一辺15, 20, 25, 30, 35, 40cmの正方形播(1本仕立て, 44. 4, 25. 0, 16. 0, 11. 1, 8. 2, 6. 3株/m
2)のもとで, ダイズ(品種タマホマレ)における栽植密度と生育・収量の関係を光受容の変化から検討した. m
2当たり茎重は, m
2当たり分枝数と高い相関関係(r=0. 74
**)にあり, 栽植密度が高いほど高かった. 分枝の発生率は, その発生する節位置の相対照度が35%程度以上では照度による差がみられなかったが, それより低い照度では照度の低下に伴って低下した. また, 分枝の発生した節の相対照度が10%程度より低いと分枝の生存率が急速に低下し, 5%程度の相対照度では約60%の生存率となり, 個体当たりの分枝数は栽植密度が高いほど少なく, 15cm区の分枝数は40cm区の約1/3になった. このためm
2当たり茎重は, 密植に伴って増加程度が小さくなった. 子実収量は, 11. 1株/m
2で最も高く, それより密植, あるいはそれより疎植になるに伴って低下する傾向にあった. 子実収量はm
2当たり着莢数と有意な相関関係にあった. m
2当たり総節数, 同着花数は, 同分枝数と0. 99
**あるいは0. 93
**の高い相関関係にあり, 密植ほど多かった. m
2当たり着莢数は, 結莢率が節位置の相対照度が20%程度以下でその低下に伴って低下して密植ほど低かったため, 栽植密度に伴う増加が同総節数, 同着花数に比べ一層抑えられ, さらに一莢粒数も密植ほど少ない傾向にあった. 以上から密植では分枝, 節数, 着花数に加え, 結莢率, 一莢粒数も低下するため, 20cm区や15cm区のような密植では25cm区や30cm区よりもかえって子実収量が低い傾向になったと考えられた.
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