化学工学論文集
Online ISSN : 1349-9203
Print ISSN : 0386-216X
ISSN-L : 0386-216X
19 巻, 4 号
選択された号の論文の23件中1~23を表示しています
  • 上野 隆司, 平尾 康彦, 柘植 綾夫, 川西 康平
    1993 年19 巻4 号 p. 565-571
    発行日: 1993/07/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    蒸気発生器の管支持板における穴形状の改良検討を, クレビス内での濃縮ポテンシャル低減の観点で種々の管支持板についての系統的な熱流動実験を行った.
    クレビス内で発生するドライ・ウェット領域には実験後の伝熱管表面に蒸発残さが多く存在したことから, 高い濃縮ポテンシャルを有していることがわかった。ドライアウト領域が発生すると, このドライ・ウェット領域が生じるため, クレビス内でドライアウトが発生するか否かを判定することが, 濃縮ポテンシャルを評価する上で重要であることを指摘した.
    実機の温度, 圧力を模擬した高圧ループでの伝熱管過熱度の周方向分布から, 伝熱管と接する管支持板の穴形状が凹曲面である場合には伝熱管との接触線付近でドライアウトが発生するが, フラットな面である場合にはドライアウトの発生がなく, 濃縮ポテンシャル低減効果の観点から実機適用に有効であることがわかった.
  • 冨田 重幸, 秦 倹, 大島 榮次
    1993 年19 巻4 号 p. 572-583
    発行日: 1993/07/10
    公開日: 2010/02/19
    ジャーナル フリー
    化学プラントの運転支援やCADの知能化には, プラント内で発生している様々な状況や対象プラントに埋め込まれている様々の機能の認識能力を計算機に与えることが不可欠である.本研究では, 「機能」を意味論的観点から捉え, その意味構造を認識・理解するためのモデル (機能モデル) を提案する.ここでは, 「機能」とは, 対象プラントの特定の着目範囲における次のような維持能力のことであると見なされる.1つは着目範囲での入出力状態の対応関係を維持する能力 (処理機能) であり, いま1つは着目範囲内の特定の部位の特定の状態を維持する能力 (維持機能) である.「機能」の意味は, それを認識する際に考慮しておくべき情報のすべてを属性の形で明示的に定義し, かつその属性間の関係を明示することによって定義される.
    このような機能モデルと導出原理を用いて, 従来は経験的に与えられていた機能間の依存関係に関する知識を対象に, その整合性を客観的に検証できる.
    最後に, 本方法論の有効性は, Smalltalk上に試作したシステムによる実験を通じて実証的に確認された.
  • PFDからのプラントの機能的意味の理解
    秦 倹, 冨田 重幸, 大島 榮次
    1993 年19 巻4 号 p. 584-594
    発行日: 1993/07/10
    公開日: 2010/02/19
    ジャーナル フリー
    化学プラントのより知的な運転管理を実現ずるためには, 対象プラントに埋め込まれている諸機能を計算機に認識・理解させることが不可欠である.
    本研究では, 別報で提案した「機能」モデルに基づいて, 個別のプラントのPFDおよび物質の状態から対象プラントに内在する諸機能の階層構造を抽出し, その説明構造を自動に生成する方法を開発した.
    機能抽出は, まず「着目ユニット」の考え方に基づいて対象プラントに固有の「主機能」が抽出され, 次に機能間の階層関係に関する知識を用いて, プラントの機能の階層構造が生成される.このとき必要となる「最下位機能」の満たすべき構造的条件や各機能の意味に関する知識は明確なデータ構造で与えられており, これを用いて機能の階層構造についての説明構造が生成できるようになっている.
  • ウエハー表面への沈着速度の計算
    平野 博之, 尾添 紘之
    1993 年19 巻4 号 p. 595-604
    発行日: 1993/07/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    流体中に含まれる微粒子の挙動を, Brown運動を考慮し, Langevin方程式を用いて直接数値計算した.
    モデルとして取り上げたのは, 半導体ウエハー周りの流れ (Re=50) に含まれる微粒子 (粒子径Dp=0.05~10μm) である.また, 電位を持ったウエハーの周りを, 帯電した微粒子が運動する際の軌跡を計算し, 静電気的な影響についても検討を行った.
    ウエハー周りの流れと電場を数値解析により求め, これをもとにして粒子のウエハー表面への沈着速度をLangevin方程式を用いて計算した結果, 従来の実験式および経験式と比較的良好な一致を得た.
