臨床神経学
Online ISSN : 1882-0654
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58 巻 , 9 号
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原著
症例報告
  • 時田 春樹, 竹島 慎一, 竹下 潤, 下江 豊, 矢守 茂, 栗山 勝
    2018 年 58 巻 9 号 p. 556-559
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/09/28
    [早期公開] 公開日: 2018/08/31
    ジャーナル フリー

    症例は70歳の右利き男性.テレビの右画面が遅れて見えることに気づく.その後の5日間で,多彩な幻視と錯視が出現し,近医で脳梗塞を指摘され入院した.右同名半盲以外特に異常なし.MRIで左後頭回,一部舌状回,楔部の急性期脳梗塞を認めた.入院後も光視や複雑幻視,微視などの症状が出現し,次第に消失したが,光視は約2ヶ月間持続した.このことから光視と複雑幻視,微視の神経基盤は異なることが示唆された.左後頭葉内側面を中心とした領域の損傷によって,盲視野内の複雑幻視の出現は知られているが,光視や微視など多彩な症状が合併している症例は稀である.

  • 居積 晃希, 田川 朝子, 小川 朋子, 橋本 律夫, 大塚 美恵子, 加藤 宏之
    2018 年 58 巻 9 号 p. 560-564
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/09/28
    [早期公開] 公開日: 2018/08/31
    ジャーナル フリー

    症例は34歳女性,無菌性髄膜炎の診断で加療中にsyndrome of inappropriate antidiuretic hormone secretion(SIADH)を発症し著明な低Na血症を認めた.髄液抗N-methyl-D-aspartate(NMDA)受容体抗体が陽性で,髄膜炎症状,小脳性運動失調,錐体路症状などを呈し,頭部MRI FLAIR画像で大脳,脳幹,第三脳室周囲に高信号域を認めた.いわゆる抗NMDA受容体脳炎としての典型的な症状は認めず,臨床経過は非典型的であった.また抗NMDA受容体脳炎においてSIADHを伴った報告は過去1例のみであるが,本例のように第三脳室周囲の異常信号やADH分泌亢進を呈した報告はない.抗NMDA受容体抗体の関連する自己免疫疾患の病態を考える上で興味深い.

  • 山田 友美, 安藤 昭一朗, 梅田 能生, 梅田 麻衣子, 小宅 睦郎, 藤田 信也
    2018 年 58 巻 9 号 p. 565-569
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/09/28
    [早期公開] 公開日: 2018/08/31
    ジャーナル フリー

    症例は,喘息の既往がある42歳女性である.感覚優位の多発性単神経障害で入院したが,好酸球増多(761/μl)は軽度で,神経生検で血管炎の所見は明らかではなかった.4ヵ月後,急激な好酸球増多(3,257/μl)を契機に,右上下肢の痙攣と意識障害をきたし再入院となった.頭部MRIで左頭頂葉の皮質下出血と多発する微小脳出血を認め,また小梗塞も多発していた.好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(eosinophilic granulomatosis with polyangiitis; EGPA)と診断して免疫療法を行い,良好な経過を得た.EGPAに血管炎を背景とした虚血性脳血管障害を合併することは知られているが,本例は,好酸球の急激な増加を契機に多発性の皮質下脳出血をきたした貴重な症例と考え報告する.

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