不織布繊維フィルターを構成している繊維がお互いに重なることなく,ランダムに,かつ平行に配列していると仮定してフィルター断面の二次元シミュレーションを行い,近接する繊維が形成する空隙の内接円直径(
D)および繊維間距離(
L)の分布(すなわち細孔径分布)を求めた.シミュレーションで得られた細孔径分布とディファレンシャルフロー法(DFM)により求めた細孔径(
Df)の分布およびステンレススチール繊維フィルター断面の顕微鏡観察により求めた繊維間距離(
LM)の分布を比較し,以下の結果が得られた,(1)シミュレーションで得られた
Dと
Lの分布はΓ分布で近似できた,(2)
Dfと
LMの分布はある範囲で対数正規分布および,Γ分布で近似できた,(3)
Dfの50%径とフィルターの空隙率(ε)の関係は
Dの50%径とεの関係とほぼ一致した,(4)DFMで求めた平均流細孔径とεの関係はΓ分布における
Dの平均値とεの関係とほぼ一致した,(5)いずれのεにおいてもバブルポイント法で求めた
Dfの最大値は
Dおよび
Lの最大値とほぼ一致した,および(6)
LMの50%径とεの関係は
Lの50%径とεの関係とほぼ一致した.
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