  • 田中 善之助, 宮 忠司, 高橋 照男
    1993 年19 巻4 号 p. 605-609
    発行日: 1993/07/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    遠心流動層は高ガス速度で運転でき, 微小粒子にも適用できるなど特長があるが, 層高が比較的低いためにガスの吹き抜けや部分的な流動化が起こりやすい.ここでは遠心流動層における流動化状態を, 流動化部と非流動化部に分けた部分流動化モデルを用いて, 理論的に検討し, 分散板に仕切を設け, 面積, 仕込量, 回転速度を変えて行った実験と比較した.その結果, ガス速度を変化させたときの圧力損失プロファイルの理論値と実験値が良好に一致した.これより, 遠心流動層では一部から流動化が始まり, 層全体に拡がる過程が説明できた.また, ガス流速による固定層割合の変化は, 部分流動化モデルで説明できた.この流動化状態の変化には, 粒子径や粉体物性の差が大きく影響することが判明した.ガラスビーズと分散性の悪い炭酸カルシウムの結果を比較し, 遠心流動層では層全体の均一な流動化は困難で, そのためにはかなりの流速が必要なことを明らかにした.
  • 池田 幸喜, 柴田 望洋, 柘植 義文, 松山 久義
    1993 年19 巻4 号 p. 610-619
    発行日: 1993/07/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    定性的モデルベース診断法である符号付有向グラフを用いた異常診断法と定量的モデルベース診断法である拡張カルマンフィルタを用いた異常診断法から構成される階層的異常診断システムを開発した.この異常診断システムでは, まず符号付有向グラフを用いた異常診断法により原因の候補集合を求める.次に拡張カルマンフィルタを用いた異常診断法によって, 先に得られた候補集合の中で最も原因の可能性の高い候補を選別する.また, 槽=配管系における異常診断実験により, 本システムの有効性を検討した.
  • 正脇 輝之, 佐藤 仁, 田谷 正仁, 東稔 節治
    1993 年19 巻4 号 p. 620-625
    発行日: 1993/07/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    ビニルピリジン-アクリロニトリル共重合体を用いてpH応答性限外ろ過膜を調製した.製膜条件を変化させることにより, 分画分子量の異なったpH応答性限外ろ過膜が得られた.得られた膜の透水性は, 供給液pHが4から10の範囲でpH変化に対して可逆的に変化し, pH応答性を示した.種々の分子量のポリエチレングリコール水溶液の分離を行ったところ, 供給液pHの増加に伴い, 体積流束, 溶質流束および分画分子量は大きくなった.また, タンパク質 (トリプシン, プロテインA, ヒト免疫グロブリンG) 水溶液の分離を行ったところ, pH 10の場合に比べpH 4の場合の方がタンパク質の排除率は大きくなった.
  • 日高 重助, 網田 仁, 下坂 厚子
    1993 年19 巻4 号 p. 626-632
    発行日: 1993/07/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    粉砕音による粉砕プロセス計測法に関する研究の一つとして, 単一球形粒子が粉砕ボールの間で粉砕されるときに発生する粉砕音の諸量と粉砕産物の粒度特性の関係を明らかにした.粉砕音の放射機構を提出し, それにもとづく推算音圧波形は測定波形とよく一致した.粉砕音は衝撃力により粉砕ボール表面が急激に加速されるために発生する.単一粒子の破砕状態によりボール表面の加速度が変化するので, 粉砕音の諸量は粉砕産物の粒度特性と密接に関係する.粉砕音の周波数スペクトルから周波数成分の強度と粉砕産物の平均粒子径および粒度分布の広さの関係が得られた.この関係から粉砕音の周波数解析により粉砕産物の粒度分布の計測が可能である.
  • 高津 學, 西川 直宏, 水谷 安伸
    1993 年19 巻4 号 p. 633-638
    発行日: 1993/07/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    セラミックスにおける最大熱応力式は従来より数多く報告されているが, その多くは熱物性値を一定として適用している.本論文では, 材料の熱伝導率の温度依存性を考慮し, セラミックスの最大熱応力を数値解析により求め, ビオー数βと熱伝導率の温度依存式中のパラメータAを含む最大熱応力に関する相関式を作成した.その結果, 最大熱応力に対する熱伝導率の温度依存性の影響は, 急熱よりも急冷の場合に大きく寄与し, β=2.3の時に影響が最大となることがわかった.このことはAl2O3のように熱伝導率の温度依存性の高い材料では, セラミックスの温度依存性を考慮しなければならないことを示している.
