化学工学論文集
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7 巻, 1 号
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  • 海野 肇, 菊地 文男, 松浦 明徳, 明畠 高司
    1981 年7 巻1 号 p. 1-5
    発行日: 1981/01/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    旋回流式曝気槽横断面内の液の流れを表すために著者らがすでに提案した2領域モデルの最も重要なパラメータは上昇気泡域と旋回域の大きさおよび2領域間の交換液流量である.本論文はまず槽全体のフローパタンを把握した後これらの流動特性の中, 上昇気泡域の大ぎさおよび交換液流量と装置条件ならびに操作条件との関係を実験的に検討したものである.
    上昇気泡域の大きさは, 散気装置に多孔管を用いる場合は空気流量の0.3乗に比例するが, 多孔質板を用いると空気流量には無関係になる.また, 上昇気泡域の大きさはいずれの散気装置, 旋回方式を用いても散気装置水深に比例する。2領域問の交換液流量は美置条件, 操作条件に密接に関係しているが, ただ一つのパラメータ, (空気流量) / (上昇気泡域の気泡の体積割合) だけによってよく相関される.
  • 酒井 清孝, 日比 正昭, 佐々木 孝一郎
    1981 年7 巻1 号 p. 6-12
    発行日: 1981/01/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    浸漬型液中燃焼装置内における気液の混合状態を解明するため, 装置内部の観察, 気液混合部の写真撮影およびパルス応答測定を行った結果, 装置内の液はほぼ完全混合状態にあり, 燃焼ガスとの接触は良好であることがわかった.
    また装置内の伝熱モデルを考え, 伝熱機構の解析を行った結果, 装置内のガス温度およびガス湿度の変化の様子を知ることができた.さらにダウンカマー管内燃焼ガス質量速度Gと伝熱容量係数hGA・aとの関係式が得られた.
    次に完了浸漬深さを求める実験を行った結果, ダウンカマー管とエアリフト管との管径比が 1 : 2の条件下では完了浸漬深さは25cmと求まった。すなわち, ダウンカマー管を25cm浸漬させることにより熱効率を犠牲にすることなく圧力損失を最小限に抑えることができることになる.また浸漬型液中燃焼装置は液加熱装置として用いるよりも蒸発装置として用いる方が適していることがわかった.
  • 酒井 清孝, 峰島 三千男, 斉藤 憲明, 堤 英輔, 小沢 宏, 村松 禎夫
    1981 年7 巻1 号 p. 13-18
    発行日: 1981/01/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    液中燃焼装置は, 非常に高い熱効率を示すが, 圧力損失も大きい.この欠点を改良するため, 多孔板もれ棚を用いた気液直接接触式熱交換器を開発した.液加熱実験によると, 高熱効率を維持しつつ, 圧力損失を1/10以下に抑えることが可能との結果を得た.液加熱効率は, 多孔板の開孔率に依存し, 穴径の変化による影響は少ない.また, 物質移動を考慮に入れないモデルを考え, 伝熱容量係数の実験式を得た.さらに, 物質移動を考慮に入れたモデルと比較した.本実験操作範囲では, 液温が低いため, 凝縮が起こる。しかし, 凝縮量は少なく, 液温に対する影響は無視できる.
  • 小針 正夫, 清水 幸夫, 遠藤 美保子, 稲積 彦二
    1981 年7 巻1 号 p. 19-25
    発行日: 1981/01/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    薄層材料の間接加熱乾燥について, 吸湿性の細胞壁質材料を用いて理論的かつ実験的に検討した.材料の伝熱抵抗が気相のそれに比べて小さく, 乾燥過程における材料の水分と温度の分布を無視できるような薄い材料を扱う場合には, 経時的乾燥速度は, 材料の平衡蒸気圧と固-気間の熱と物質の同時移動に関する諸関係を用いた簡単な逐次計算によって推算でき, この推算値が実験用乾燥装置による実験結果とよく一致することを示した.
  • 頼実 正弘, 吉田 英人, Nonot Soewarno, 三吉 伸幸
    1981 年7 巻1 号 p. 26-32
    発行日: 1981/01/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    振動条件下でのトレーの流動特性に関し, ウィーピング, エントレイズント, 安定操作範囲および仕切り板を入れた場合について実験的に検討した.その結果エソトレイメント量は低液量領域で振動条件下の方が多いが, 高液量領域では水平静止した場合の方が多くなり, また振動周期が短いほどエントレイメント量は増加した.ウィーピング量はFファクター1以下の領域では振動条件下の方が多いが, 1以上の領域では逆の傾向を示し, またウィーピング, エントレイメント量で規定される安定領域については, 実験条件下では塔が振動すると幾分狭くなることがわかった.さらに仕切り板の枚数および高さに関しては最適値が存在し, 枚数については2枚程度, 高さについては出口堰程度がよい.また仕切り板を入れるとエントレイメント, ウィーピング量, 圧損および静液深は塔を水平静止させた場合より若干多くなるが圧損変動幅は低下さすことができるという知見を得た.
