化学工学論文集
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13 巻, 5 号
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  • 船田 一郎, 浅原 一彦, 広瀬 泰雄, 立花 宏
    1987 年 13 巻 5 号 p. 533-541
    発行日: 1987/09/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    コンパクトな液体空気精留塔上塔を合理的に設計し, 最適サイドカット段を決定するためには, まず高負荷域での点効率に関する知見が必要である.
    本研究では塔径0.1m, 段数4段の小規模液体空気精留試験設備を試作し, 多孔板構造因子として出口堰高と開孔比, 操作因子として上塔圧力, 全還流下でN2-O2系とAr-O2系について高負荷域で精留試験を行った.本実験では各段の気相濃度を測定してマーフリ気相段効率を算出した.段上液流路長さが短く, 高負荷流動のため完全混合と見なすことができるとして, 段効率は実用上点効率に等しいと仮定した.
    一方推算では二重境膜説を仮定した既往の研究について次のように修正して推算精度を向上した.開孔比をNG中の実験定数と関連づけ, また圧力損失の研究で得られた段上液ホールドアップを段上気液接触時間算出に必要な液ホールドアップとして用いた点効率推算法を提案した.本法による推算値はN2-O2系で絶対誤差1.8%以内, Ar-O2系で2.5%以内の精度であった.
  • 横田 俊幸, 阿部 泰裕, 小関 裕之
    1987 年 13 巻 5 号 p. 542-547
    発行日: 1987/09/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    多成分系の水溶液から凍結乾燥法にて, 均一に組成の調整された粉体を製造する場合。凍結条件によって, 得られる粉体組成に偏析が生ずることがある.本研究では, この凍結速度の違いによって偏析がどの程度生ずるかを, アルミニウム-マグネシウム二成分系の試料を用いて, 実験的に検討した.その結果, n-ヘキサンを使用した凍結バスで, バス温度を十分低くして凍結粒子を作れば, 偏析を抑えることができた.しかし, 液体窒素バスを用いた場合には, 液滴周囲にガス層ができて凍結速度が遅くなるため, 偏析の少ない凍結粒子を得ることはできなかった.
  • 友村 政臣, 野北 舜介, 染矢 和夫
    1987 年 13 巻 5 号 p. 548-553
    発行日: 1987/09/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    従来, 温度スイング吸着 (Thermal Swing Adsorption;通称TSA) 法の分野とされてきた微量成分の高度除去について圧力スイング吸着 (Pressure Swing Adsbrptibn;通称PSA) 法の適用を試みた.対象は深冷法空気分離装置に供給される加圧空気中の炭酸ガス除去である.その結果, 吸着剤の種類および組合せとして, ゼオライトおよび活性アルミナの2層充填とすることにより, 精製空気中の炭酸ガス濃度を340から1ppm以下に除去できた.また, PSA法は特別なエネルギー消費がなく, TSA法に比べて純酸素および純窒素の電力原単位が約15%低減できた.さらに, 精製空気中の炭酸ガス濃度Cは, 精製空気の空間速度SV, 吸着圧力と脱着圧力比Pa/Pdおよびパージ比xの関数として次式で表せることを明らかにした.
    C=86SV2 (Pa/Pd) -1.3x-2
  • 川崎 博幸, 田中 久弥
    1987 年 13 巻 5 号 p. 554-560
    発行日: 1987/09/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    充填層内の気液上昇並流における粒子-流体間の平均物質移動係数ksを空気-水系において減量法により求めた.流れは流動パラメータFp=ub0p/ {(ug0+ug0) /ε} について気泡の強制上昇域から自由上昇域にまたがる気泡流にあった.ただし, ub0pは気泡の自由上昇速度, ug0ul0はそれぞれ気, 液各相のみかけ速度, εは空隙率である.
    強制上昇域では (ug0+ul0) /εを, 自由上昇域では気泡の上昇に伴う排除液体の運動エネルギーを主流と同じ密度ρmを持つ流体の流れに換算した速度 {(ρlm) /ρm} 1/2 ub0pをそれぞれ代表速度に, また, 代表的気泡寸法lを代表寸法に用いて各上昇域におけるksを整理した結果, それぞれ次のような無次元相関式を得た.ただし, Shp=ksl/Dl, Repm (ug0+ul0) l/εμl/, SclmDl, Rebpm {(ρlm) /ρm} 1/2ub0pll, ρml (1-φ) +ρgφであり, Dlは拡散係数, μlは液粘度, ρgとρlは気, 液各相の密度, φはガスホールドアップである.
