二酸化チタン光触媒を組み込んだコンパクトなガス分解用反応装置を設計するための基礎情報を得ることを目的として,形状制御可能な金網光触媒を試作し,そのエチレン分解特性を評価した.
まずはじめに,試作金網光触媒の初期活性変化を調べた.ブラックライトランプ照射下,50ppmのエチレンを回分法で分解する操作を繰り返した結果,エチレンの完全分解に要する時間は,最初,ランプ照射回数の増加に伴って短くなり,数回の照射後に一定になった.
ついで,20メッシュ金網光触媒(二酸化チタン塗布量1.88g,単位金網面積当たり7.2g/m
2)および350メッシュ金網光触媒(二酸化チタン塗布量1.88g,単位金網面積当たり5.1g/m
2)で約107ppmのエチレン分解を比較した結果,分解能がほぼ同等という結果を得た.反応速度はエチレン濃度の0.5次で表現できた.20メッシュ金網に対し,二酸化チタン塗布量を0.92g(単位金網面積当たり3.5g/m
2),1.88g(単位金網面積当たり7.2g/m
2),2.70g(単位金網面積当たり10.4g/m
2)と変化させた光触媒で50ppmのエチレンを分解した結果,分解速度は塗布量に比例して増大した.
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