日本作物学会紀事
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90 巻, 2 号
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総説
  • 大平 陽一
    2021 年90 巻2 号 p. 117-124
    発行日: 2021/04/05
    公開日: 2021/05/20
    ジャーナル フリー

    漏生イネ・雑草イネ対策として,水稲収穫後の休閑期における石灰窒素の圃場散布が有効であることが近年明らかになってきた.また,その効果は圃場管理条件,環境条件で大きく変動することも明確化されてきた.本報では,石灰窒素の効果の変動要因として,水稲の品種間差,稲わら残渣の有無,温度・石灰窒素の散布時季,土壌水分・降雨,耕起のタイミングを挙げた.石灰窒素の効果について,稲わらがあると半減する,適度な水分が必要,温度が高いほど効果が高まるなど,得られた知見を整理した.また,石灰窒素散布後に不耕起期間を設け,圃場表面で石灰窒素と水稲種子が2週間以上存在する必要がある一方,散布直後の耕起は漏生イネの発生抑制の効果が得られないなど,石灰窒素を活用する上での考え方と留意点を示した.石灰窒素による漏生イネ・雑草イネ防除の効果の程度を,古くから知見のある水稲移植栽培条件での有効除草剤による防除効果と比較した.その結果,有効除草剤による漏生イネ・雑草イネの防除価は90以上,石灰窒素では総じて80~90程度と推察された.石灰窒素は漏生イネ・雑草イネの防除効果のみならず窒素の肥効も持つことから,散布後に水稲を栽培する場合には減肥する必要があり,その減肥程度を整理した.これらの知見を踏まえて石灰窒素の活用における今後の課題についても論じた.

  • 丹野 和幸
    2021 年90 巻2 号 p. 125-141
    発行日: 2021/04/05
    公開日: 2021/05/20
    ジャーナル フリー

    日本におけるゴマ栽培は,栽培の機械化が遅れたことから衰退したが,近年の国内外における需要の高まりや,新規の収穫調製機械化技術の開発により,再び国内ゴマ栽培の機運が高まりつつある.しかし,国内におけるゴマの研究は食品加工分野で多く,栽培に関する知見は乏しかった.そこで,本総説では,ゴマ栽培に関する既往の知見の集積と分析により,ゴマを安定多収化するための条件を検討した.その結果,作期に関しては,生育初期の湿害の回避と,播種後60~90日の開花中期頃の日射量が重要であり,これを安定的に確保するためには,播種期の早期への拡大が重要であると明らかとなった.栽植密度については,日本の慣行よりも密植の20000株/10 a前後が多収かつ,機械収穫適性にも優れる可能性が高いと考えられた.施肥に関しては,N: 4~8 kg/10 a P2O5: 6~10 kg/10 a K2O: 2~3 kg/10 a程度を目安とした適正施肥や,積極的な硫酸根肥料の施用が重要であると考えられた.防除に関しては,雑草・病害虫の経済的被害を評価し,優先順位をつけるとともに,適用できる農薬の拡大が求められる.また,生育観察に基づく適期収穫や,育種による低温での生育能,耐倒伏性,病害抵抗性や耐湿性の向上も重要であると考えられた.

研究論文
栽培
  • 藤本 寛
    2021 年90 巻2 号 p. 142-152
    発行日: 2021/04/05
    公開日: 2021/05/20
    ジャーナル フリー

