日本呼吸器外科学会雑誌
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8 巻, 7 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
  • 白石 裕治, 小松 彦太郎, 福島 鼎, 相良 勇三, 宮島 邦治, 片山 透
    1994 年8 巻7 号 p. 762-767
    発行日: 1994/11/15
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    肺気腫症例に対し胸腔鏡下の炭酸ガスレーザー照射が有効であるかどうかを検討した.4例の肺気腫症例に対し胸腔鏡下に炭酸ガスレーザー照射を行い, 手術前後の呼吸機能および運動機能を比較検討した.術前右心カテーテル検査では肺高血圧症が全例に認められた.術中の肉眼的所見では照射により気腫化部分の縮小が認められた.全例とも2日目に胸腔ドレーンを抜管でき, 術後40日以内に退院した.術後合併症は皆無であり, 胸腔鏡下炭酸ガスレーザー照射は安全に施行できた.手術前後の胸部X線写真およびCTの比較では1例に気腫化部分の明らかな縮小を認めた。1秒量は術前0.35±0.11に比し術後0.42±0.21とやや増加し, 2例では運動機能の改善と自覚症状の改善を見た.他の2例では自覚症状に変化を認めなかった.胸腔鏡下炭酸ガスレーザー照射は一部の肺気腫症例に対して有効であった.
  • 森田 克哉, 林 義信, 家接 健一, 清水 淳三, 村上 眞也, 小田 誠, 荒能 義彦, 徳楽 正人, 長尾 信, 矢崎 潮, 渡辺 洋 ...
    1994 年8 巻7 号 p. 768-772
    発行日: 1994/11/15
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    原発性非小細胞肺癌切除65例に対し, PCNA発現率で評価した腫瘍増殖能とリンパ節転移との関連について検討を行い, 生物学的悪性度の指標としての有用性について考察した.PCNA標識率は, 手術材料を用いてflow cytometerにより複数部位で測定し, その平均値で評価した.腺癌36例中13例, 扁平上皮癌29例中5例にリンパ節転移を認め, その頻度は腫瘍径の増大にしたがって増加した.しかしPCNA標識率とリンパ節転移の頻度は相関を認めず, また腺癌では腫瘍径とも相関を認めなかった.腫瘍径が同一の場合, PCNA標識率が高値すなわちdoubling timeが短い方が発癌から発見までの期間が短かいと考えられ, 腺癌ではT1でかつPCNA標識率が高値のものでリンパ節転移を認めなかった.PCNA標識率は腫瘍の動的状態を反映すると考えられる増殖能を表しており, 癌のある時点での進行度を表すTNM分類とは独立した因子と考えられた.
  • 塩野 裕之, 桑原 修, 前田 元, 太田 三徳, 宮崎 実
    1994 年8 巻7 号 p. 773-778
    発行日: 1994/11/15
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    国立療養所刀根山病院外科において縦隔郭清を伴う肺癌切除術 (以下, 肺癌切除術) 後の乳糜胸を10年間で8例経験した.4例は保存的に治癒したが, 残る4例は再開胸術を要した.後者では再開胸術前に脂肪を経口投与することにより, 胸管損傷部位が明らかとなった.そこで術後乳糜胸予防を目的として, 麻酔導入時に経鼻胃管より脂肪 (牛乳) を注入し, 胸管の流量を増加させ, 縦隔郭清時および術野洗浄時に胸管と乳糜瘻が容易に視認できるようにした.最近14ヵ月間の肺癌切除症例55例全例に対してこの方法を併用したところ, 術後乳糜胸の発症は認めず, また注入に伴う合併症はなく, 乳糜胸予防に有効と思われた.
  • 小林 孝一郎, 佐藤 日出夫, 坪田 誠, 岩 喬
    1994 年8 巻7 号 p. 779-782
    発行日: 1994/11/15
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    石川県立中央病院において1982年から1993年の間に原発性肺癌として手術した283例のうちT1N0M0非小細胞肺癌54例 (19%) の手術成績について検討した.TINOMO症例全体の5年生存率は91%で, 腺癌は84%, 扁平上皮癌では癌死例はなかった.腺癌では絶対的治癒切除を行った33例中6例 (18%) に再発・転移を認めた.腫瘍径が21~30mmの群は, 20mm以下の群と比較して有意に予後不良であった.さらに, 分化度が高分化より中分化, 中分化より低分化の方が有意に予後不良であった.T1N0M0扁平上皮癌では絶対的治癒切除により治癒が期待できるが, T1NOMO腺癌では絶対的治癒切除を行っても再発・転移例は少なくない.とくに腫瘍径が21~30mmや低分化の症例の予後は悪く, 予後向上のためには潜在性遠隔転移に対する術後補助療法が必要であり, 現時点では化学療法が最適と思われ, 今後積極的に補助化学療法を施行したい.