    強制上昇域 : Shp=0.48Rep3/5Sc1/3
    自由上昇域 : Shp=0.59Rebp3/5Sc1/3
    両上昇域の中間における混成流れ領域に対して各上昇域におけるレイノルズ数の加成性を仮定することにより, 両上昇域におけるksを統一的に相関する次式を得た.
    Shp=0.48 (1+2Kp) 3/10Rep3/5Sc1/13
    ただし, Kp= [{(ρlm) /ρm} 1/2Fp] 2である.
  • 今井 正直, 古崎 新太郎
    1987 年 13 巻 5 号 p. 561-566
    発行日: 1987/09/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    W/O/Wエマルションにおける内部水相と外部水相の混合を, ラジオアイソトープをトレーサーとして用いることにより, 水相中の電解質の影響のない条件下で測定した.その結果, 内部水相から外部水相への漏出の割合は, 攪拌速度の二乗に比例し, 界面活性剤濃度の0.7乗に反比例した.W/Oエマルション滴内の内部水相の体積分率が高くなるにしたがって漏出の割合は大きくなる.一方, W/O/Wエマルション中のW/Oエマルション滴の体積分率は, 漏出の割合に対して影響しなかった。内部水相に塩酸を添加した系において, 低い界面活性剤濃度では, 漏出の割合は, 電解質無添加の系と比較して小さくなった.高い界面活性剤濃度では, 塩酸を内部水相に添加しても漏出の割合は変化せず, 攪拌速度に対する依存性は, 電解質無添加の系と同じであった.
  • 深井 潤, 鈴木 和哉, 松林 久雄, 三浦 隆利, 大谷 茂盛
    1987 年 13 巻 5 号 p. 567-573
    発行日: 1987/09/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    乾留過程において生成したコークス層内に発生する熱応力を推算するために, 増分理論を適用した解析方法を提案した.解析には, コークス層の変形および軟化溶融層内に生じる膨張圧の影響が考慮されている.一定の昇温条件下における熱応力の経時変化を推算した結果, 乾留初期において引張り応力の極大値が加熱面および再固化面付近で現れることを示し, 微小亀裂の発生時期を明らかにした.また, 実験により, 昇温速度および負荷が塊コークスの寸法に及ぼす影響を検討した結果, それらの増加と共に, 生成する塊コークスの寸法が小さくなることがわかった.これは昇温速度および負荷が大きいほど巨視的亀裂の基となる微小亀裂が乾留初期において多く発生し, それらが内部の引張り応力によって拡大するためであることを解析により示した.
  • 独立なパラメータ変動を受ける線形不等式システムの場合
    清水 良明, 高松 武一郎
    1987 年 13 巻 5 号 p. 574-580
    発行日: 1987/09/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    本論文では, プロセスシステムの決定問題におけるパラメータ不確定性に関するフレキシビリティ解析法と, 操作問題との関わりを考慮してフレキシブルなシステム設計を行う方法について検討を加えた.対象を相互に独立なパラメータ変動を有する線形不等式システムに限定し, これに不変実行可能領域表現を与えることにより, 従来法と比べて非常に簡潔な接近が可能となることを示した.そしてフレキシビリティ解析においては, 線形計画問題に帰着される求解アルゴリズムを示した.また設計法においては, 多目的線形計画問題としての定式化に着目して, トレードオフ分析を通じた求解法の妥当性を示した.最後に, ブタジエン製造プラントを例にとり, 提案する方法の適用を行い, この結果と線形計画法自体の実用性を考え合わすことによって, 本方法が容易に適用可能な現実的な接近法であることを検証した.
