化学工学論文集
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33 巻, 2 号
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物性,物理化学
  • ―外部磁場が作用する場合―
    青島 政之, 佐藤 明
    2007 年33 巻2 号 p. 77-84
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/04/20
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    強磁性棒状粒子からなるコロイド分散系のミクロ構造に対する外部磁場の影響を,cluster-movingモンテカルロ法を用いて調べた.得られたミクロ構造は配向分布関数および2体相関関数を用いて解析を行った.結果を要約すると,以下のとおりである.磁場が増加するにつれ,粒子は磁場方向に配向する.粒子間相互作用が大きくなると,粒子は磁場方向に鎖状クラスタを形成する.しかしながら,配向分布はアスペクト比や粒子間相互作用の影響を受けない.磁場方向に生じる鎖状クラスタは直線状および階段状構造の2種類が観察された.粒子の面積分率が減少すると鎖状クラスタは短くなり,面積分率が増加すると階段状構造が増加する.階段状構造の出現は,粒子形状に依存したポテンシャル・エネルギー曲線から説明できる.
移動現象,流体工学
  • 井上 義朗, 柴 貴子, 小野 将史, 平田 雄志
    2007 年33 巻2 号 p. 85-91
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/04/20
    ジャーナル 認証あり
    マルチフラクタル解析の手法を応用して,2種類の流体の混合状態を評価するための新しい解析手法を提示する.混合パターンの幾何学的特徴を擬局所フラクタル次元qと擬大域フラクタル次元fq)の2つの因子で捉え,それらの相互関係をスペクトルとして表現する.厳密なマルチフラクタル解析では,空間を分割するセルサイズを無限小に近づける極限操作を行うが,本解析手法ではセルサイズは有限値にとどめる.それにより解析が簡略化され,複雑な形状をもつパターンの幾何学的特徴を抽出することが容易になる.2値化された混合パターンに本解析法を適用して,その有効性と妥当性について検討した.
粉粒体工学
  • 信清 良太, 稲田 勇太, 福井 国博, 吉田 英人
    2007 年33 巻2 号 p. 92-100
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/04/20
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    サイクロンの高性能化を目的に,出口管上部にリング部を設置することおよび天板付近から局所的に追加気流を導入することが粒子の分離性能に及ぼす影響について実験およびシミュレーションにより検討した.可視化実験およびシミュレーション結果より,出口管上部において回転気流が逆回転する逆流領域の存在を確認した.この対策として,出口管上部にリングを設けることで,逆流領域が低減すると共にサイクロンの粒子分離径がサブミクロン域に小さくなった.リングの肉厚及び長さに関しては最適値が存在する.またリング部の設置はサイクロン内での粒子降下角度を小さくさせるが,一方天板部からの追加気流はその値を大きくさせる.
    サイクロンの粒子分離性能を向上させるには,出口管上部のリングの設置及び天板付近からの局所的な追加気流の利用が有効であり,両者を併用することで50%分離径が最小約0.6 μm(JIS, 11種)になった.粒子分離性能や粒子降下角度の実験結果は3次元シミュレーション結果と定性的に一致した.
分離工学
  • 西村 伸也, 瀧川 悌二, 伊與田 浩志, 今駒 博信
    2007 年33 巻2 号 p. 101-106
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/04/20
    ジャーナル 認証あり
    乾燥過程における材料温度変化を用いて乾燥速度を簡便に測定する方法を提案し,非親水性多孔平板であるガラス微粒子層の対流乾燥,伝導併用対流乾燥,および高分子溶液膜であるPVA水溶液膜の対流乾燥実験結果に対してこの方法を適用することでその実用性を検討した.その結果,水分蒸発を伴わない乾き材料昇温期間や材料温度変化がきわめて小さな微量水分蒸発期間を除いてこの方法の有効性が示唆された.この方法は質量変化法の適用が難しい高速熱風下で乾燥所要時間の著しく短い塗膜などの乾燥速度の測定に応用できると期待される.
  • 西村 伸也, 伊與田 浩志, 瀧川 悌二, 今駒 博信
    2007 年33 巻2 号 p. 107-115
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/04/20
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    乾燥器内熱風の不完全流れ状態を槽列モデルで表した熱風リサイクル・材料静置型回分式乾燥器モデルを提案し,そのシミュレーションを通して乾燥器の各種性能を評価する手順を示した.材料乾燥モデルには乾燥特性曲線を使用し,ガラス微粒子層の323 K,低湿度熱風による伝導併用対流時の乾燥特性曲線を用いて,433 Kおよび363 K,低湿度-高湿度の伝導併用対流乾燥過程を推定した.熱風温度,流量,リサイクル率,槽数が乾燥所要時間・乾燥所要エネルギー,過乾燥,ならびに器内熱風湿度に及ぼす影響について検討した結果,熱風温度が373 Kおよびリサイクル率が0.95を境として乾燥器性能は大きく変化することが明らかとなった.
