化学工学論文集
Online ISSN : 1349-9203
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49 巻, 4 号
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編集ノート
移動現象,流体工学
  • 高橋 理輝, 松岡 杏奈, 古川 陽輝, 加藤 禎人, 朝山 真輔, 森川 議博, 高 承台
    原稿種別: 報文
    2023 年 49 巻 4 号 p. 89-94
    発行日: 2023/07/20
    公開日: 2023/07/20
    ジャーナル 認証あり

    高粘度流体の層流域の混合性能は,撹拌翼の幾何形状に大きく影響される.撹拌槽内に軸流を発生させることが,撹拌レイノルズ数が10以下の層流では最も重要である.軸流を発生させる最も一般的な撹拌翼はヘリカルリボン翼であるが,複雑な幾何形状のため生産コストが高い.そこで,筆者らはいくつかの単純な傾斜パドル翼を組み合わせることにより,生産コストが安価な新しいタイプの撹拌翼を開発した.新型翼はヘリカルリボン翼と同等の混合性能を持っていた.

環境
  • 小玉 聡, 町田 一輝, 金山 尭叡, 関口 秀俊
    原稿種別: 報文
    2023 年 49 巻 4 号 p. 95-101
    発行日: 2023/07/20
    公開日: 2023/07/20
    ジャーナル 認証あり

    CO2固体吸収剤は多孔質担体にCO2吸収–放散特性に優れたアミンを含浸させたもので,化学吸収法と比較して低消費エネルギーでCO2分離回収が行えると期待されている.この一方で,吸収–放散操作の繰り返しにともないアミンが揮発し吸収容量が低下することと,吸収に要する時間が長いことが課題である.本報では,アミンにイオン液体を混合した吸収液を担持させた固体吸収剤を開発し,吸収容量の低下を抑制できる調製条件および操作条件を探索した.その結果,アミンとイオン液体の混合比を9 : 1とし,放散操作時間を制御することで,イオン液体の混合およびアミンの揮発による吸収容量の低下を抑制できた.また,本研究で用いた固体担体に対して,その細孔容積の約36%に吸収液を担持することでCO2吸収量が最大となることがわかった.未反応核モデルおよび全域反応モデルを組み合わせたモデルにより固体吸収剤の吸収挙動が再現され,この結果から固体吸収剤の吸収液の担持状態を推測した.

反応工学
  • 小林 新, 小林 大祐, 納谷 昌和, 村上 裕哉, 庄野 厚, 斉藤 泰和
    原稿種別: 報文
    2023 年 49 巻 4 号 p. 102-107
    発行日: 2023/07/20
    公開日: 2023/07/20
    ジャーナル 認証あり

    炭素担持白金触媒をメチルシクロヘキサンで湿潤しつつ核沸騰温度域の210°C加熱で過熱液膜状態に置くと,懸濁状態に比べ遥かに速く脱水素反応が進行した.円筒型触媒反応器を固液接触状態のまま加熱する流通法では,多量の室温基質をゆっくりと供給するほど水素生成速度は増大し,加熱温度を260°Cから320°Cに高めると水素生成速度は2.7倍向上した.選択的にトルエンと水素を与える脱水素転化率は,基質供給速度を減少させるほど改善した.基質の室温供給・完全転化を320°C加熱で実現できた平衡制約解除について,不可逆過程の熱力学的背景から考察した.

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