  • 柏原 長武, 日比 隆志, 原納 淑郎
    1987 年 13 巻 5 号 p. 581-588
    発行日: 1987/09/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    水溶液からのチオ尿素の晶析現象に与えるチオシアン酸アンモニウムの影響を示差走査熱量計を用い, 一定冷却速度法により測定した.その結果, 準安定領域の幅は不純物の存在下で減少し, 不純物濃度2×10-3mol/l近傍で最も減少した.ついで観察結果を先に提案した方法で解析し, 核化ならびに成長の速度パラメータを得た.以上の結果から, チオシアン酸アンモニウムは, チオ尿素のクラスター形成時に不均質中心として働くことが推定された.
  • 大嶋 正裕, 橋本 伊織, 高松 武一郎, 大野 弘
    1987 年 13 巻 5 号 p. 589-595
    発行日: 1987/09/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    デジタル・コンピュータ・コントロールの手法の1つとして近年注目を集めているモデル予測制御を外乱の予測という観点から考察する.外乱の動的特性を過去のデータを使って同定し, その動特性を表現するモデルを構築する.そして, 構築したモデルを使い, 現時点から将来にわたって系に入るであろう外乱の推定を逐次行う.このような外乱の予測機能を有するようにモデル予測制御系を拡張する.拡張したモデル予測制御系の有効性の検討をシミュレーションと簡単な液レベル制御実験を通して行う.
  • 奥田 聡, 高野 頌, 山村 直
    1987 年 13 巻 5 号 p. 596-604
    発行日: 1987/09/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    高濃度単分散エアロゾル粒子の多重光散乱特性が, 粒子径と粒子個数濃度を因子として数値的かつ実験的に研究された.数値解析結果から, 多重光散乱次数の増加とともに散乱光強度の角度分布関数が単調となり, やがて散乱角度に依存しなくなることがわかった.また, 散乱光強度の検出集光角度が0~πradという広い範囲の値である場合には, それぞれの粒子径に対する散乱光強度と粒子個数濃度との関係は多重光散乱因子を導入することによって簡単な表現にまとめられた.ここでこの因子は, 粒子1個あたりの多重散乱光強度と単一散乱光強度の比として定義された.単分散ポリスチレンラテックスを使用し, 強い共振レーザービーム中での散乱光強度の実験結果から, たとえ低い粒子個数濃度であっても多重光散乱が起こることが示された.さらに, 散乱光強度から得られた多重光散乱因子の測定データが数値解析結果と定量的に良く一致することが確かめられた.
  • 陳 傑, 松山 久義
    1987 年 13 巻 5 号 p. 605-612
    発行日: 1987/09/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    測定値を束縛する関係式が物質収支式に限定される場合に, その特徴を利用して, 異常値を検出するのに最も適した関係式 (最強検出力切断集合) を容易に探索することができることを示す.また, それを利用して, 大規模なプロセスにおける測定値の異常の検出・同定の問題を合理的に分割する方法を開発し, 22個の計器を含む問題に適用してその効果を確かめる.
  • 朴 東化, 本多 卓也, 神沢 淳
    1987 年 13 巻 5 号 p. 613-620
    発行日: 1987/09/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    熱プラズマから粒子への伝熱機構を調べるための基礎的な研究として, ここでは水冷管内を流れる熱プラズマ流中に直径2mmのβ-SiC粒子を一個ずつ送入して加熱し, 加熱された粒子の温度をカロリメトリックな方法で測定する実験を行った.また既存の静止系伝熱の式を用いた計算も行い, 実験値と比較した.なお, この計算に必要な熱プラズマ流の温度と流速は計算から求めた.その結果, 測定された粒子の温度は計算で解いた粒子の温度と実験誤差内で一致する結果が得られ, ここで行った計算によって熱プラズマで加熱されたβ-SiCのような高密度粒子の温度を推定することができることがわかった.
  • 外山 茂樹, 森 英利, 水谷 嘉光
    1987 年 13 巻 5 号 p. 621-626
    発行日: 1987/09/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    水平流型粒子充てん層フィルターのダスト負荷を伴う場合の基本的な集じん性能について, 実験的な検討を行った.
    ダストは初期段階では層入口部での捕集か支配的で, 濾過の進行とともに内部へ移動してゆく. また積算捕集効率は捕捉ダストの存在により上昇するが, ある入口側ダスト負荷量より再飛散の影響を受ける.