  • 佐渡 友秀夫, 宮原 〓中
    1981 年7 巻1 号 p. 33-39
    発行日: 1981/01/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    段上ホールドアップを考慮した回分蒸留の挙動は絶対値の小さな数個の固有値によって表現されることに注目して, 比較的大きな時間きざみについて微分方程式を線形化し, 係数行列を相似変換することにより本問題を対称三重対角行列の固有値問題に帰着せしめ, 安定でかつ高速度な多成分回分蒸留計算法を提案した.この固有値法によれば, 特に変化の緩やかな留出期間において, Runge-Kutta-Gill法に比べ20倍以上の速度が得られることを示した.
    また, 数値積分法の最大安定きざみと計算精度を支配する負で絶対値最大の固有値を推定する新しい基準を提案し, その推定値は経験値とよい一致を示すことを確認した.
  • 金木 則明, 原 弘, 島田 浩次, 城本 義光
    1981 年7 巻1 号 p. 40-44
    発行日: 1981/01/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    アルカリ型酸素-水素燃料電池のLaNi5水素極の限界電流密度は電解液水酸イオンの細孔内反応面への拡散によって生ずる.
    水素電極の限界電流密度は作製条件であるテフロン/LaNi5の重量比およびホットプレス温度によって大きく影響される.その原因はテフロンによる電極細孔径や細孔容積減少に伴う細孔内に生じたくびれや隆路の増加による細孔構造の変化が起因している.
    アルミニウム粉添加による細孔径および細孔容積を増大させた電極は液浸透速度を大きくすることができ限界電流密度を大きく改良することができた.
  • 豊倉 賢, 柴内 哲雄, 内山 誠, 徳本 祥, 藤原 茂芳
    1981 年7 巻1 号 p. 45-49
    発行日: 1981/01/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    流動層を形成している石コウ針状結晶群の流動状態の特性を調べた.単一針状結晶の終末速度に対して, その針状結晶の長径と短径との比が20~100, レイノルズ数が0.4~2.2の範囲では, 短径が支配的であることがわかり, このことより針状結晶の終末速度, 空塔速度, および空間率との問の相関が得られた.これらの相関関係を用いて, 流動層高変化の実測値より流動種晶の平均短径を算出する新しい手法を提出した.さらに, 短径基準の成長速度を, 成長させた時間内での短径の平均値の差から算出した.この成長速度は過飽和濃度の指数関数で相関され, その指数として0.7が得られた.
  • p-キシレンクラスレートの特性
    北村 光孝, 若林 英治, 中井 資
    1981 年7 巻1 号 p. 50-56
    発行日: 1981/01/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    金属錯体としてテトラ- (4-メチルピリジノ) ニッケルジチオシアネートを用い, p-キシレンクラスレートを形成させた場合の基礎的な諸特性を測定した.
    このNi錯体は温度上昇とともに解離が進行し, このためメチルセロソルブ溶液中の溶解度が減少するので, 4-メチルピリジン添加による解離抑制効果の検討を行った。また, 4-メチルピリジン10Vol%を含むメチルセロソルブ溶液中からp-キシレンクラスレートをアダクト晶析により析出させ, このとき得られるクラスレート結晶組成およびp-キシレンの収率の仕込み溶液組成およびNi錯体濃度に対する依存性を明らかにした。さらに, Ni錯体粉末とP-キシレンの反応によってもクラスレートを形成させ, このときの固液平衡の測定から, クラスレート固相の特性を検討した.
  • 有効吸収係数の適用性
    大竹 伝雄, 東稔 節治, 樋口 和之, 中尾 勝実
    1981 年7 巻1 号 p. 57-63
    発行日: 1981/01/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    低圧水銀灯で照射された角型気泡塔内の光強度分布を角度特性の大きく異なる2種類のCs一Teプローブによって測定した.空気を用いた均一系では, 指向性の強くないプローブAによる光強度分布の測定値は拡散線光源モデルによってよく説明できた.不均一系の一例として窒素気泡を分散した硝酸カリウム水溶液に対して, プローブAによる実測光強度分布が拡散線光源モデル式に合致するように有効吸収係数を決定した.指向性を特に強くしたプローブBによる光強度分布データに半径光モデルを適用して有効吸収係数を求める簡便な方法も示した.有効吸収係数は分散相ホールドアップ, 分散粒子径, 比表面積および各相の光学的物性によって規定され, 簡単な実験式で相関できた.窒素気泡存在下でのトリオギザレート鉄カリウムの光還元反応速度の実測値は, 有効吸収係数を用いて計算した値とよく一致した.
  • 村田 勝英, 佐藤 健二, 手島 英夫
    1981 年7 巻1 号 p. 64-70
    発行日: 1981/01/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    高密度ポリエチレンの熱分解に関する研究を連続式攪拌槽型反応器を用いて行い, 分解留出物の炭素数分布, 反応器内液 (かん液) の分子量分布ならびに分解速度を大気圧下, 温度範囲410~440℃で測定した.
