症例は72歳の女性例である.複雑部分発作重積による複雑幻視発現時の頭部MRI拡散強調画像で右頭頂葉,後頭葉と側頭葉にgyriform cortical hyperintensityをみとめた.動きが主体の複雑幻視初発時の発作中
123I-IMP-SPECTで右頭頂-後頭-側頭葉外側下部に高集積を,人物像のみが出現した複雑幻視再発時の発作中に右頭頂葉外側に著明な高集積をみとめ,発作中脳波で両側後頭部~側頭後部にrhythmic polyspikesが数度出現した.自験例は右頭頂-後頭-側頭部の陳旧性脳挫傷がてんかん性焦点となり,複雑幻視発作時にこれらの領域にてんかん性活動を捉えることができたまれな症例である.
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