活性汚泥処理の浄化機能に及ぼすDo濃度, MLSS濃度などの代表的環境因子の影響について, 曝気ガス中の酸素濃度を変えられる水深10mのシャフト形曝気槽で, 合成排水を供試して検討した.
この結果, 単位汚泥量あたりの酸素消費速度γは限界DOを境いにして, それ以上では一定, 以下では低下すること, 限界DOは生物酸化反応により異なり, 酸化反応では1.1~1.35mg/l, 増殖反応では0.65~0.9mg/lの範囲にあることを示した. また, 汚泥沈降性の良否の境いを示すDO濃度は限界DOにほぼ一致し, これ以上では良好, 以下では悪化することを明らかにした. さらに, DO≧4.5mg/lあるいは3.5≧DO>2mg/lの範囲において, MLSS濃度, 滞留時間TRがそれぞれ一定ならば, γと単位汚泥量あたりのCOD除去速度βcは比例関係にある. MLSS, TRが変わると増殖, 酸化および内生呼吸反応の内, 主とする生物酸化反応が変化し, MLSS×TR≧17000h・mg/lかつDO≧4.5mg/lでは酸化反応が主に, MLSS×TR<10000h・mg/lでは増殖反応が主に起こることを明らかにした. また, 細菌のみの単相活性汚泥によるβcは原生動物などを含む混相活汚泥より大きいことを示した.
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