    分解留出物の炭素数分布からはポリマー鎖末端からの開裂, かん液の分子量分布からはランダム開裂という二とおりの反応が認められたが, これはポリエチレンの熱分解が両者の併起反応であるため生ずる結果と考えられる.両反応が併起しているとすると, 両者の活性化エネルギーの差から, かん液の分子量は分解温度が高くなるにつれて大きくなると推測されるが, これは実測の結果と一致する.
  • 中村 正秋, 棚橋 崇, 高田 大作, 大佐々 邦久, 杉山 幸男
    1981 年7 巻1 号 p. 71-76
    発行日: 1981/01/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    気液上昇並流充填膚内の半径方向有効熱伝導度κerおよびみかけの壁面伝熱係数hwを粒子径dp=4.0, 5.0および6.6mmの球形粒子を用い, 空気一水系で測定し, 次の結果を得た.
    1) 上昇並流型のκer.およびhωは, ともに下降並流型の値よりも大きい.2) 液流量Lを一定に保ち, ガス流量Gを増大させると, 下降並流型のκer, hωは単調に漸増するが, 上昇並流型のそれらは気泡流域で最大値をとり, パルス流域では漸減または一定となる.3) kerが漸減する高ガス流量域で, 相関式κerl=c (dpL/μl) a (dpG/μg) bを得た。ここで, a=055~057, b=0.3, c=22.5~26.9である.4) 5.0mmアルミナ多孔質球のκerの実測値は, 同径のガラス球の予想値よりも約20%大きく, 粒子表面の粗滑度が液滞留量に影響したためではないかと思われる.
  • 太平洋炭燃焼灰中の未燃分濃度の解析
    平間 利昌, 富田 稔, 安達 富雄, 堀尾 正靱
    1981 年7 巻1 号 p. 77-82
    発行日: 1981/01/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    石炭の大量利用は, 現代社会で受容可能な灰の投棄または再利用の技術を必要としている.本論文では流動層燃焼から生産される灰中の未燃分濃度を推算するための簡便なモデルが検討される.
    実験では, 内径10.8cmの流動層で太平洋炭を燃焼した.粒子の滞留時間分布を考慮して, 粗粒炭についての総括燃焼速度定数を得た.飛び出し速度定数は, 未燃分濃度と粒径の関係から得た.観測された飛び出し速度定数の値はZenzらおよび矢木らの相関式による値の中間に収まった.
  • 八嶋 三郎, 斎藤 文良, 堀田 浩充
    1981 年7 巻1 号 p. 83-89
    発行日: 1981/01/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    ぜい性材料として2種類のガラス質試料および6種類の天然産岩石試料の球形試験片を用い, 試作した二重振り子型衝撃試験機による単粒子の破砕実験を行った.これより, 1) 単位質量あたりの破砕エネルギーは, ヘルツの式から導かれる計算値の約1/2~1/10となる.2) 力積と単位質量あたりの破砕エネルギーとの関係は, ガラス質試料では理論的関係とよく一致するが, 天然産試料では力積の実測値は理論値より約2~3倍大となる.3) 破砕産物の粒度分布はGaudin-Meloy-Harris (G-M-H) 粒度分布式で表され, したがって増加比表面積は G-M-H粒度分布式の三つのパラメータによって計算され, 最終的には衝突エネルギーの関数となる.4) エネルギー法則は単位質量あたりの破砕エネルギーの広い範囲において田中の粉砕限界説に近い関係にある.5) 粉砕効率は常速荷重下と比較して衝撃荷重下のほうがよい試料とほぼ同程度の値を示す試料との二つのグループに分けられる.
  • 藤 道治, 村上 泰弘
    1981 年7 巻1 号 p. 90-95
    発行日: 1981/01/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    流体圧型蝶番式掻取り板に働く法線力や勇断力を別報の流れ関数によって計算し, これらの力の平衡条件をもとにしてその消費動力を理論的に求めた.
    蝶番式掻取り板の掻取り角度, 枚数および幅が変わった場合に対して, 理論動力を実測値と比較し, 両者が大体一致することがわかった.
  • 清水 豊満, 今井 治, 榊原 靖仁, 大類 徹也
    1981 年7 巻1 号 p. 96-101
    発行日: 1981/01/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    逆混合流れ-拡散・反応複合モデルを用いて, 常圧のアンモニヤ酸化器の安定性を検討した.
    種々の供給ガス条件に対して, 着火点および失火点を解析的に決定した後, さらにこれらの結果を整理して着火一失火温度線図を作成し, 安定操作領域について考察した.この線図を用いることによって, 酸化器を安全に始動, または条件変更することが可能である.
  • 遠藤 敦, 宇津木 弘, 鈴木 睦, 大谷 茂盛, 川上 幸衛, 相緒 剛志, 楠浩 一郎
    1981 年7 巻1 号 p. 102-108
    発行日: 1981/01/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
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