  • 三浦 隆, 一瀬 幸人, 田山 光介, 横山 秀樹, 矢野 篤次郎, 井上 隆
    1994 年8 巻7 号 p. 783-788
    発行日: 1994/11/15
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    1972年から1992年までに当施設で手術された全縦隔腫瘍165例中, 縦隔神経原性腫瘍29例 (17, 6%) について臨床的に検討を加えた.その内訳は, 男性13例, 女性16例であり, 年齢は生後6ヵ月から65歳, 平均29.0歳であった.組織型別では, 神経鞘腫14例, 神経線維腫1例, 悪性神経鞘腫3例, 神経節細胞腫7例, 神経節芽細胞腫3例, 神経芽腫1例であった.悪性頻度は, 小児例では7例中4例 (57.1%) で, 成人例の22例中3例 (13.6%) と比し高率に認められた.治療は, 29例中27例 (93.1%) が全摘出され, また悪性例7例中4例には放射線化学療法が併用された.
  • 田中 真人, 宮元 秀昭, 坂尾 幸則, 濱田 哲郎, 原田 龍一, 羽田 圓城
    1994 年8 巻7 号 p. 789-794
    発行日: 1994/11/15
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    原発性肺癌術後合併症としての気管支断端瘻発生を防ぐ目的で, 1992年より原発性肺癌切除症例116例のうち, 1.右全摘例2.右中・下葉切除及び右下葉切除例3.右管状葉切及び全摘例4.糖尿病、IIP, 腎障害等の合併症を有する症例5.化学療法施行例のようなpoor risk症例18例 (15.5%) に対して, 予防的に有茎肋間筋弁で気管支断端を被覆してきた.平均年令は62.2歳.術式は右全摘3例, 右中・下葉切除3例, 右下葉切除7例, 右管状上・中葉切除2例, 右管状上葉切除2例, 左下葉切除1例.気管支断端縫合は器械縫合13例, 手縫い5例.現在までに肋間筋弁による被覆例では, 全例気管支断端瘻の発生を認めず, 最長1年8ヵ月の経過観察中である.大網充填と比較すると, 抗炎症作用の点では劣るが, 同一術野で容易に短時間で採取及び被覆ができ, 予防的という点では非常に有用であると思われる.
  • 澤端 章好, 根津 邦基, 櫛部 圭司, 飯岡 壮吾, 河内 寛治, 北村 惣一郎
    1994 年8 巻7 号 p. 795-799
    発行日: 1994/11/15
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    症例は63歳男性, 扁平上皮癌 (T2N2M0, stage IIIA) のため左肺全摘術を施行した.術後3年目に, 対側の右S2に転移巣が見られたため, 胸腔鏡下に肺部分切除を行った.肺瘻の合併症を生じたものの, 術後19日目に退院した.術後3ヵ月目の肺機能は術前後で変化を見なかった.現在退院後1年5ヵ月を経過しているが, 転移や再発の兆候はない.
    胸腔鏡下肺部分切除術は, 肺全摘術後の対側肺転移巣に対して, 有用な手技のひとつであった.
  • 縄田 純彦, 金田 好和, 杉 和郎, 江里 健輔
    1994 年8 巻7 号 p. 800-804
    発行日: 1994/11/15
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    比較的まれな腫瘍である気管支原発Granular cell tumorに対し, 左下葉切除術を行った.症例は62歳, 男性.繰り返す血痰のために気管支鏡検査が施行された.左B6入口部に白色調の腫瘤を認め, 生検で炎症性ポリープが疑われた.2ヵ月後の再検査では左B6粘膜は浮腫状, 顆粒状で, 生検標本で細胞内にS-100蛋白が証明されGranular cell tumorと診断された.胸部CTおよび気管支造影検査で末梢肺に気管支流拡張所見が見られたため手術が行われた.術後1年目の気管支鏡検査では再発は全く認められなかった.
  • 坂尾 幸則, 宮元 秀昭, 原田 龍一, 浜田 哲郎, 羽田 圓城
    1994 年8 巻7 号 p. 805-811
    発行日: 1994/11/15
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    肺門, 縦隔リンパ節のみに癌病巣を認めた極めて稀な症例を経験した.症例は53歳の男性で, 胸部X線CT, MRIにて右肺門から上縦隔にかけて4cm大のリンパ節が連続性に腫大していた.胸腔鏡下にリンパ節生検を行いundifferentiated carcinomaの診断を得, 肺をはじめ全身検索をすすめたが原発巣と考えられるような癌病巣を認めなかった.右上葉支周囲リンパ節が最も腫大していたため肺原発の可能性も考え右上葉切除および縦隔リンパ節郭清を施行した.病理学的には肺, 胸腺には癌病巣を認めず電顕所見と総合し原発巣不明の低分化腺癌と診断した.術後は特に化学療法など施行していないが13ヵ月を経過して現在まで再発を認めていない.本症例は極めて稀なT0N2M0原発性肺癌もしくはリンパ節の迷入上皮原発癌の可能性も考えられた.