    乾田直播栽培における苗立ち数の違いが生育および収量構成要素に与える影響を調べるために,慣行播種量で条播し,苗立ち後,間引きにより疎播区(約17本/m2),中播区(約33本/m2)および間引きなしの密播区(43~169本/m2)を設定した.多収品種「みなちから」と「北陸193号」を供試し,2016~2018年の3か年,試験を実施した.苗立ち数の違いは生育および収量構成要素に顕著に反映した.疎播区と中播区では密播区に比べて,面積あたり茎数は少なく,止葉葉齢は多く,出穂期は遅くなった.平均一茎重は,栄養成長期では差がなかったが,出穂期以後は疎播区と中播区が密播区より有意に重かった.収量構成要素では,疎播区の穂数/m2は密播区よりも15~37%有意に少なく,一穂籾数は8~39%有意に多かった.以上,疎播区は密播区よりも相対的に穂重型の生育となることが示されたが,その程度を数量的に評価するために草型指数を用いて検討したところ,同じ品種であっても苗立ち数の違いにより異なる草型に分類され,明らかな草型の変化といえた.一方,収量は疎播区が密播区より減少する傾向であったが,2018年の「北陸193号」では,疎播区は密播区の1/10の苗立ち数でありながら粗玄米収量は同等の900 g/m2以上を得た.苗立ちを疎にすることで生じる草型の変化を収量向上につなげるためには施肥法等をより穂重型となる生育特性に適合させる検討がさらに必要である.乾田直播栽培の生育制御において,苗立ち数,播種量は重要な要因であると考えられた.

  • 福嶌 陽
    2021 年90 巻2 号 p. 153-159
    発行日: 2021/04/05
    公開日: 2021/05/20
    ジャーナル フリー

    わが国の暖地に位置する福岡県と寒冷地に位置する秋田県において,それぞれの県の主要品種である「ヒノヒカリ」と「あきたこまち」を用いて実施した栽培試験の結果を比較した.福岡県の「ヒノヒカリ」は秋田県の「あきたこまち」より,移植期から出穂期までの日数が短いが,出穂30日前から出穂30日後までの気温は高く,その間の日射量が多かった.「ヒノヒカリ」は「あきたこまち」と比較して,葉身が長く,穂揃期の葉面積と全乾物重が大きかった.そして,総籾数は同等であったが,登熟歩合が低いために,収量は低かった.一方,農林水産省が公表している作物統計においては,福岡県は秋田県と比較して,総籾数が少なく,かつ登熟歩合が低いために,収量が低かった.以上の結果から,暖地の福岡県は寒冷地の秋田県より収量が低い気象要因として,出穂前の高温により総籾数の確保が困難になること,および出穂後の高温により登熟能力が低くなることの両方の可能性が考えられた.

  • 荒井(三王) 裕見子, 岡村 昌樹, 建石 邦夫, 矢部 志央理, 荻原 均, 吉田 ひろえ, 吉永 悟志, 小林 伸哉
    2021 年90 巻2 号 p. 160-167
    発行日: 2021/04/05
    公開日: 2021/05/20
    ジャーナル フリー

    主食用水稲品種「コシヒカリ」や業務・加工用多収品種「あきだわら」等の6品種を供試し,4段階の窒素施肥条件下で栽培した.画像情報や分光センサ情報等(植被率,NDVI,受光率)から水稲の生育形質(葉面積指数(LAI),茎数,地上部乾物重,葉身窒素含量,植物体窒素含量)を説明できるか検討するために,非破壊計測による生育形質の推定精度を評価した.非破壊計測と生育形質の調査は,移植後24,38,54,66日に行った.その結果,移植後24日~幼穂形成初期において,植被率とLAI,地上部乾物重,植物体窒素含量,NDVIとLAI,葉身窒素含量,植物体窒素含量,受光率と地上部乾物重との間では,回帰式の決定係数(R2)が0.8以上と高く,関係性があると示唆された.また,移植後24日では手持カメラ画像の植被率と地上部乾物重,植物体窒素含量,移植後24と38日では全ての非破壊計測値と茎数を除いた生育形質,幼穂形成初期では携帯型計測のNDVIと地上部乾物重を除いた生育形質,受光率とLAIとの間では,回帰式のR2が0.7以上と高く,関係性があると示唆された.しかしこれらの二乗平均平方根(RMSE)で示される推定誤差は,大きい傾向があった.

