昨今の呼吸器外科医は, ”キャリアパス“, ”修練と教育“, ”働き方改革“など, 抱える悩みは多いと推測されるが, 現在までにその実情に関する報告はない. 第73回日本胸部外科学会定期学術集会の特別企画セッションにおいて, 呼吸器外科医全体を対象としたアンケート調査を実施し, 集計したデータを元にリアルタイムで討論を行った. 対象となる呼吸器外科領域登録会員数は2471名で, 有効回答数は472名(19.1%)であった. アンケート結果では, ①「若手」の修練環境にばらつきがあるという現状, ②「若手」のキャリアパスへの関心の強さ, ③呼吸器外科医の満足度が比較的高いこと, ④「若手」と「指導医」のギャップが少なからず存在することが明らかになった. 今回のアンケート調査とセッション内での議論が, 呼吸器外科医の現状を示す一助になり, 今後の修練の標準化やキャリアパス支援, 世代間ギャップの是正に繋がることを期待して, 本報告を作成した.
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