    付加圧力損失は捕捉ダストの1.3乗に比例し, またダストか濾材まわりに一様に付着するとしてダスト負荷時の圧力損失を推定した. 圧力損失の上昇に寄与する捕捉ダストの比表面積の割合を表す修正係数λは濾過速度に依存し, 実験的にこれを求めた.
  • 山崎 量平, 中島 充幸, 神保 元二, 押見 強
    1987 年 13 巻 5 号 p. 627-633
    発行日: 1987/09/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    気・固系流動層内の気泡の空間分布を記述する数式モデルを新たに提出した.実測値との比較より, 本モデルは気泡径, 気泡流量, 気泡頻度などの気泡の特性値の空間分布を推算する上で有用であることがわかった.また, 気泡流速が最大となる塔半径方向位置の計算結果より流動層内気泡の分布状態について幾何学的相似則が成立しないことを示した.
  • 上山 惟一, 谷村 志乃夫, 古崎 新太郎
    1987 年 13 巻 5 号 p. 634-640
    発行日: 1987/09/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    気泡合一確率および気泡合一速度の既往の文献値を参考にして, 気泡塔における気泡流動状態と循環流動状態との間の流動状態遷移機構を実験的に検討した.本研究のように液相およびガス相の不純物を注意深く制御した場合には, ガス空塔速度, UG, を増減させたときの平均ガスホールドアップ値, εG, のヒステリシス現象は見られなかった.不純物としてはNaClおよび種々のアルコールを加え, それらのεGUG曲線に与える効果を実験的に調べた.εGの極大値は不純物の添加により気泡の合一が抑制された場合にのみ観察された.これらの不純物の効果は非常に低濃度, すなわち, NaClの場合は20mol/m3, アルコールの場合は0.01mol/m3, から見られた。アルコール濃度を調節して種々のアルコール水溶液における気泡合一速度を同じにした場合には, εGの極大値は一致した.また, 流れが不均一になった場合は容易に流動状態が遷移することが観察された.
  • 吉田 英人, 山下 博之, 長瀬 洋一
    1987 年 13 巻 5 号 p. 641-648
    発行日: 1987/09/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    中心部直進, 環状部旋回を与える二重管スワールノズルを用い, ノズル出口近傍における旋回噴流をLDVおよび高速ビデオコーダによる可視化法により実験的に検討した. 旋回噴流は噴出直後に急拡大する.ともなって中央直進流が半径方向に方向変化し, 再循環流を誘起する.方向変化した直進噴流が旋回噴流と合一する付近で噴流の拡大は鈍化し, その後噴流は再拡大するが, このとき噴流の外周部は自己保存型の分布に移行する.
    再循環流の規模および噴流外周部の拡がり率はほぼスワール数の関数となることを実験的に示した.
    噴出直後の流れは大規模にゆらいでいる.これを再循環流の瞬間的流れパターンとして示すと, 対称形, 非対称形, 一方向流れ等の組識的な流れに分類することができる.このようなゆらぎは噴流が急激に方向変化する位置および環状噴流と方向変化した流れとが合一する位置において最も強く現れ, その結果乱れ強度分布は2つのピークを示す.
  • 石見 紘策, 頃安 貞利, 疋田 晴夫
    1987 年 13 巻 5 号 p. 649-656
    発行日: 1987/09/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    線形安定性理論に基づき, 傾斜濡れ壁塔における流下液膜の波の形成と構造を理論的に解析し, 時間的に安定な波の周波数, 波長, 波速, 空間的成長速度および振幅の各無次元数に対する近似理論式を求めた.本理論式によれば. 波動特性値の無次元数は液レイノルズ数, 無次元表面張力, 傾斜角および無次元周波数の関数となり, 液入口で極めて微小な波の振幅は液の流下方向に対して指数関数的に増加する.本研究ではまた, 傾斜濡れ壁塔の平板壁に沿って膜状で流下する水の表面上の波に対する周波数, 波長, 波速と空間的成長速度を実測した.その結果, 波動特性値は流れ方向に変化せず一定値をとるが, 波の振幅は流下距離の増加とともに増し, ある位置すなわち波立ち開始点で直接目で観察できる波が現れることがわかった.さらに理論および実験結果を比較検討することによって, 流動特性値や波立ち開始点が線形安定性理論を用いて定量的に予測できることが明らかになった.