  • 三村 富雄, 八木 靖幸, 吉山 隆士, 井上 由起彦
    2007 年33 巻2 号 p. 116-121
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/04/20
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    CO2化学吸収プラントのCO2回収熱量は吸収塔高さなど設備上の因子に加えて,化学吸収液のCO2解離熱,CO2ガスと吸収液の気液平衡特性,反応速度定数の3つの基礎特性に大きく依存することが知られている.しかし,新しい吸収液のプラント適用を考える場合に,この3特性は各々独立した性格を持つので,総合的な性能であるCO2回収熱量を予測することが困難であった.
    今回,CO2と液の反応熱,気液平衡デ-タからの実効CO2ロ-デングおよび反応速度定数からのCO2吸収率からCO2回収熱量を計算する数式を作成した.この方法でCO2回収熱量を計算した結果を関西電力(株)大阪南港排煙脱炭プラントの実績と対比したところ良好な対応を得た.このことから,提案した今回の計算方法を用いれば新吸収液の性能予測が可能であることが判明した.
  • 姫野 修司, 小松 隆宏, 藤田 昌一, 富田 俊弘, 鈴木 憲次, 中山 邦雄, 吉田 修一
    2007 年33 巻2 号 p. 122-129
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/04/20
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    本研究では,二酸化炭素(CO2)/メタン(CH4)分離膜として最近開発されたDDR型ゼオライト膜を用いて様々な単成分ガスの透過やCO2/CH4混合ガスの透過を測定し,各気体の透過機構や分離機構の解明を行い,他の分離膜との性能比較を行った.
    まず,He, H2, CO2, O2, N2, CH4の単成分ガスの透過流束を測定し,CO2は主に吸着に起因し,CH4はDDRゼオライト細孔による分子ふるいに起因する透過機構であることを明らかにした.また,加圧透過試験およびスウィープ試験による298 Kでの単成分ガスのCO2/CH4理想分離係数は供給圧力0.2 MPa,透過圧力0.1 MPaのとき最大でそれぞれ336, 170となった.
    次に,スウィープ試験で測定したCO2/CH4混合ガス(50 : 50)と単成分ガスの透過流束および分離係数を比較した結果,すべての圧力範囲においてCO2の透過流束は混合ガスより単成分ガスの方が高く,CH4の透過流束は混合ガスと単成分ガスとで変化はなかった.さらに,混合ガスを用いた加圧透過試験では供給圧力0.6 MPaで分離係数が極大値を示し,そのときの値は106であり,スウィープ試験では供給圧力が大気圧のとき分離係数が最大値200を示し,圧力の増加に伴い分離係数は減少した.
    本膜を近年報告されている他のCO2/CH4分離膜と性能比較した結果,CO2/CH4分離性能およびCO2透過性能ともに高いゼオライト膜であることを明らかにした.
  • 手塚 正博, 白土 博康, 井上 稔康, 白木 勝美, 佐藤 努, 岩崎 達也
    2007 年33 巻2 号 p. 130-134
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/04/20
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    本研究は,主に処理原液の溶質濃度が1 wt%以上の凍結濃縮装置において数時間・数日間単位の断続的運転が可能,原液処理量当たりの装置コストが低い,さらに濃縮液への溶質回収率の高い装置を開発することを目的とする.研究の装置は,以下の氷生成部と分離部から構成されている.氷生成部は,冷却された回転ドラムを用い原液から濃縮倍率の大きい濃縮液を含む非流動混合物(原氷)を連続的に生成する.また,分離部は,自動均し機,自動高精度掻き取り機,自動分離氷排出および高速回転の組み合わせからなるバスケット型遠心分離器としている.デモ実験の結果,原液の溶質濃度1.0–3.4 wt%(海水)において,1サイクル処理で濃縮液の溶質濃度が2.2–10.2 wt%(濃縮倍率2.2–3.6倍)となり,溶質回収率は0.80–0.94であった.なお,実験の装置は,分離器バスケットの開口率の改善などにより溶質回収率の改善が可能と考えられた.
熱工学
  • 井上 誠司, 井上 哲, 小林 敬幸
    2007 年33 巻2 号 p. 135-141
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/04/20
    ジャーナル 認証あり
    吸着式冷凍機を自動車に用いる場合,吸着器内にある熱交換器内の吸着剤を固定し自動車の振動で脱落しないようにすることが必要である.吸着剤の固定方法として水蒸気通過の抵抗になりにくく接着強度に優れるエポキシ樹脂接着剤による固定法を用いた.
