0.04, 0.2, 0.8および1.5μmの4種の孔直径をもつセラミック精密濾過膜を用いて, メタン発酵液のクロスフロー濾過を行い, 圧力, 原液流速, MLSSおよび温度の影響について検討した.
その結果, 限界流束が得られ, その値は原液流速が低いほど, またMLSS濃度が高いほど低かった.
低流速の場合に, 限界流束は膜の孔直径によらなかったが, 高流速では孔径が大きくなるほど限界流束は低下した.
また, 限界流束は液温の上昇とともに増大し, これは透過液粘度の変化で説明できた.
これらの限界流束の挙動を, 膜自身, 目詰まりおよびケーク層による抵抗で解析した. それによると, 低流速の場合には膜面にケーク層が形成されやすく, 大きな透過抵抗として作用するために, 透過流束は著しく低下した.一方, 高流速の場合には主に目詰まりが影響し, この抵抗は膜細孔が大きくなると増加することが明らかとなった.
0.04あるいは0.2μmの孔直径をもつ膜では, 完全に菌体の阻止が可能であった. けれども, さらに大きな孔径の膜では菌体の漏れが少々みられた.
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