  • 栗栖 純穂, 長田 博昭, 横手 薫美夫, 山手 昇
    1994 年8 巻7 号 p. 812-815
    発行日: 1994/11/15
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    症例は73歳の女性で, 三つの自己免疫疾患, 即ちSjögren症候群, 橋本病及び皮膚筋炎に罹患していたところ, 前縦隔腫瘍を発見された.術中診断は胸腺腫として胸腺腫・拡大胸腺摘出術を行ったが, リンパ節郭清は行わなかった.病理診断で胸腺扁平上皮癌とされたので, 術後放射線療法を追加した.術後1年10ヵ月経過するも再発徴候はない.一方, 皮膚節炎症状は軽快したが, Sjögren症候群・橋本病の臨床症状には変化を見なかった.自己免疫疾患での胸腺摘出が, 症状改善をもたらす事は少なくないが, 術後, 別の自己免疫疾患の発症や原疾患の増悪を招く場合も報告されており, 胸腺摘出の効果については尚検討を要する.
  • 三竿 貴彦, 山中 正康, 岡谷 泰治, 宇高 徹総, 高木 章司, 永広 格, 山本 浩, 青江 基, 森山 重治, 安藤 陽夫, 清水 ...
    1994 年8 巻7 号 p. 816-821
    発行日: 1994/11/15
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    われわれはきわめて稀な, 右房粘液腫を合併した肺癌の1例を経験したので報告する.症例は68歳男性で, 以前より労作時呼吸困難があり, 今回検診で胸部異常陰影を指摘された.画像診断では右下葉S6末梢に20×28mmの腫瘤陰影を認め, 気管支鏡下生検で腺癌と診断した.一方, 入院時心雑音を聴取したため心臓超音波検査を施行したところ右房内に76×50mmの腫瘤を認め右房粘液腫と診断した.右房粘液腫による右心不全や肺塞栓の危険性が高いと判断し, まず心臓手術を行った後, 二期的に肺切除術を行った.肺手術時に胸膜播種を広く認め非治癒切除となったが, 術中, 術後ともに血行動態は安定していた.現在退院後6ヵ月であるが胸水の増加を認めず, 外来にて経過観察を続けている.
  • 迎山 恭臣, 橘 秀夫, 川平 敏博, 山岸 洋之
    1994 年8 巻7 号 p. 822-827
    発行日: 1994/11/15
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    症例は28歳女性.肺結核感染で約1年間の抗結核剤の投与にて治癒したが, 治療を終えてから1年4ヵ月後に右無気肺となった.気管支鏡検査では, 右主気管支入口部はほぼ完全閉塞の状態であった.PTAバルーンカテーテルを気管支鏡下に挿入し, 透視下でバルーン拡張術を行なった.バルーン径は3.5mmから最終的には10mmまで拡張術を施行し, 狭窄部は6mmまで拡張し得た.ヘリカルCTでも狭窄部気管支内腔の良好な開存が確認された.肺シンチグラムで, 換気・血流ともに改善がみられ, 患者は現在, 日常生活に支障なく, 職場に復帰している.良性疾患による気管支狭窄に対してバルーン拡張術は, 気管支形成術を考慮する前に試みる価値があると考えられた.
  • 吉増 達也, 三好 新一郎, 前部屋 進自, 鈴間 孝臣, 別所 俊哉, 平井 一成, 谷野 裕一, 北川 敦士, 内藤 泰顯, 玉井 昌紀
    1994 年8 巻7 号 p. 828-834
    発行日: 1994/11/15
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    縦隔奇形腫は前縦隔発生の頻度が高く, 後縦隔のものは稀である.われわれは後縦隔に発生した奇形腫の1手術例を経験したので報告する.症例は46歳の男性.胸部X線にて左後縦隔の腫瘤陰影を認め, 胸部CT, MRIでは腫瘍は不均一な内部構造を有し, 石灰化が認められた.大動脈造影にて, 第8~12肋間動脈からの栄養血管が確認された.経皮針生検にて毛髪が確認され, 奇形腫と診断された.1993年10月22日, 左第7及び第10肋間開胸にて腫瘍摘出術を施行した.腫瘍は横隔膜上にあり16×10×9cm大で周囲組織と強固に癒着していた.栄養血管を処理し, 腫瘍を摘出した.腫瘍は頭側半分は骨および気管支様の構造が散在する脂肪組織で, 尾側半分は毛髪を含んだ泥状物で満たされた嚢胞であった.病理組織では, 悪性所見はなく, 気管支, 脂肪組織, 毛髪, 角化した重層扁平上皮など3胚葉成分からなり, 成熟奇形腫と診断された.
