化学工学論文集
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4 巻, 3 号
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  • 今野 宏卓, 浅野 政裕, 栗山 雅文, 原田 英二
    1978 年 4 巻 3 号 p. 221-226
    発行日: 1978/05/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    混相流中の気流と粒子の間の伝熱を知る目的で, 気流中に置かれた回転する球 (比較的直径の大きい) のまわりの熱伝達測定を行った.さらに気流中の乱れを正弦波で模擬し, 球に振動を与えて乱れが熱伝達に及ぼす影響を検討した.
    その結果, 静止気流中で回転する球の熱伝達係数は従来のKreishらの結果よりも小さく, 次の実験式で示された.
    Nu=2+0.37 (r・d・ω・ρa/μ) 1/2
    また気流中で回転する球の場合は (r・ω/u) が3以上では回転に支配され, 0.7以下では気流に支配されること, 気流レノイルズ数, 回転レイノルズ数共に小さい所では振動の影響が生じてくることなどがわかった.
  • 大島 敏男, 広田 満昭, 横田 忠司, 田中 正男
    1978 年 4 巻 3 号 p. 227-231
    発行日: 1978/05/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    エキスパンド・メタル (パイロスクリーン) を捕集板として, 平均風速1.0~2.5m/secの含塵空気による集塵実験を行った.平均粒径約5μmの軽質炭酸カルシウムに対しては, 10枚以上のスクリーンを用いると捕集効率は80%以上になり, また部分捕集効率は50%分離径1μmで鋭い分離特性を示した.平均粒径約9μmのフライアッシュに対しては, 20枚のスクリーンによる捕集効率は, 風速が1.0m/secから2.5m/secに増加するにつれて90%から24%まで変化し, 部分捕集効率の変化は明瞭ではなかった.性質の異なる2種の粉体による実験結果から, 付着性・流動性などの物性が捕集性能に大きい影響を与えることが明らかである.
    使用する粉体に適した風速とスクリーン枚数を選べば, エキスパンド・メタルはプレダスターとして有用である.
  • 椿淳 一郎, 神保 元二
    1978 年 4 巻 3 号 p. 232-237
    発行日: 1978/05/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    粉体の形状が, Feret径によって測定された粒度分布に及ぼす影響について, 理論的に検討を加えた.粒度分布が対数正規分布で表される, 楕円, 矩形, 菱形の粉体について, 形状の影響を表す理論式を数値計算により解いた.
    その結果, 測定値の分布は母集団の分布より広くなるだけでなく, 50%径に偏りを生ずる場合もあること, 形状の及ぼす影響の大きさは, 菱形, 楕円, 矩形の順であることがわかった.
  • 田中 勇武, 吉原 紀幸, 篠原 久
    1978 年 4 巻 3 号 p. 238-241
    発行日: 1978/05/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    溢流管をもつ多段流動層において定常操作を行うための限界点を調べることは, 非常に重要である.
    溢流管の固体粒子群の流れが, この限界点に強い影響を及ぼすことが明らかにされた.
    さらに定常操作における溢流管内の粒子群の流れは, 移動層状態であることが認められた.この限界点を見いだすために2種類の粒子と5種類の溢流管径およびオリフィス径を用いて実験し, 限界点についての実験整理式を得た.
  • 古田 武, 岡崎 守男, 桐栄 良三
    1978 年 4 巻 3 号 p. 242-246
    発行日: 1978/05/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    固液混相流中の粒子流量を測定する新しい方法を考案した.圧電素子を混相流中に挿入保持し, 素子に粒子が衝突する時に生ずるパルス信号を計数することにより, 粒子流量が測定された.垂直円管内の固液混相流中の粒子流量の測定に本法を試験的に用いたところ, 実際の応用性が認められた.
  • 伊藤 四郎, 小川 浩平, 黒田 千秋
    1978 年 4 巻 3 号 p. 247-251
    発行日: 1978/05/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    円管内旋回流における旋回の強さの軸に沿う減衰過程が, 循環を用いて検討される.
    理論的考察により, 無次元化された循環Γ*が, 二つの無次元因子, (Z/R) と (ν/R2ωi) の積の関数となることが明らかにされた.
    種々の操作条件での実験結果より, Γ*と (Z/R) ・ (ν/R2ωi) との関係は, 次式のように表される.
    Γ*=γexp {-κ (Z/R) (ν/R2ωi)}
    ここで, κはレイノルズ数Re=DUav/νの関数であり, γは装置固有の定数である.
    Re>5,000およびRe<2,000の範囲では, κはそれぞれ一定の値をとるが, 2,000<Re<5,000の範囲では, κはReとともに変化し, この範囲は, 旋回の減衰過程に関して, Re<2,000からRe>5,000への遷移域であると推定される.
