熱天秤を用いた非等温熱分析法によってそれぞれ炉温1673Kの微粉炭燃焼器ならびに1123Kの流動層燃焼器より排出された約10%の未燃分を含むfly ash Aならびにfly ashBの燃焼性を検討した.実験は, 加熱速度1~1000K/min, 燃焼温度1173Kまで, 粒径37μm以下の条件下で空気流通系で行った.その結果, 次のような知見が得られた.
1) 燃焼過程を以下のように分離できた.加熱速度2K/min以下では, 燃焼反応律速となる.加熱速度700K/min以上では, 酸素の灰中における拡散が律速となる.
2) fly ashAとfly ash Bの燃焼反応速度パラメータと酸素の灰中の有効拡散係数はfly ash Aについて,
E=70.1 (kJ/mol),
A=0.71 (1/s kPa),
Dc=1.66×10
-5 (cm
2/s)
fly ash Bについて,
E=82.0 (kJ/mol),
A=13.3 (1/skPa),
Dc=1.94×10
-5 (cm
2/s) である.
3) 1673Kの微粉炭ボイラより排出されたfly ash Aでは.未燃炭素の一部が黒鉛化しており, 燃焼性は同種炭チャーのものより劣る.
4) 1123Kの流動層ボイラより排出されたfly ash Bでは, フライアッシュ中の未燃炭は気孔の生成によって比表面積が増大しており, そのため, フライアッシュの燃焼性は同種炭チャーのものよりも若干良くなる.
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