0.001)。ICU入室時の意識レベルも,生存退室群で良好であった(P=0.0095)。死亡退室群(60%)の方が生存退室群(25%)に比して,70歳以上の高齢者が占める割合は有意に高かった(P=0.025)。ICUにおける合併症発生率は,生存退室群で有意に低かった(P=0.0132)。患者予後に影響する要因として,70歳未満,早い自己心拍再開,良好な意識レベルとICUにおける合併症発生の少なさが示唆された。
  • 上村 睦美, 久保 元子, 伊藤 恭子, 阪東 健司, 桑山 直人
    2002 年 9 巻 4 号 p. 385-388
    発行日: 2002/10/01
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    集中治療室と一般病棟という2つの異なる職場環境における新卒,新任看護師を対象に,気分・感情の変化をprofile of mood states (POMS)を用いて経時的に調査,検討した。20~29歳の健康成人女性のPOMSの結果と比較すると,集中治療室勤務の新人看護師は,調査期間中,常に高い「緊張・不安」状態であった。これに対し,一般病棟勤務の新人看護師は調査期間中,健康成人女性に比べ,常に過度の「疲労」「混乱」を感じており,両者に差がみられた。当施設においては,一般病棟新人看護師のほうが,集中治療室看護師よりも疲労感が強く,怒りを表出できない抑うつ状態であり,精神的に疲弊した状態であることが明らかになった。
  • 岩崎 泰昌, 福原 耕作, 佐藤 斉, 津野 信輔, 前川 隆英, 竹吉 悟
    2002 年 9 巻 4 号 p. 389-393
    発行日: 2002/10/01
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    フェニトインが原因で薬剤性中毒性表皮壊死症(toxic epidermal necrolysis, TEN)を発症し,ステロイド療法に反応せず,血漿交換が有効であった症例を経験したので報告する。症例は39歳,女性。上矢状静脈洞血栓症にて意識障害と痙攣が生じ,抗痙攣薬が投与された。投薬開始約17日後から浮腫状紅斑が出現し,ステロイド療法を行ったが次第に融合拡大して,表皮剥離を最大で全身の8割に伴いTENと診断した。そこでステロイド療法は中止して,1日おきに合計3回の血漿交換を行ったところ,上皮化が始まり,約10日後にはほぼ全身の上皮化が認められた。使用した4種の抗痙攣薬について薬剤添加リンパ球刺激試験を行ったところ,フェニトインが陽性と判定された。薬剤性TENの死亡率は30~40%といわれているが,病初期のステロイド投与に反応しない薬剤性TENでは,漫然とステロイド療法を続けずに早期に血漿交換を行うことが救命につながると考えられた。
  • 香取 信之, 芹田 良平, 小谷 透, 小竹 良文, 森崎 浩, 武田 純三
    2002 年 9 巻 4 号 p. 395-398
    発行日: 2002/10/01
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    肺動脈カテーテルにより肺動脈穿孔をきたした症例を経験した。症例は76歳の男性で右冠動脈に対する経皮的冠動脈形成術1ヵ月後に回盲部切除,人工肛門造設術を予定した。周術期モニターとして肺動脈カテーテルを挿入した直後に肺動脈穿孔により大量に喀血した。PEEPを用いた陽圧人工呼吸管理と輸血などの保存的治療で改善し,9日後に人工呼吸器より離脱した。肺動脈カテーテルによる肺動脈損傷は稀な合併症であるが死亡率は高い。本例では全身の動脈硬化が強く,プロトロンビン時間も延長していたため肺動脈損傷の可能性は高く,肺動脈カテーテルの適応を慎重にすべきであった。
  • 杉野 繁一, 山崎 裕, 名和 由布子, 佐藤 公一, 其田 一, 並木 昭義
    2002 年 9 巻 4 号 p. 399-402
    発行日: 2002/10/01
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    溺水による心肺停止(CPA)の蘇生後の回復過程で不随意運動が出現し,診断,治療に苦慮した症例を経験した。