  • 高橋 勝六, 中野 誠, 竹内 寛
    1987 年 13 巻 5 号 p. 657-663
    発行日: 1987/09/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    3-(4-ピリジル)-1,5-ジフェニルペンタン (PDPP) を担体とした含浸型液膜により硫酸酸性溶液からアンモニア水中へのCr(VI)の回収実験を行った.液膜として平膜積層型装置を用いることにより高い回収率を得た.回収液がアンモニアだけの水溶液の場合, 液膜にCr(VD-PDPP錯体が蓄積し, Cr(VI)の回収率は時間とともに低下した.しかし回収液にCr(VI)を添加した場合, その緩衝作用により回収率は改善され, 実験結果は液膜および水相境膜を通しての拡散と液膜両面における界面反応に基づく計算結果とよく一致した.また液膜を通しての硫酸およびアンモニアの移動ならびに共存する金属イオンの影響についても実験的に検討した.
  • 坂東 芳行, 倉石 迪夫, 西村 誠, 服部 真, 渡辺 隆志, 川瀬 信行
    1987 年 13 巻 5 号 p. 664-670
    発行日: 1987/09/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    ドラフトチューブを挿入した内径0.164m, 高さ2.2mの三相流動層の流動特性について実験的に検討した.ガスには空気, 液には水, 固体には液より密度の高いナイロンまたは液より密度の低いポリプロピレンの径約3mmの粒子を用い, ドラフトチューブの内部あるいは環状部へ通気した三相流動層にて実験を行った.ある通気速度以上では, 安定した循環流が生じ固体は高さ方向に均一に分布したが, この条件下で以下のことが観察された.
    ガスホールドアップは通気速度の増加につれて増大し, ドラフトチューブ径が大きく固体がポリプロピレンの場合を除くと, 環状部通気の方が内部通気よりも高くなった.固体ホールドアップは通気速度が高くなると通気速度の影響を受けず, ほぼ一定となった.液の循環流量は通気速度の増加につれて増大した.また, 同一通気速度においては外塔径の約0.6倍のドラフトチューブ径にて最大値を示した.固体とガスの循環流量は液の循環流量に大きく支配された.
  • 成瀬 一郎, 松田 仁樹, 架谷 昌信
    1987 年 13 巻 5 号 p. 671-677
    発行日: 1987/09/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    CFM層型固気接触装置の実用化ならびにスケールアップの基礎段階として, 2次元可視化コールドモデルを用い, 最小高速流動化速度, 粒子ホールドアップ, 粒子速度分布, および粒子滞留時間などの基礎的な粒子流動挙動を, 粒子みかけ密度の異なる3種類の粒子 (アルミナボール, 活性アルミナ, および石炭粒子) を試料として実験, 観察した.
    その結果, 内管部において, 安定な高速流動層および気流層を形成するための最小高速流動化速度は単一粒子の終末速度に総体的に一致したが, 一部, 内管高さの増大とともに最小高速流動化速度も増大する傾向が認められ, その傾向は粒子みかけ密度の大きい粒子ほど顕著であった.また, 粒子ホールドアップおよび粒子滞留時間は, 前報で示したガラスビーズの結果とほぼ同様な傾向を示し, ガス流速の増大に伴って指数関数的に減少した.なお, 粒子速度分布は, 内管部では, みかけ密度の違いが現われたが, 環状部では, 単なる自由落下現象であった.
  • 宮武 修, 田中 逸夫
    1987 年 13 巻 5 号 p. 678-684
    発行日: 1987/09/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    溶液領域における熱および物質拡散の結合した影響を考慮して, 不揮発性の溶質を含む均一過熱溶液中における単一の溶媒蒸気泡の成長に関する基礎方程式を組み立てた.これら基礎方程式の数値解を, NaCl水溶液中における気泡成長速度について, 有限差分法を用いて求め, 溶液温度40~80℃, 過熱度5~20℃, 溶質の質量分率0~0.20の範囲で例示した.