  • 原 嘉隆
    2021 年90 巻2 号 p. 168-176
    発行日: 2021/04/05
    公開日: 2021/05/20
    ジャーナル フリー

    暖地での水稲湛水直播栽培はスクミリンゴガイの食害を受けやすいが,大豆作との輪作等の工夫によって実施する生産者が増えている.しかし,湛水直播用肥料は少なく,移植用肥料を利用せざるを得ない状況にある.直播では苗立ち後の分げつが旺盛で,特に暖地で過繁茂による倒伏が起きやすく,その回避のために播種量を減らすと十分な苗立ち本数が得られないという問題が起きかねない.このため,播種量を減らさずに過繁茂を抑えられるよう初期の窒素肥料を控えることが望ましいと考えた.湛水直播の実施面積が少ない暖地での湛水直播用肥料の流通は現実的でない.そこで,稲麦二毛作水田において,リン酸とカリを無しとし,速効性窒素も無しとし,移植用肥料で施肥される窒素量の8割を生育後半に溶出する遅効性被覆尿素で施肥する方法を検討した.生産者の水田を含む3地区において通算3年で移植用肥料を用いた場合と比較した施肥試験を実施した.その結果,いずれの地区でも生育と収量に有意差は認められなかった.したがって,稲麦二毛作水田での湛水直播栽培では,遅効性被覆尿素のみの施肥法が利用できる.本施肥法は,肥料代も安く,散布量も少ないので省力化も実現できる.

品種・遺伝資源
  • 小葉田 亨, 富阪 康平, 篠永 美和, Shaobing Peng
    2021 年90 巻2 号 p. 177-181
    発行日: 2021/04/05
    公開日: 2021/05/20
    ジャーナル フリー

    穂ぞろい期イネの止葉中央部葉片を35℃暗黒下でプラスチックバイアル中の水に1週間程度浮かべ,培養後/培養前SPAD値比で示される緑葉維持能力(GM)が遺伝的多様性をカバーする世界と日本のイネコアコレクションおよび中国の高収量hybridとinbred品種でどれだけの変異があるかを調べた.その結果,ジャポニカのGMはインディカに比べやや高い傾向があり,また熱帯ジャポニカはジャポニカよりやや低かった.これらの品種の中から穂ぞろい期にSPAD値が高いにもかかわらずGMが高く保たれる,あるいはGMが著しく低下する緑葉維持能力の典型的に異なる品種が見いだせた.また,中国の高収量 (9~11 t ha–1) のhybridやinbredイネのGMにも大きな品種間差が見られ,GMと収穫指数の間には正の直線関係があり,さらにGMと収量/(茎葉重×SPAD値) との間にも正の直線関係があったため,緑葉維持能力が茎葉の子実収量生産効率を高めていることが示唆された.このように,イネの登熟期における緑葉維持能力には品種間に幅広い多様性があり,登熟期の子実生産効率を高める遺伝資源として利用できる可能性がある.

  • 妹尾 拓司, 橋本 晋輔, 三ツ井 奨一朗, 山本 涼平, 猪谷 富雄
    2021 年90 巻2 号 p. 182-193
    発行日: 2021/04/05
    公開日: 2021/05/20
    ジャーナル フリー