    患者は14歳,男性。港で突然意識を消失し海へ転落,水没した。水没時間は約15分で,救助時はCPAであり,救急隊により心肺蘇生処置(CPR)を施行されて当院に搬入された。救急外来にて心拍が再開した。ICU収容後,neurofibromatosis type 1 (NF1)と診断された。神経学的回復を期待し,軽度脳低温療法を開始した。直腸温で34.0℃に3日間維持した。復温後,脳波上高振幅徐波を伴った全身性の激しい不随意運動が出現した。不随意運動はNF1に伴うものか,Lance-Adams症候群なのか不明であった。治療に苦慮したが,抗てんかん薬の投与により抑制した。第17病日に呼名に応答した。第27病日にICUを退室した。現在,会話は支障なく車椅子で移動できる程度に回復した。
  • 並木 正伸, 北 飛鳥, 平田 直之, 小北 直宏, 一宮 尚裕, 並木 昭義
    2002 年 9 巻 4 号 p. 403-407
    発行日: 2002/10/01
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    症例は49歳男性で,急性骨髄性白血病に対し,化学療法,ステロイドパルス療法施行後,侵襲性アスペルギルス(以下Asp)肺炎による急性呼吸不全によりICU入室となった。人工呼吸管理開始後12日目,突然,不整脈,ST上昇,完全房室ブロック,心停止を呈した。カテコラミン投与後,一時的ペースメーカーを挿入し,血圧,心拍数を維持したが,翌日,血圧が低下し,心不全,低酸素血症が進行し死亡した。剖検の結果,Aspによる多臓器障害を認め,特に,心臓では心筋梗塞を伴う心筋炎を認め,心筋内に多発,広範囲に,また一部心外膜にまで,膿瘍,壊死を認めた。Asp心筋炎は,特徴的症状,所見がなく,多くは剖検後に診断されるため,生前診断,治療に困難を有し,いったん発症すると致命的な病変である。このような全身性Asp症で,何らかの心電図異常を認めた場合,Asp心筋炎の可能性を念頭におくべきである。
  • 奥 格, 川西 進, 溝渕 知司, 長野 修, 五藤 恵次, 小坂 誠, 片山 浩, 森田 潔
    2002 年 9 巻 4 号 p. 409-413
    発行日: 2002/10/01
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    心臓サルコイドーシスに致死性不整脈重積を合併し,頻回の除細動により高度心機能低下をきたした患者に対して経皮的心肺補助(percutaneous cardiopulmonary support, PCPS),引き続いて両心補助人工心臓(biventricular assisted device, BiVAD)を装着し救命した。PCPS装着1週間でBiVADに移行したが,PCPSでは得られない左心系の負荷軽減により不整脈のコントロールが可能となった。本症例では心臓以外の臓器障害が軽度であり,かつ多臓器不全,下肢阻血などのPCPSの重篤な合併症を起こす前にタイミングよくBiVADへ移行できたことが救命のポイントであった。
  • 藤田 宏子, 竹田 晋浩, 池崎 弘之, 四維 東州, 二神 生爾, 小川 龍, 田中 啓治
    2002 年 9 巻 4 号 p. 415-416
    発行日: 2002/10/01
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
  • 水野 好子, 内藤 嘉之, 宮脇 郁子
    2002 年 9 巻 4 号 p. 417-418
    発行日: 2002/10/01
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
  • 行岡 秀和, 栗田 聡, 吉田 玄, 加藤 昇
    2002 年 9 巻 4 号 p. 419-422
    発行日: 2002/10/01
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
  • 向田 公美子, 七野 力, 福井 道彦, 日昔 秀岳, 福本 正俊, 三島 誠悟
    2002 年 9 巻 4 号 p. 423-424
    発行日: 2002/10/01
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
  • 森田 泰正, 平澤 博之, 織田 成人, 志賀 英敏, 中西 加寿也, 松田 兼一, 仲村 将高, 横張 賢司
    2002 年 9 巻 4 号 p. 425-426
    発行日: 2002/10/01
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
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