臨床神経学
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63 巻, 12 号
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依頼総説
  • 五十棲 規嘉, 杉江 和馬, 森 英一朗
    2023 年 63 巻 12 号 p. 799-805
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/19
    [早期公開] 公開日: 2023/11/22
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    生物学的相分離とは細胞内でタンパク質などの生体分子が液-液相分離する現象を示す.これまでに相分離性タンパク質の持つ低複雑性ドメインが相分離を駆動し,制御因子によって厳密に相分離が制御されることが分かっている.また,遺伝子異常が原因で相分離を破綻させる因子も見つかっている.以前から多くの神経筋疾患は原因タンパク質が異常な凝集体として蓄積することが知られていた.そして近年,神経筋疾患には相分離性のタンパク質が関わっており,それらの相分離制御に異常が起こることで凝集体を形成することが分かってきた.生物学的相分離はこれまで解明できなかった神経筋疾患の病態発症メカニズムを徐々に明らかにしつつある.

  • 安藤 哲朗
    2023 年 63 巻 12 号 p. 806-812
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/19
    [早期公開] 公開日: 2023/11/22
    ジャーナル オープンアクセス HTML

    炎症性脊髄症と非炎症性脊髄症の鑑別は難しいことがある.年齢と性,発症のスピードと経過,全身症状,脊髄および脳MRI,自己抗体,髄液所見などの臨床情報が必要である.特に発症のスピードが鑑別に重要である.炎症性脊髄症は通常急性/亜急性経過をとるのに対して,脊髄梗塞は超急性経過,脊髄髄内腫瘍などは慢性進行性の経過をとることが多い.脊髄硬膜動静脈瘻は,通常は慢性進行性だが,初期には症状の変動があり,急性発症にみえる場合がある.炎症性脊髄症の診断には,圧迫性脊髄症を確実に否定することが必要である.かりに確定診断ができなくても,治療経過の中で適宜再検討が必要である.

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