  • 吉田 雅俊, 松井 幸之助, 松本 繁
    1993 年19 巻4 号 p. 639-646
    発行日: 1993/07/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    放物形分布定数系の制御系設計における, 操作端の最適配置を探索する方法を提案し, それを一次元熱伝導システムに適用して制御性能の評価を行った.その結果, 本探索法により, 目標温度分布に制御するための, 最適なヒーターの配置を比較的正確に決定できることが確認できた.本法によれば, 操作端の数をそれほど多くしなくても, 操作端を最適な位置に設置することによって, 目標とする状態量に制御できることが示唆された.
  • 青木 秀之, 佐藤 洋史, 三浦 隆利
    1993 年19 巻4 号 p. 647-655
    発行日: 1993/07/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    コークス炉内熱および物質移動現象の解明を目的として, 軟化溶融層・セミコークス層の粘性, 軟化溶融層の膨張および物性値の熱分解反応率依存性を考慮したコークス塊内熱応力モデルを開発した.また小型乾留炉を用いた実験を行いコークス層変形挙動を観察・測定した.その結果物性値を熱分解反応率依存で与えた場合は, 温度依存で与えた場合と比較して昇温速度が大きい場合でも変位挙動を良好に再現したため, 熱物性値の熱分解反応率依存性を考慮する必要性が示された.またクリープ解析結果は弾性解析結果と比較して実験値と良好に一致し, 乾留過程における塊変形挙動解析を行うためには軟化溶融層・セミコークス層の粘性を考慮する必要があることが示された.さらに加熱壁の拘束を与えた場合の最大主応力の推算結果は, 実験の傾向と定性的に一致し, 本解析モデルおよび壁面拘束方法の妥当性が示された.
  • 向阪 保雄, 堀内 貴洋, 遠藤 〓行, 新居田 亨
    1993 年19 巻4 号 p. 656-662
    発行日: 1993/07/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    固体表面に付着した微粒子の新しい除去方法として液体の凍結・融解を利用した方法について検討を試みた.すなわち, 微粒子の付着した基板を凍結液 (界面活性剤を添加した超純水およびメチルアルコール) 中に浸漬してそれを液体窒素で凍結し, 次にそれを解凍・洗浄することによって微粒子を除去する方法について実験的に検討を行った.その結果, 基板および粒子と濡れ性のよい凍結液を用いた場合に基板 (シリコンウエハおよびスライドグラス) 上に付着させたサブミクロン粒子を効果的に除去できることがわかった.実験結果から粒子除去の機構を考察したが, その主なものは, 凍結が進む前面での粒子の押しのけ効果 (一種のコアセルベーション) および凍結後の凍結液と基板との熱膨張差などが関与していることが推察された.
  • 中原 俊輔, 正本 博士, 荒井 康彦
    1993 年19 巻4 号 p. 663-668
    発行日: 1993/07/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    水-有機化合物-酢酸3成分系において, 有機化合物が1-ヘキセン, 1-オクテン, メチルシクロヘキサン, エチルシクロヘキサン, 3-メチル-2-ブタノン, 2-ペンタノンあるいは4-ヘプタノンである7系の相互溶解度と界面張力を25℃にて測定した.また, それらと既報の11系を含む18系の界面張力について, 著者らのモデルを用いて相関を試みた.モデル式に含まれるパラメータを, 有機化合物がアルカン, アルケン, あるいはシクロアルカンの場合, 芳香族化合物の場合およびケトン類の場合の3つのグループことに, 有機化合物の臨界モル体積の1次関数で近似した.これらの近似式より得られるパラメータを用いると, 3成分系液液界面張力は平均誤差3%以内で推算できる.
  • 陳 勇, 松田 仁樹, 架谷 昌信
    1993 年19 巻4 号 p. 669-672
    発行日: 1993/07/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    一般に, 石炭燃焼によって生じるNOの75%以上は石炭中の窒素分 (N) から生成するFuel NOとされている.また, 石炭チャーはNOに対して還元作用があるため, チャー中の窒素分 (Char-N) のNOへの転換率は低く, Fuel NOの大部分は揮発分中の窒素分 (Volatile-N) によるVolatile NOと考えられる.したがって, どのようにしてVolatile-NO生成を抑制するかが石炭燃焼における環境問題解決の重要な課題となっている.上記課題に対する石炭燃焼に伴うNO生成量抑制方法の一つとして, 石炭を燃焼に供する前に, 石炭中の窒素含有量を低下させようとする事前脱窒素法がある.事前脱窒素法に関してこれまでに, (i) 500℃以下では石炭窒素はほとんどガス相へ移行しない. (ii) 燃料比の高いものほど, 石炭チャー中への窒素残留率が高く, N分の放出率は燃料比と相関される, (iii) 温度および昇温速度が大きくなるほど窒素分のガス相への移行割合が増加する, (IV) 石炭に含まれる窒素分には低温領域 (900℃以下) で放出される窒素と高温領域 (900℃以上) で放出される窒素が存在する, などが明らかにされている.
