臨床神経学
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63 巻, 4 号
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依頼総説
  • 福武 敏夫
    2023 年 63 巻 4 号 p. 201-208
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/04/25
    [早期公開] 公開日: 2023/03/29
    ジャーナル オープンアクセス HTML

    運動失調は小脳由来の小脳性だけでなく,大脳から末梢神経に至るいずれかの病変によることがある.小脳由来ではない非小脳性運動失調は感覚性運動失調や後索性運動失調と総称されてきた.しかし,前頭葉病変で小脳性と区別しにくい運動失調が現れるので,小脳性運動失調を含めて小脳型運動失調と呼び,後索由来の後索性運動失調も後索ではない頭頂葉病変などによることがあり,後索性運動失調を含めて後索型運動失調と呼ぶことが提唱された(平山,2010).この提唱に従って,脊髄癆や感覚性ニューロパチーなどを概観するが,Miller Fisher症候群の運動失調は自己免疫性運動失調の国際的コンセンサス(2016)にて臨床-生理学的に小脳型とされており,感覚性運動失調に後索性/型運動失調だけでなく,Ia群線維から小脳への感覚入力障害による小脳型運動失調がありうることを強調したい.

原著
  • 根本 壌, 清水 文崇, 前田 敏彦, 西原 秀昭, 古賀 道明, 神田 隆
    2023 年 63 巻 4 号 p. 209-213
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/04/25
    [早期公開] 公開日: 2023/03/29
    ジャーナル オープンアクセス HTML

    多巣性運動ニューロパチー連続8例の臨床情報を後方視的に収集し,その特徴と長期経過を解析した.全例で一側上肢から発症し,6例で利き手から発症していた.7例で上肢への運動負荷の強い職業もしくは趣味があり,労作との関係が示唆された.脳脊髄液中の蛋白値は全例で正常から軽度高値であり,末梢神経伝導検査で伝導ブロックを4例に認めた.全例で経静脈的免疫グリブリン療法が奏功し,軽症の2例では完全寛解し維持療法が不要となった.5例で免疫グロブリンによる維持療法が長期的に有効であった.免疫グロブリン療法は治療導入と維持療法のいずれにも有効であることが示された.

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