    葉色が緑色でないイネ(葉色変異稲)は,観賞用イネとして水田アートやドライフラワーなどに用いられる.中でも植物体が紫色に見える品種を紫稲,黄色に見える品種を黄稲という.紫稲および黄稲の利用に際して,その品種特性の解明と安定した色素発現が重要になる.紫稲の着色はアントシアニンによるもので,その生合成は他の作物の場合と同様に栽培時の光質・光量の影響を強く受けると考えられるが報告は少ない.本研究では,紫稲9品種および黄稲2品種の計11品種を対象に,水田での栽培のほか,UVカットフィルムや黒色寒冷紗などの被覆資材を用いて植物体に対する光量・光質を変化させたポット栽培を行い,色彩色差計を用いた葉身の色調とアントシアニン含量を測定した.実験の結果,紫稲の品種は出穂期や稈長の変異が大きく,アントシアニン含量は10倍以上の違いが認められ,その含量によって色調も赤から緑へと段階的に変化した.紫稲は,UVカットフィルムの被覆処理区でアントシアニン含量の減少が大きく,アントシアニン生合成には390 nm以下の光質が特に重要であることが示された.黄稲の2品種の色調は黄色と黄緑色を示し,また被覆処理区の色調はすべて緑に近づいた.とくに黒色寒冷紗でその傾向が強かったことから,黄稲の着色には光量が重要であると考えられた.また,年次と栽培地を変更して紫稲・黄稲など5品種を栽培し,3種類の非破壊測定器を適用して,葉身の色彩色差値,葉緑素含量(SPAD値),アントシアニン含量(ACI値)の測定値から,その違いを明確にした.

研究・技術ノート
  • 沖山 毅, 柳澤 貴司, 長嶺 敬, 大山 亮, 関和 孝博, 加藤 常夫
    2021 年90 巻2 号 p. 194-205
    発行日: 2021/04/05
    公開日: 2021/05/20
    ジャーナル フリー

    食用オオムギにおいて,精麦品質の面から重要となる胚乳の硝子率と,機能性が注目されている穀粒のβ–グルカン含有率について,現地農家圃場のデータから変動要因を解析するとともに,栃木県農業試験場において施肥法による両者の制御に関する試験を行った.まず,栃木県の農家圃場で生産されたシュンライを用いて変動要因を解析した.硝子率とβ–グルカン含有率は穀粒タンパク質含有率と高い相関関係にあることから,タンパク質含有率の制御が高品質生産の鍵になると考えられた.硝子率は年次変動がみられたが,タンパク質含有率8%以下であれば,硝子率許容値である50%以下となる可能性が高まり,そのときのβ–グルカン含有率は4.4%であった.しかし,減肥栽培による低タンパク質含有率化では,収量の変動が大きく,収量安定化と低硝子率の両立は困難であると考えられた.栃木県農業試験場内の試験では,茎立期30日前と茎立期の両時期に追肥する分施体系は,全量基肥栽培に比べてβ–グルカン含有率は低下するものの,収量が向上して硝子率が低下したことから,実用的な施肥方法であると考えられた.また,目標とするタンパク質含有率に収めるための追肥の可否を茎立期30日前の茎数×SPAD値により診断できる可能性が示唆された.β–グルカン含有率を高めるといわれる出穂期10日後の追肥は,硝子率が増加して品質が低下したことから,シュンライにおいては適切な技術ではないと考えられた.

  • 磯部 勝孝, 小出 俊輔, 山崎 遼太, 川村 佳大, 肥後 昌男, 氏家 和広
    2021 年90 巻2 号 p. 206-210
    発行日: 2021/04/05
    公開日: 2021/05/20
    ジャーナル フリー

    ValleyタイプキノアのAmarilla de Maranganiを用いて,株間と条間の違いが収量に及ぼす影響を明らかにするととともにvalleyタイプキノアの子実収量と地上部の乾物生産量との関係を明らかにした.試験は日本大学生物資源科学部付属農場(神奈川県藤沢市)で2014年,2016年と2017年に行った.全ての試験区とも1 m2あたりの個体数を100個体にし,株間6.67 cm・条間15 cm,株間3.33 cm・条間30 cm,株間1.67 cm・条間60 cmに設定し,播種は8月または9月に行った.子実収量は79.7 g m–2から273.2 g m–2の範囲で,いずれの年も株間6.67 cm・条間15 cmから株間1.67 cm・条間60 cmの範囲で有意差は認められなかった.今回の試験で得られた子実収量は3月や4月に播種したNL-6の子実収量に比べて低かったが,これは生育期間の日射量の違いが一因であると考えられた.また,子実収量や粒数は開花盛期の地上部乾物重との間に有意な正の相関関係が認められた.従って,高い子実収量を得るには開花盛期までの地上部の生育を旺盛にすることが重要と考えられた.