    事前脱窒素法に関連して, 付加価値の高い化学原料 (多環芳香族物質等) である石炭タールを採取する場合には, Volatile-Nの除去法を考えなければならない.そのためには, 加熱条件下において, 石炭タールおよびタール中の窒素分の挙動をあらかじめ把握しておくことが必要である.そこで, 本研究では “燃料比 (FR) の広い範囲 (FR=0.9~6.6) で異なる石炭を用いて, アルゴン雰囲気での種々の温度において回分熱分解実験を行った.実験結果に基づいてタールの収率, タール中N分の挙動および窒素化合物の組成を調べるとともに, それらに与える温度, 燃料比の影響を検討した.
  • 陳 勇, 松田 仁樹, 架谷 昌信
    1993 年19 巻4 号 p. 672-676
    発行日: 1993/07/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    一般に, ガス化, 燃焼に伴う石炭の物理, 化学変化は石炭粒子の表面ならびに気孔内表面において起こり, しかも熱分解過程において石炭は粒子形状変化を呈する.従来より, 熱分解における石炭の気孔生成, 気孔の形状変化に関する研究が数多く行われてきた.Stubington等は3種類のオーストラリア炭を用いた熱分解実験結果より, 各石炭の揮発分の放出時間の違いは石炭気孔の構造の相異による輻射伝熱速度の差に起因すると指摘している.そのほか, 石炭粒子に対する微細的な観察結果から, (i) 熱分解過程において, 石炭粒子は軟化, 膨張するとともに数多くの気孔を発生する, (ii) 加熱された石炭粒子の粒径は原炭より10%程度増大する, (iii) 熱分解の際に生じる気孔はおよそ, 帯状, 気泡状とC-状の三種類の形態で存在することが明らかにされている.Canらは石炭粒子の気孔はおよそ, ミクロ気孔 (<0.0012μm), 中間気孔 (0.0012~0.03μm), マクロ気孔 (>0.03μm) として存在することを明らかにした.しかしながら, 彼らの研究では, 試料としてれき青炭のみを用いており, また, 石炭比表面積の温度による変化は検討されていない.
    そこで, 本研究では, 褐炭, れき青炭および無煙炭に属する3種類の石炭を用いて, 熱分解実験を行い, その結果に基づいて, 各石炭の粒子径, 表面形状および比表面積の熱分解温度依存性について炭種ごとに検討を行った.
  • 江頭 竜一, 杉本 高弘, 川崎 順二郎
    1993 年19 巻4 号 p. 676-679
    発行日: 1993/07/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    The dynamic holdup of O/W emulsion in a column packed with McMahon for hydfocarbon separation by a liquid membrane was correlated empirically. The emulsion flowed as a film on the packing surface, because the hydrophilic packing was selected so as to be wetted with the emulsion and to reduce the membrane breakage. The emulsion flow was analogous to liquid flow for a gas-liquid system with liquid-wettable packing, unlike dispersed-phase flow for an ordinary liquid-liquid system. The correlation roughly fitted previous results for liquid holdup in the gas-liquid systems.
  • 川井 友博, 江頭 竜一, 齊宮 英紀, 川崎 順二郎
    1993 年19 巻4 号 p. 680-683
    発行日: 1993/07/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    A method was proposed for measuring the parameters of the adsorption isotherm and mass-transfer coefficients using an analytical column in order to simulate chromatograms of preparative liquid chromatography (prep LC). Close agreement between measured and simulated chromatograms was obtained for prep LC purification of erythromycin. The results showed that this method can be fully applied for scale-up from analytical LC to prep LC.
  • 山田 幾穂, 洪 原憙, 森 秀樹, 中尾 智津, 劉 芳芝
    1993 年19 巻4 号 p. 684-687
    発行日: 1993/07/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    強い非線形性を持つ連立方程式
    {f (x, y) =0 (1)
    g (x, y)) =0 (2)
    を解くにあたり, i) xまたはyの何れか一つの初期値を用い, Eqs. (1), (2) をそれぞれ1変数方程式として交互に解く逐次代入法, ii) xまたはyの二つの初期値を用いる2変数Regula-falsi法, iii) x, yのそれぞ1個, 計2つの初期値と解析的微分形を用いるNewton-Raph-son法, など, それぞれ一長一短の特徴を持つ数値解法が知られてきた.ここではi) と同様ただ1個の初期値から出発し, 解析的微分形を用いることのない簡明なアルゴリズムを持つ解法を示し, 数値例によってその有用性を考察する.
