SiCなどの次世代パワー半導体材料は,テスラの電気自動車(EV)に採用したことで注目され,利用が急増している。それに伴い,小型化,高信頼性を実現できるエポキシ封止技術,樹脂絶縁基板技術が広がっている。最近,エポキシ樹脂の高耐熱化が進んでいる。しかしながら,エポキシ封止樹脂と基板,電極,半導体チップなどの接合,厳しい環境における接合劣化などにつて,科学的な理解が進んでいない。本解説では,銅・エポキシの接合界面に着目し,高温における銅がエポキシ樹脂にマイグレーションする原因,銅のマイグレーションが樹脂劣化・接合信頼性に与える影響,および銅のマイグレーションを防止する対策を解説する。本解説の結果は一層加速されるEV用パワー半導体のエポキシ樹脂の分野において,新たな表面処理技術や樹脂材料開発に貢献する。
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