  • 沖津 宏, 宇山 正, 武久 良史, 日野 直樹, 福本 泰三, 先山 正二, 近藤 和也, 高橋 敬治, 住友 正幸, 門田 康正
    1994 年8 巻7 号 p. 835-839
    発行日: 1994/11/15
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    症例は59歳, 女性で胸部異常陰影を主訴とした。胸部X線所見では心陰影と重なる左下肺野に 65×53mm大の腫瘤陰影を認めた.胸部CTおよびMRIでは腫瘤陰影の横隔膜側に異常血管の走行を認めた.三次元CT血管造影にて下行大動脈より直接分岐し腫瘤の横隔膜面より辺縁を取り巻くように走行する異常動脈および還流静脈が明瞭に描出された.肺内肺分画症 (Pryce III型) の診断下, 分画肺切除を行なった.肺靱帯内を約6mrnの異常動脈が分画肺に向い走行し, これを根部にて切離後, 分画肺を肺門に向い切除し, 下肺静脈に流入する環流静脈を確認後切離した.これら異常血管の走行は三次元CT画像と一致し, 非侵襲的術前検査として腫瘤と周囲血管との立体的位置関係を把握する上で, 三次元CT血管造影は極めて有用であった.
  • 鄭 一秀, 明石 章則, 大橋 秀一, 余田 洋右, 神野 浩樹, 洪 基浩, 小間 勝, 笹岡 英明, 坂巻 靖
    1994 年8 巻7 号 p. 840-844
    発行日: 1994/11/15
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    症例は48歳・男性で, 自動車部品の製造作業中に誤って鉄片を胸部に被った.従来の胸部検査の結果, 外傷性血気胸と診断されたが, 持続性血・気胸の原因検索のために緊急胸腔鏡検査を施行した.この緊急検査によって, 外傷性気胸と血胸の原因は同一肺実質内の鉄片による損傷であることが判明した.引き続き胸腔鏡下に鉄片を摘出し, 肺損傷部を自動縫合器で縫縮した.胸部外傷に対する緊急胸腔鏡検査は, 1) 心臓・大動静脈・肺動静脈の血管系や, 肺・気管・気管支・横隔膜の呼吸器系の損傷部位とその程度を鏡視下に直接確認することが可能である, 2) 更に, 引き続いて胸腔鏡下外科手術のみの手技で治療が可能か否かの方針決定に有用である.また, 3) 胸膣鏡下外科手術は創部が小さく, 手術侵襲も少なく, 早期離床・早期退院が可能である.
  • 竹内 茂, 長田 博昭, 小島 宏司, 栗栖 純穂, 横手 薫美夫, 山手 昇, 高木 正之
    1994 年8 巻7 号 p. 845-850
    発行日: 1994/11/15
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    軟骨肉腫の治療法には外科的切除以外に有効な治療法はなく, 又局所再発し易い事より広範囲切除が原則である.前胸壁発生の軟骨肉腫では思い切った広範囲切除が可能であるが肋骨頭, もしくはその近傍に発生した場合, 椎体を切除範囲に加えねばならず, 術式の選択に苦慮する.当科で肋骨頭付近発生の軟骨肉腫を3例経験した.その内2例は胸壁と共に椎体の一部と椎弓切除を行っているが椎体に再発した.肋骨頭付近に発生した軟骨肉腫には充分なsurgical marginを確保する為に椎体の半切除以上の広範囲切除を考慮すべきである.
  • 森田 理一郎, 赤荻 栄一, 鈴木 有二, 神山 幸一, 三井 清文
    1994 年8 巻7 号 p. 851-855
    発行日: 1994/11/15
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    患者は28歳の女性で呼吸困難を主訴として入院となった.胸部X線側面像・CTにて気管内腫瘍と診断し, 気管支鏡検査で内腔をほとんど閉塞する気管腫瘍を確認した.検査中気道閉塞の危険性が生じてきたため, 消化管用高周波スネアを用いて緊急の気管支鏡下腫瘍切除を行なった.組織診は多形性腺腫であったが, 腫瘍茎の残存を認めたため, 2ヵ月後気管管状切除術を追加して根治した.患者は根治術後6年目の現在再発なく健在である.
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