  • 偏光解析法による吸着層厚みの測定
    神吉 達夫, 浅野 強, 財津 国央, 陳 永展
    1993 年19 巻4 号 p. 687-691
    発行日: 1993/07/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    Ellipsometry is used for measuring adsorption layer thicknesses of benzene and pyridine on silicon crystal surface (001). Variations of the thickness with specific pressures are shown to be correlated well by the BET multilayer adsorption isotherm equation, which allows us to estimate the thicknesses of saturated monomolecular layer and molecular occupied areas. It was found that the monomolecular layer thickness of pyridine is about 40 percent greater than that of benzene, while the occupied area of a pyridine molecule is about 60 percent less than that of a benzene molecule. These conclusions are coincident with spectroscopic results reported for adsorbate-surface interaction by means of UV photoemission and Raman spectroscopy. Ellipsometry has been proved to be an effective method for evaluating adsorption equilibrium characteristics.
  • 史 仲平, 清水 和幸
    1993 年19 巻4 号 p. 692-694
    発行日: 1993/07/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    We previously proposed a neuro-fuzzy control strategy for bioreactors, and showed the power of this approach by computer simulation. However, pattern learning and pattern recognition by neural networks was quite time-consuming. This is because many training data must be generated somehow, and this has been considered to be an obstacle to practical applications.
    We made several experiments using E. coli. It was shown that pattern learning and recognition of the change in the dissolved oxygen concentration by neural networks can be easily made only with experimental data. This may be due to the fact that experimental data contain a variety of patterns in nature.
  • 松村 幸彦, 吉田 邦夫
    1993 年19 巻4 号 p. 695-698
    発行日: 1993/07/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    昼夜間の電力負荷格差の解消を目的とする氷蓄熱システムは広く用いられ多くの研究もなされているが, 通常の冷房と比較して効率が低い, 氷の蓄熱容積が大きい, という二つの問題を持つ.一方ケミカルヒートポンプは, 任意の温度で反応を進行させられ, 大きな反応熱を利用した高い蓄熱密度の蓄熱システムを実現できる.この特長を活かしてケミカルヒートポンプを用いた冷熱蓄熱システムを構成し, 氷蓄熱の問題点を改善することを考えた.ケミカルヒートポンプによる冷熱発生システムにはすでに吸収式, 吸着式の実用例があり, 研究中のシステムも多いが, 夜間電力を利用して冷熱を得る実用システムはなく, COPおよび蓄熱容積の観点からヒートポンプシステムを比較検討した例もない.
    本研究では, COPおよび蓄熱容積を評価基準として水蒸気を作動媒体としたケミカルヒートポンプの理論的比較評価を行った.さらに炭酸ナトリウム10水塩とシュウ酸2水塩の組み合わせに着目し, 炭酸ナトリウム10水塩の脱水特性を検討した.
  • 分散媒体を用いた新しい手法
    遠藤 禎行, 向阪 保雄, 藤井 進
    1993 年19 巻4 号 p. 698-701
    発行日: 1993/07/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    A new dispersion method for aggregate particles consisting of submicron primary particles in air is proposed, in which submicron particles (polystyrene latex particles of 0.3 and 0.5 μm in diam.) are blended to coat onto dispersing media (glass beads of 100 μm in diam.) and then are accelerated by N2 gas stream in an ejector to obtain submicron primary particles. The results were successful as expected from the theoretically predicted dispersion mechanism.
  • 朴 辰遠, 梶内 俊夫
    1993 年19 巻4 号 p. 702-704
    発行日: 1993/07/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    セルロース分解酵素であるセルラーゼを無水マレイン酸基をもつ両親媒性高分子でマレイル化反応を利用して化学修飾させることにより, 基質への吸着性の制御や, 活性の安定化を向上できることを, 著者等は報告してきた.この修飾酵素の性質が, セルラーゼ発酵生産液からの分離や, 加水分解反応液からの酵素の回収, 再利用に応用できれば, 修飾酵素はトータルシステムとしての実用的酵素になる.そこで, 本研究では, セルラーゼ発酵生産濾過液のモデル液中で修飾反応を行うとともに修飾セルラーゼの水溶性有機溶媒への可溶性を利用した修飾酵素の分離・回収を検討した.
feedback
Top