経静脈的血栓溶解療法(recombinant tissue plasminogen activator[rt-PA]静注療法)中の経頭蓋超音波検査をもちいた連続的な評価(transcranial Doppler[TCD]連続モニタ)の有用性と安全性を検討した.対象はMagnetic Resonance Angiographyで中大脳動脈水平部(M1)閉塞と診断し,TCD連続モニタがおこなえた連続16例.TCD連続モニタで再開通を確認したのは8例(再開通群50%,年齢70[55~81]歳,男性7例[88%],NIHSSスコア18[12~22]点)で8例(非再開通群50%,年齢72[62~79]歳,男性6例[75%],NIHSSスコア19[15~23]点)では再開通がみられなかった.症候性頭蓋内出血は0例であった.TCD連続モニタとMRAでの再開通診断の一致率は88%であった(κ=0.75,
P =0.002).3カ月後の転帰良好は非再開通群にくらべ再開通群に多かった(63% vs. 0%,
P =0.026).rt-PA静注療法中のTCD連続モニタは再開通現象の評価および転帰の予測に有用である.
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