臨床神経学
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57 巻 , 7 号
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総説
  • 中村 雄作
    2017 年 57 巻 7 号 p. 367-372
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/07/29
    [早期公開] 公開日: 2017/06/24
    ジャーナル フリー

    ジストニアの診断は,確定的な検査法がなく不随意運動の診察には経験が必要で難解である.ジストニアガイドラインでもエビデンスのある薬剤はほとんどない.局所性ジストニアの治療の第一選択はボツリヌス毒素であり有効性の高い薬剤である.ボツリヌス治療の効果向上には正しい筋選択が重要である.筋電図ガイドやエコーガイドなどによりボツリヌス治療成績は向上する.しかし,本邦では不随意運動やボツリヌス治療の専門医が少なくボツリヌス治療は充分に用いられていない.ジストニアの診断とボツリヌス治療の役割と重要性について述べた.

症例報告
  • 此枝 史恵, 鈴木 重明, 西本 祥仁, 星野 晴彦, 高木 誠
    2017 年 57 巻 7 号 p. 373-377
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/07/29
    [早期公開] 公開日: 2017/06/30
    ジャーナル フリー

    症例は74歳女性.2014年に進行直腸癌を指摘され直腸離断術を受けたが,残存病変に対する化学療法が副作用のため継続困難となり放射線療法のみで経過観察となっていた.2016年4月に他院で通常より低用量のニボルマブが開始された.ニボルマブの最終投与から約2週間の経過で近位筋優位の筋力低下・筋痛,眼瞼下垂,嚥下障害,呼吸苦が出現した.ニボルマブによる筋炎合併重症筋無力症と考え各種免疫療法を行い症状の改善がみられた.ニボルマブ投与開始から短期間のうちに発症し,従来知られているものとは違い急速に呼吸筋障害をきたすなど重症化する傾向があり,コンサルテーションをうける神経内科医には迅速な対応が求められる.

  • 松浦 啓, 蒔田 直輝, 石井 亮太郎, 藤田 泰子, 古野 優一, 水野 敏樹
    2017 年 57 巻 7 号 p. 378-382
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/07/29
    [早期公開] 公開日: 2017/06/21
    ジャーナル フリー

    Chronic lymphocytic inflammation with pontine perivascular enhancement responsive to steroids(CLIPPERS)の病変は一般的に後脳から離れるに従って縮小することが多いが,側頭葉に最大病変を示す症例を経験した.症例は49歳男性.来院22日前から発熱が,その後左眼視野障害が出現し入院となった.神経学的に左眼視野の中心部に暗点を認め,MRIで右側頭葉に粒状のガドリニウム造影効果を伴うFLAIR高信号病変を認めた.その後,橋及び小脳に病変が拡大し,複視・滑動性眼球運動障害・輻輳麻痺が出現した.右側頭葉病変から開頭脳生検し,CLIPPERSと診断した.ステロイド投与により病変・症状ともに軽快した.病初期に後脳から離れた病変が大きい症例であっても,CLIPPERSの可能性を考慮する必要がある.

  • 中村 琢洋, 瓦林 毅, 清野 祐輔, 東海林 幹夫
    2017 年 57 巻 7 号 p. 383-386
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/07/29
    [早期公開] 公開日: 2017/06/24
    ジャーナル フリー

    症例は家族歴のない17歳男性である.腕立て伏せを中心とした筋力トレーニングを開始した数日後より,左上肢の感覚障害と運動障害を来し当科紹介受診となった.神経学的には左上肢に広範囲な筋力低下と橈側の感覚障害を認めた.Magnetic resonance neurography(MRN)で腕神経叢に信号の左右差を認め,左腕神経叢障害が疑われた.神経伝導検査では腕神経叢障害のみでは説明のつかない広範な障害を認め,遺伝学的検査により遺伝性圧脆弱性ニューロパチーの診断に至った.軽度の労作や圧迫によるニューロパチーでは,家族歴が無くとも本疾患を鑑別する必要がある.