    この固定法を用いることにより,吸着剤粒子間の接触面積が増加し粒子層の等価熱伝導率が向上することが利点として予想される.一方,接着剤が追加されることで吸着剤の充填密度が低下することや,吸着剤層内の水蒸気拡散が阻害される欠点も予想される.本報では,吸着剤層の等価熱伝導率,吸着剤の充填量,水蒸気拡散係数を求め吸着性能に対する接着剤量の最適値を求めた.
    等価熱伝導率は次の2つの手法により求めた.第1は,接着剤で固定した吸着剤を2重円管の隙間に充填し静的な状態で熱伝導率を測定したもの,第2は,蒸発器を用い実際に吸着作用をさせた動的な状態で測定したものである.その結果,両方法により求めた熱伝導率の値には大きな差異を生じることが分かった.これは,吸着作用を伴う場合に生じる吸着剤近傍での水蒸気圧力低下が原因と考えられる.
    この結果を踏まえ接着剤量を変化させた際の吸着性能をシミュレーションおよび実験で求め最適値を求めた.今回の条件における接着剤量の最適値は吸着剤量に対しおよそ10 wt%であるという結果が得られた.
  • 上小鶴 正康, 宮原 道夫, 重久 和幸, 鶴原 敬士
    2007 年33 巻2 号 p. 142-145
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/04/20
    ジャーナル 認証あり
    LPGを空気で希釈し,発熱量を調整したプロパンエアー・13Aガス(PA-13A)は中規模都市の都市ガスとしてきわめて有用である.しかし,その製造にはLPGを気化させる気化器の設置は不可欠である.
    本報では省エネを考慮し,自然通風式LPG気化器を設計・試作し,その評価を行った.
    気化器には8枚の縦フィンを有するフィン付き管を使用したが,設計は管内を流れるLPGの流量を少量に抑え,そこではプール沸騰が生じているものと仮定して行った.
    設計に基づき管高さ2.0 m,本数180本からなる気化器を試作し,実験によりその性能評価を行った.その結果,設計値と実測値は良く一致し,設計の妥当性が裏付けられた.また,その実用化にあたっては,着霜による性能低下を考慮し,本器数基を並列に配置し,切り換え使用すれば,かなりの大口需要にも使用可能であることが考えられる.
反応工学
  • 西村 顕, 杉浦 暢政, 藤田 光将, 加藤 征三, 加藤 真示
    2007 年33 巻2 号 p. 146-153
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/04/20
    ジャーナル 認証あり
    TiO2光触媒のCO2改質性能向上を目的として,ゾルゲル・ディップコーティング法によるコーティングTiO2膜の作製条件を種々変化させて,それらがTiO2のCO2改質性能におよぼす影響を評価した.併せてコーティングTiO2膜の表面性状を観察,分析し,CO2改質性能との関係も調べた.その結果,コーティング回数を11まで増加させると,コーティングTiO2量と反応面積の増大により,CO2改質性能が向上した.高改質性能が得られたコーティング回数でコーティングTiO2膜の焼成時間を60, 300, 540 sと変化させたところ,焼成時間を長く設定すると,反応面積の増大によりCO2改質性能が向上した.TiO2ゾル溶液へのTiO2粉末混入割合を調節することで1回のコーティングあたりのTiO2量を変化させたところ,コーティング回数に応じて適切なTiO2粉末混入量を設定することで,CO2改質性能が向上することが認められた.
  • 水越 裕治, 増井 芽, Ferry Iskandar, 金 鎭喆, 大谷 吉生
    2007 年33 巻2 号 p. 154-159
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/04/20
    ジャーナル 認証あり
    都市ゴミあるいは産業廃棄物焼却炉排ガスから塩化水素ガスなどの酸性ガスを除去する方法として,バグフィルタ上流の排ガス中に消石灰粒子を噴霧する方法がよく用いられる.本研究では,焼却炉排ガスを想定し,300°Cまでの高温において,塩化水素ガスと消石灰粒子との反応機構と反応速度をSTDR(Short Time Differential Reactor)を用いて検討した.その結果,湿潤空気中では消石灰粒子の最終反応率が最大になる温度が存在すること,また,反応速度は塩化水素ガス濃度とともに増加するが,最終反応率は塩化水素ガス濃度によって変化しないことがわかった.さらに,反応生成物のXRD分析を行った結果,塩化カルシウムは全く生成されず,CaClOHのみが生成していることがわかった.このことから,焼却炉排ガスにおいて通常報告されているように,消石灰1モルと塩化水素ガス1モルが反応するといえる.
