通気および無通気状態における高粘度液通気攪拌槽の攪拌所要動力を測定した.無通気時の攪拌所要動力の実測値は,従来用いられている無次元数(動力数と攪拌レイノルズ数)によって良好に表し得た.
通気状態下における攪拌所要動力の相関も,動力と攪拌翼背後に形成されるキャビティの形状との関係に関する考察に基づいて行った.
さらに,構内が完全混合状態であるという仮定の下で,見掛けの物質移動容量係数を測定した.攪拌所要動力がある程度大きい領域では,物質移動容量係数と攪拌動力の関係が両対数紙上で各々の操作条件毎に直線関係を示すことが分かった.そこで,この領域については簡単な物質移動容量係数の実験式を提案した.一方,攪拌動力がさほど大きくない領域では,物質移動容量係数が上述の実験式と気泡塔に関して提出した既往の相関式(Tokanai
et al., 2001)の双方を用いる手法で良好に表示し得ることを示した.
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