  • 坪口 晋太朗, 若杉 尚宏, 梅田 能生, 梅田 麻衣子, 小宅 睦郎, 藤田 信也
    2017 年 57 巻 7 号 p. 387-390
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/07/29
    [早期公開] 公開日: 2017/06/21
    ジャーナル フリー

    症例は73歳女性.突然の右麻痺で発症し,頭部MRIで左頭頂葉に高信号病変を認め,脳梗塞と診断された.第3病日にミオクローヌス,失語,意識障害が出現し,38°C台の発熱にも気づかれた.第6病日の髄液細胞数は8/μlと増多を認めなかったが,同日よりアシクロビル(acyclovir; ACV)投与を開始.第12病日に,髄液HSV-DNAが陽性と判明し,単純ヘルペス脳炎(herpes simplex encephalitis; HSE)と診断したが,第13病日の髄液細胞数の上昇は17/μlに留まった.画像所見では,病変が前頭葉から視床と帯状回に拡大したが,側頭葉には病変を認めなかった.HSEとして,発症症状,髄液所見,画像所見のすべてが非典型的で,その診断と治療の上で貴重な症例である.

短報
  • 佐木山 裕史, 山本 司郎, 村上 泰隆, 玄 富翰, 永野 恵子, 橋川 一雄
    2017 年 57 巻 7 号 p. 391-394
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/07/29
    [早期公開] 公開日: 2017/06/24
    ジャーナル フリー

    症例は80歳の女性.1ヶ月前に大動脈弁置換術を受け,発作性心房細動がありワルファリン内服中であった.某日,意識障害,左片麻痺を発症し,来院時,右橈骨動脈の触知減弱を認めた.頭部MRI拡散強調画像では右中大脳動脈領域に高信号域があり,MRAでは右M1遠位閉塞,右内頸動脈の信号低下を認めた.胸部造影CTでは腕頭動脈閉塞があり,心原性塞栓子による腕頭動脈塞栓および右M1遠位塞栓と診断した.ヘパリンとワルファリンによる抗凝固療法を行い,症状は徐々に改善し,右中大脳動脈,腕頭動脈は再開通した.右橈骨動脈触知減弱の際には,胸部大動脈解離のみならず心原性塞栓子による腕頭動脈塞栓症も念頭に置く必要がある.

  • 高木 隆助, 長坂 高村, 諏訪 裕美, 土屋 舞, 高 紀信, 瀧山 嘉久
    2017 年 57 巻 7 号 p. 395-398
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/07/29
    [早期公開] 公開日: 2017/06/21
    ジャーナル フリー

    症例は33歳女性.マイコプラズマ感染後に発症したBickerstaff脳幹脳炎(Bickerstaff brainstem encephalitis; BBE)に対し,大量ガンマグロブリン静注療法とステロイドパルス療法を併用し症状は改善した.第15病日より,膝蓋腱や下顎叩打時の反射性ミオクローヌスが四肢・体幹に出現し2週間ほどで自然消失した.反射性ミオクローヌスの起源は,表面筋電図および病態から脳幹と推測した.これまでに反射性ミオクローヌスを呈したBBEの報告はなく稀な症例と考えられた.

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委員会報告
  • 園生 雅弘, 西山 和利, 安藤 哲朗, 進藤 克郎, 神田 隆, 青木 正志, 亀井 聡, 菊地 誠志, 楠 進, 鈴木 則宏, 祖父江 ...
    2017 年 57 巻 7 号 p. 402-410
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/07/29
    [早期公開] 公開日: 2017/06/21
    ジャーナル フリー

    神経内科専門医育成の現状を明らかにすることは,神経内科の専門医制度をどう構築するかを考える上で重要である.日本神経学会神経内科専門医課題検討委員会では,全国の神経学会教育・准教育施設を対象に,専門医育成の現状についてのアンケート調査を行った.回答率は46.2%,大学病院本院からの回答率は87.5%であった.これにより5年間での全数の約8割と推測される専攻医905人の研修過程を明らかにし得た.87.8%の専攻医が初期研修終了直後の医師3年目より神経内科研修に専念していた.初期研修終了後の3年間について,51.3%の専攻医が大学-市中病院のローテート研修を,36.5%が単独施設で研修を行っていた.

会告
編集後記
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