  • 田中 里美, 柴 隆一
    2007 年33 巻2 号 p. 160-167
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/04/20
    ジャーナル 認証あり
    グアニジンのアルキル化の最終生成物として得られるヘキサアルキルグアニジウム塩の相間移動触媒能について検討した.
    採用したグアニジウム塩は,置換基およびその組み合わせの異なる12種の対称型および非対称型であり,これらはいずれもグアニジンあるいはモノ置換グアニジンとアルキル化剤との相間移動反応により合成した.各種グアニジウム塩の触媒能を有機相を出発相とする反応および水相を出発相とする反応のおのおのについて調べた.比較対照には4級アンモニウム塩のテトラブチルアンモニウムアイオダイド(TBAI)を用いた.有機相を出発相とする反応では触媒能は大略グアニジウム塩≧テトラブチルアンモニウムアイオダイドとなり,グアニジウム塩内の比較では親油性の高いものほど高い触媒能を示した.一方,水相を出発相とする反応では触媒能は大略テトラブチルアンモニウムアイオダイド>グアニジウム塩となり,グアニジウム塩内の比較では親油性の高いものほど高い触媒能を示した.しかし,いずれの反応においてもグアニジウム塩中ヘキサベンジルグアニジウム塩はほとんど触媒効果を示さず,その原因が相間移動反応条件下での強塩基による加水分解にあることを明らかにした.
    さらに,グアニジウム塩の触媒作用機構および有機相を出発相とする反応における高い触媒能をグアニジウム塩の構造と関連付けて考察した.
生物化学工学,食品工学,医用工学
  • 古水 雄志, 朝長 由夏, 田上 修, 上岡 龍一
    2007 年33 巻2 号 p. 168-172
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/04/20
    ジャーナル 認証あり
    現在,日本の化粧品市場における美白のニーズは高く,女性のシミやクスミの解消に対する関心は大変高いのが現状である.一方,筆者らや他の研究者は,焼酎蒸留粕の海洋投棄が2007年に全面禁止となるため,廃棄物を有効な物質(例えば医薬品や化粧品)に転換する試みをしている.今回は,B16-F0メラノーマ細胞を用いた美白化粧品開発のための基礎研究を行った.その結果,安全な低濃度条件(10 μg/mL)で,麦焼酎粕パウダーが(1)目視確認にて細胞を美白化し,(2)メラニン産生抑制効果が顕著であり,(3)チロシナーゼ活性抑制効果を大きくすることを初めて明らかにした.これらのことから,将来,麦焼酎粕パウダーの美白剤としての応用の可能性が高くなった.
マイクロシステム,ナノシステム
  • 安積 高靖, 住友 千恵, 平田 雄志, 井上 義朗
    2007 年33 巻2 号 p. 173-180
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/04/20
    ジャーナル 認証あり
    屈曲型微小チャネルの断面形状を台形にすることにより,対流混合の性能が高められることを,実験と数値シミュレーションを用いて明らかにした.長方形断面の屈曲型チャネルでは,流速が速くなると上下に鏡映対称の2次流渦対が発生するが,チャネルの断面形状を台形にすることでこの対称性が崩れ,対流混合がさらに促進される.流体粒子追跡法による数値シミュレーションの結果は,実験で得られた混合パターンと良好に一致した.チャネルの鉛直断面内の混合状態を定量的に表現するために,Danckwertsの分離の強度の概念を拡張した新しい混合度を用いて,流体粒子がチャネルの鉛直断面を通過する点の空間パターンから混合度を定量的に比較し,台形断面チャネルの方が長方形断面よりも混合性が高いことを示した.
エネルギー
  • 西田 耕介, 津島 将司, 寺西 一浩, 平井 秀一郎
    2007 年33 巻2 号 p. 181-185
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/04/20
    ジャーナル 認証あり
    固体高分子形燃料電池(PEFC)は,次世代の自動車用動力源あるいは定置型分散電源として実用化が期待されているが,高性能化に向けて解決すべき課題は多く,その一つにカソード側ガス拡散層(GDL)におけるフラッディング現象がある.そこで本研究では,フラッディング現象の解決を図るため,発電モードのPEFCカソード側GDLにおける凝縮を伴う水分の排出挙動の可視化計測を行い,その挙動特性に関する基礎的な知見を得た.さらに,カソード側GDL内部に滞留した凝縮水の排出を促進させるため,スリットを設けた電極構造を提案し,発電実験によりその効果を検証した.その結果,カソード側GDL内で凝縮した水分の大部分がスリット部へ誘導,排出され,とくに高出力電流密度域において,PEFCのセル電圧および出力密度が改善されることが明らかとなった.
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