  • 橋本 直之, 齋藤 裕樹, 山本 修平, 牧 雅康, 本間 香貴
    2021 年90 巻2 号 p. 211-221
    発行日: 2021/04/05
    公開日: 2021/05/20
    ジャーナル フリー

    農家圃場における追肥効果の確認を目的に,水稲栽培を対象にUnmanned Aerial Vehicle(UAV)空撮によって取得したマルチスペクトル画像(MS空撮画像)による葉面積変化の検出を試みた.変化検出の指標として葉面積指数(LAI)増加速度(継時観測したLAIを線形近似した際の傾き:LGR)を用いた.MS空撮画像からLAIを求める手法として過去に筆者らが提案した手法(継時的なUAV空撮時に生じうる日射条件の変動を考慮した手法)を採用し,比較のためにLAI-2200による地上計測も行った.仙台市の農事組合法人が管理する移植4圃場(ひとめぼれ2,まなむすめ1,だて正夢1),直播4圃場(ひとめぼれ4)に計72試験区を設置し,3 m四方に追肥処理(硫安,00区:0 g m–2,10区:10 g m–2,15区:15 g m–2)を行った.その結果,追肥区において穂数などが増加したが収量構成要素に有意差はほぼ見られなかった.一方,LAI-2200で計測したLAIから求めたLGRとMS空撮画像の追肥範囲中心部の画素を解析してえたLGRはいずれもひとめぼれ(移植)において施肥により有意に高くなった.また,MS空撮画像の追肥範囲中心部と範囲外(追肥範囲から2 m)の画素を解析してえたLGRの差では,移植・直播ともに追肥処理区の間には有意差があった.以上から,追肥による葉面積変化を検出する方法としてMS空撮画像の有効性が示唆された.今後は,農家圃場における圃場単位での最適施肥量の設定や,LAI成長の最適化などへの利用が期待できる.

  • 石川 哲也, 横田 修一, 平田 雅敏, 小川 春樹, 小笠原 慎一, 中村 隆三, 吉永 悟志
    2021 年90 巻2 号 p. 222-229
    発行日: 2021/04/05
    公開日: 2021/05/20
    ジャーナル フリー

    大規模稲作を展開する農業生産法人を対象に,多数の作付圃場の毎年の栽培管理や収量を「見える化」するとともに,条件による絞り込みやランクづけ,項目間の関係の図示等を通じて問題点を摘出し,改善提案を行うことを目的として,作付圃場を網羅する圃場別データセットを構築した.茨城県南地域の3法人における2019年の水稲作付圃場をすべて収集対象とした.圃場名や立地ブロック,面積などの基本情報,作付品種や栽培方法などの集計キーとなる情報,移植日や収穫日などの作業情報,肥培管理情報,防除情報を必須項目とし,追肥や防除については,実態に応じて複数回設定した.実証経営体の記録方法に応じて,営農管理システム出力のインポートや手書き日誌の転記によりデータを収集し,収量データは,各実証経営体で使用する収量コンバインおよび営農管理システムを通じて収集した.乾燥ロット別の実調製量等を圃場別に直接収集することは困難なため,乾燥調製データセットとして独立させ,籾摺・選別後の玄米重量および篩選・色彩選別による屑米重量を収集し,乾燥ロット番号を用いて参照する構造とした.収集したデータセットを用いて,全圃場数637筆の24.3%を占める横田農場のコシヒカリ155筆を対象に,推定収量が低かった33筆の要因を解析すると,圃場の立地ブロックと密接に関連する移植順序が,推定出穂期が遅い圃場での収穫日までの積算日射量の減少を通じて影響したと推察された.このように,網羅的データセットの活用により,問題点の特定と改善策の提案が可能になると判断された.

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