  • 矢部 勇, 国井 大蔵
    1978 年 4 巻 3 号 p. 252-259
    発行日: 1978/05/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    Spherical-cap型気泡がその下部に十分発達したToroidal vortexを同伴しながら定速で上昇している場合において, 速度分布, 流線, 渦度分布, 応力分布などを可視化法により測定した.また, 気泡と同一形状をした剛体が, 気泡と同一の流動条件下におかれた場合において, 流動に関する同様な実験を行った.可視化法においては, 気泡および剛体の運動にカメラを同期させながら, 微小気泡の軌跡を撮影した.
    その結果, 次のような実験結果が得られた.
    (1) 気泡界面は, 自由界面の傾向を示す.
    (2) 気泡界面のエッジ近傍において, 高密度の渦度が存在する.
    (3) 気泡界面のエッジ下端において, 流線が剥がれる.
    (4) 剥離点は, 淀み点と一致する.
    (5) エッジの曲率半径が小さくなるほど, 剥離点は, エッジに近づく.
    さらに, それらの実験結果を基にして気泡周囲の流動機構を検討した.
  • 山下 福志, 井上 博愛
    1978 年 4 巻 3 号 p. 260-266
    発行日: 1978/05/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    塔径2, 4, 8cmの多孔板の気泡塔で, 発達途中にあるスラグ流れにおける大気泡の挙動を研究した.気泡塔は液回分式である.
    大気泡は塔内を上昇するにつれて合一・成長し, 平均頻度は分散板からの高さhが大きくなるにつれて減少した.
    h/DT<100の範囲において, 大気泡の塔軸方向の長さLCBの実験式を求め, 解析的に導出した式とよく一致することを示した.
    液体スラグの平均長さLlを求め, 文献値と比較した.Llはガス流速, 高さ, 塔径に依存した.
  • 伊藤 龍象, 平田 雄志, 坂田 敬, 中原 勇
    1978 年 4 巻 3 号 p. 267-272
    発行日: 1978/05/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    流通系撹拌槽を用いて, 3種類の6枚羽根パドル翼の所要動力を, レイノルズ数が103~2×105の範囲で測定した.流通液は, 槽底中心部と側壁に取り付けたパイプを通して流入出させた.
    流通液が槽底パイプから槽内に入り, 側壁パイプから抜かれる場合, 動力数は流通液流量の増加とともに増加した.流通方向が逆の場合, 動力数は流量が小の場合減少するが, その後増加に転じた.
    所要動力を, 角運動量収支をもとにして流通液量や他の操作変数と相関した.流通系と回分式の動力数の差ΔNpは, 無次元流通液量NQf≡ (Qf/nd3) の関数として表されることがわかった.
  • 池水 喜義, 佐々木 憲二, 諸岡 成治, 加藤 康夫, 篠原 久
    1978 年 4 巻 3 号 p. 273-276
    発行日: 1978/05/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    アンモニウム塩水溶液 (NH4Cl, NH4NO3, (NH4)2SO4) 中のNH3ガスの拡散係数と溶解度を塩濃度0~3mol/l, 液温20~60℃の範囲で測定した.
    (NH4) 2SO4水溶液中の拡散係数および溶解度は溶液濃度の増大にともない減少し, NH4Cl, NH4NO3水溶液中の拡散係数および溶解度はほとんど塩濃度に無関係であった.
    拡散係数および溶解度の実験式を, 塩濃度および液温の関数としておのおの得た.
  • 池水 喜義, 諸岡 成治, 加藤 康夫, 篠原 久
    1978 年 4 巻 3 号 p. 277-281
    発行日: 1978/05/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    液柱によるNH3ガス-酸水溶液 (HCl, HNO3, H2SO4) 系の吸収実験を, 実験温度15~32℃, 水溶液濃度0~3mol/lまで変化させて行った.
    溶解熱は界面で, 反応熱は反応面で発生するとして計算した吸収速度の値と実測値とはよく一致した.
  • 井手 光治, 松山 芳則, 馬田 次郎, 篠原 久
    1978 年 4 巻 3 号 p. 282-287
    発行日: 1978/05/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    微泡を含む液柱の液側物質移動機構について, 解析的, 実験的に検討を行った.
    乱流拡散に関するLevichおよびDaviesらのモデルに基づいて, 局所等方性乱流中での液側物質移動速度の新しいモデルが提案され, 微泡を含む液柱の液側物質移動係数kLの理論式が, 造泡器内での単位液容積あたりのエネルギー損失量εbの関数として得られた.