    所定の溶液温度のもとでは, 溶液温度と周囲圧力に対応する溶液の平衡温度の差で定義した過熱度によって, 気泡成長速度がほとんど支配されることがわかった.
    溶媒の蒸発によって生ずる気泡壁における溶質の濃縮および溶質による沸点上昇によって生ずる発生蒸気の過熱が数値解に及ぼす影響を定めるために, 定量的な比較も行った.
  • 宮武 修, 田中 逸夫, 筒井 裕二
    1987 年 13 巻 5 号 p. 685-690
    発行日: 1987/09/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    不揮発性の溶質を含む均一に過熱された溶液中における気泡成長に関する著者らの前報の数値解析を検証するために, 独自の実験法を用いて, 完全に一定で均一な過熱状態のもとで, NaCl水溶液中における気泡成長速度に関する新しい実測値を得た.
    実験は溶液温度を40, 80℃に, 溶質の質量分率を0.05, 0.20に, 過熱度を16.5℃まで変えて行った.
    本実験においては, 容器内の溶液を緩慢に減圧して過熱状態にし, 溶液を電気分解して陰極先端に気泡核を発生させ, その人工気泡核から開始する溶媒蒸気泡の成長を高速度カメラで観察した.
    気泡成長速度に関する実測値は, 熱および物質拡散の結合した影響を考慮した数値解析結果と良好に一致し, その理論の妥当性が検証された.
  • 八幡 壽雄, 小松 藤男, 秋吉 亮, 安藤 公二
    1987 年 13 巻 5 号 p. 691-693
    発行日: 1987/09/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    To evaluate the effect of an adjacent impeller on the axial mixing region of a turbine impeller in a stirred vessel with multiple-stage impellers, the mixing process of liquid was observed by the color reaction method at various distances between two-stage turbine impellers. The mixing region was measured by the mixing time method.
    No meaningful effect of an adjacent impeller on the scale of the mixing region was observed. Therefore, measurements of the scale of the mixing region in a stirred vessel with an impeller hold in one with multiple-stage impellers.
  • 田中 真人, 長谷川 繁幸, 大島 栄次
    1987 年 13 巻 5 号 p. 693-697
    発行日: 1987/09/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    Suspension polymerization of styrene was performed under such operating conditions that gas was vigorously entrained from the free liquid surface. After the completion of polymerization, the volume of gas included into the polymer particles was measured. The relationship between the included gas volume and the operating conditions was investigated. With increasing impeller speed, the volume of gas included decreased, became minimal at an impeller speed of 22 s-1, and then increased. Moreover, it was found that the larger the polymer beads were, the more gas they included.
  • 横田 俊幸, 小関 裕之
    1987 年 13 巻 5 号 p. 698-700
    発行日: 1987/09/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    Freeze dry processing of certain salt solutions is difficult because of their tendency to melt during drying operation. In this paper, the use of aqueous ammonia was investigated for making freeze-dried particles from such a solution of iron (III) sulfate, which forms frozen droplets difficult to sublimate. Aqueous ammonia promoted the phase separation by making cluster ions and prevented the formation of glassy state in the frozen droplets. By an optimum addition of aqueous ammonia, perfect dried particles were obtained.
  • 片岡 健, 西機 忠昭
    1987 年 13 巻 5 号 p. 700-703
    発行日: 1987/09/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    The effect of temperature on the demulsification of W/O emulsion by application of pulsed DC high potential was studied, using Span 80 and kerosene as a surfactant and a solvent, respectively. In systems concentrating mercury by C-24 and zinc by D2EHPA, demulsification was accelerated and the water content in the oil phase after breaking the emulsion decreased with a rise in temperature. Thus the separation efficiency was enhanced by heating of the emulsion. However, such an accelerative effect in operation at elevated temperatures was not detected in the copper-LIX64N system.
  • 豊田 活, 加藤 覚, 川崎 順二郎
    1987 年 13 巻 5 号 p. 703-706
    発行日: 1987/09/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    Bi-component adsorption equilibria were measured at 25°C for the synthetic zeolite 4A-CO2-C2H6 and the synthetic zeolite 5A-CO2-C2H6 or C3H8 systems. Obtained data were well correlated by the modified extended Langmuir-Freundlich equations derived previously by the authors in the correlation of the equilibrium data for the synthetic zeolite 4A-CO2-C2H4 system, and it was found therefore that these equations describe well the bi-component adsorption equilibria for the systems of the synthetic zeolite-CO2-C2C3 hydrocarbon.
  • 田崎 米四郎, 千葉 繁生, 弓山 翠, 武田 詔平, 本間 専治, 北野 邦尋, 河端 淳一
    1987 年 13 巻 5 号 p. 706-709
    発行日: 1987/09/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    Hybrid particles of coal ash from gasifier and higher viscous residue and solid pitch from coal liquefaction were successfully produced by two new methods. They were then gasified by steam and oxygen in a fluidized bed under atmospheric pressure. Gasification characteristics of these particles, such as the distribution and yield of gas produced and the carbon conversion, were evaluated as a function of operating variables.
  • 岩沢 誠司, 乙竹 直
    1987 年 13 巻 5 号 p. 710-713
    発行日: 1987/09/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    Estimation methods for liquid thermal conductivity over the normal boiling point (N.B.P.) to the critical point have not been satisfactory. In this work, using the N.B.P., liquid density at the N.B.P. and liquid thermal conductivity at the N.B.P. correlated by the function of both molecular weight and reduced boiling temperature, a new estimation method for both alkanes and frons is developed. Root mean square deviation of the proposed method is 7.42% for 861 data points. If experimental liquid thermal conductivity at the N.B.P. is used, it is 5.40 %.
  • アセトンの気相接触水素化反応速度式
    加藤 之貴, 中川 紳好, 亀山 秀雄
    1987 年 13 巻 5 号 p. 714-717
    発行日: 1987/09/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    The kinetics of the catalytic hydrogenation of acetone on nickel fine particles supported on active carbon particle was studied by a differential type of flow reactor.
    Initial rates of reaction without 2-propanol were measured at atmospheric pressure over the following range of conditions : Temperature, 125210 [°C]; Partial pressure, Pa=720 [kPa], Ph=750 [kPa]. AS a result, the most feasible rate-controlling step was found to be in the surface reaction between one adsorbed acetone molecule and one adsorbed hydrogen molecule on the same type of active sites. The final equation recommended for the vapor-phase hydrogenation of acetone on a nickel catalyst is r=kKaKhPaPh/ (1+Ka+Pa-KhPh)2
  • 空閑 良壽, 古閑 二郎, 井上 一郎
    1987 年 13 巻 5 号 p. 717-720
    発行日: 1987/09/10
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    Soma sand with size of 500 to 1000 μm was crushed by a screen mill in the range of impact velocity from 32.3 to 91.0 m/s. The increase in specific surface of the product was found to be proportional to about 0.61-th power of the measured electric energy consumption in crushing of unit weight of material. A new representative quantity of energy consumption in crushing is proposed as the product of the apparent frequency of impact crushing during the mean residence time and the kinetic energy of unit weight of particles. It was shown that our new quantity had a good correlation with the electric energy consumption in crushing, since the quantity also exhibited similar power dependency.
  • 1987 年 13 巻 5 号 p. e1a
    発行日: 1987年
    公開日: 2010/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1987 年 13 巻 5 号 p. e1b
    発行日: 1987年
    公開日: 2010/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1987 年 13 巻 5 号 p. e1c
    発行日: 1987年
    公開日: 2010/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1987 年 13 巻 5 号 p. e1d
    発行日: 1987年
    公開日: 2010/11/22
    ジャーナル フリー
  • 1987 年 13 巻 5 号 p. e1e
    発行日: 1987年
    公開日: 2010/11/22
    ジャーナル フリー
  • 1987 年 13 巻 5 号 p. e1f
    発行日: 1987年
    公開日: 2010/11/22
    ジャーナル フリー
  • 1987 年 13 巻 5 号 p. e1g
    発行日: 1987年
    公開日: 2010/11/22
    ジャーナル フリー
  • 1987 年 13 巻 5 号 p. e1h
    発行日: 1987年
    公開日: 2010/11/22
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