    また, 液柱長さの影響を受ける乱流液中の渦速度の減衰に, 前報で報告された微泡合体モデルを適用し, kLに及ぼす液柱長さの影響が解析的に検討された.
    さらに, 純CO2-水系の吸収実験を行い, εbおよび液柱長さを種々変化させて, 微泡を含む液柱のkLが実測された.その結果, これらの実測値が解析結果と良好な一致を示すことが認められた.
  • ベンゼン-水素-窒素系
    長坂 實上, 谷田部 滝生
    1978 年 4 巻 3 号 p. 288-293
    発行日: 1978/05/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    ステファン型拡散セルを用いて3成分系気相拡散係数を測定した.実験はベンゼン-水素-窒素系で行われ, 温度範囲は30~77℃であった.セル上端での水素の濃度は15~92mol%であった.実測値はStefan-Maxwell式から得られる理論値と実験誤差内でよく一致した.さらに, 3成分系気相拡散係数は平均濃度比として拡散路の両端における濃度比の対数平均値を用いればWilke式よりたかだか10%の誤差内で推算されうることがわかった.
  • 安西 晟
    1978 年 4 巻 3 号 p. 294-299
    発行日: 1978/05/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    硫酸銅を触媒とした, 亜硫酸ナトリウムの, 水溶液中での気体酸素による酸化反応の反応速度を, 急速混合流通法を用いて均相反応として測定した.
    測定した亜硫酸ナトリウム濃度は0.01~0.66mol/l, 酸素初濃度0.00045~0.0017mol/l, 硫酸銅濃度は10-6~10-3mol/lであり, 測定温度は15, 25, 35℃であった.
    測定の結果, この反応は亜硫酸ナトリウムの濃度によって反応機構が異なる複雑な反応であること, 反応速度は, 反応進行中は酸素濃度についてみかけ上0次であるが, 反応開始時の酸素の濃度によって変化すること, さらに, 亜硫酸ナトリウム濃度の小さい領域では反応の誘導期間が存在することを見いだした.
    また, この反応のみかけの反応速度式を得た.
  • 油川 博, 小林 一正, 菊地 成雪, 遠坂 仁志
    1978 年 4 巻 3 号 p. 300-304
    発行日: 1978/05/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    畜産廃棄物を処理するのに消化法や活性汚泥法が用いられている。これらの方法に関するこれまでの研究は発酵の最適条件に関するものが多く, 発酵槽設計の基礎となる実用的な生物反応速度に関する研究は少ない.
    本研究は家畜糞尿の中温メタン発酵における分解反応速度に関するもので, 発酵温度範囲は25~38℃である.また分解反応速度Vに及ぼす種消化汚泥初濃度 [E*] および生汚泥初濃度 [S*] の影響についても検討した.
    実験の結果, 分解反応速度式は酵素反応モデルに基づくMichaelis-Mentcnの式と同一形式で表されることが明らかになるとともに, V, [E*], [S*] の関係は次のような実験式で表される.
    V=K [E*]0.5 [S*]0.5
    ここにKは反応速度定数で発酵温度の関数であり, それはArrhenius式と同様に表される.これよりみかけ活性化エネルギーは, 25~38℃の範囲で12.2kcal/molと求められた.
  • 高桑 保夫, 小久保 良, 城石 昭弘, 村上 喬
    1978 年 4 巻 3 号 p. 305-311
    発行日: 1978/05/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    アンモニア水溶液中でのメラミンおよびその加水分解生成物 (アンメリン, アンメリドおよびシアヌル酸) の加水分解速度を130,150および180℃で測定し, アンモニア濃度40wt%までのメラミンのみかけの速度定数を求める実験式を得た.また, 不純物として粗製メラミン中に最も多く含まれるメラムの反応についても調べ, アンモノリシスが加水分解反応に並発して起こることがわかった.さらにメラミンの溶解度をアンモニア濃度0~80wt%, 温度20~180℃の範囲で測定した.
    これらの結果から高温のアンモニア水溶液を使用する精製方法を見いだし, 単一連続槽によるパイロット試験を行い, 温度, 滞留時間, アンモニア濃度などの操作条件を決定した.さらにメラミンの晶析やアンモニアの回収にも工夫をこらし, この方法がプロセスとして成立することを明らかにした.
    この成果は新しいメラミン製造プロセスの開発に貢献した.
  • 大村 朔平, 西沢 弘典, 大佐々 邦久, 棚橋 崇, 三分一 政男, 田中 勇武, 山口 峰治, 篠原 久, 橋本 良雄, 篠原 久, 豊 ...
    1978 年 4 巻 3 号 p. 312-330
    発行日: 1978/05/10
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
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