心電図
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17 巻, 4 号
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  • 渡邉 佳彦
    1997 年 17 巻 4 号 p. 319
    発行日: 1997/07/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 土田 勝晴, 渡島 広
    1997 年 17 巻 4 号 p. 322-328
    発行日: 1997/07/25
    公開日: 2010/12/10
    ジャーナル フリー
    ヒトのインスリン非依存性糖尿病に類似した遺伝性の糖尿病モデルであるWBN/Kobラットの心室筋の電気生理学的検討及び生体心の心機能を検討した.加齢と共に高血糖状態となった19ヵ月齢のWBN/Kobラットは同月齢の対照ラットに比べ心筋収縮力は減少し, 心室筋の活動電位持続時間が延長していた.basalのL型Ca電流密度はWBN/Kobラットで対照ラットと差はなく, 一方, 一過1生外向き電流密度は減少していた.後者は活動電位持続時間延長の要因と考えられる.Ca電流のイソプロテレノールに対する増加反応はWBN/Kobラットで低下がみられ, これは細胞内情報伝達系の異常によるものではなくβ受容体数の減少によるものと考えられる.
  • 清末 達人, 汪 道武, 重松 作治, 有田 眞
    1997 年 17 巻 4 号 p. 329-334
    発行日: 1997/07/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    パッチ電極を用いた細胞全膜電位固定法にて, ストレプトゾトシン誘発慢性糖尿病ラット心室筋細胞のイオン電流を正常ラットのそれと比較した.慢性糖尿病群の心室筋細胞では, 正常群に比べて4-アミノピリジン感受性の―過性外向きを電流 (lto) の電流密度が減少しており, その不活性化ならびに不活1生化からの回復過程のキネティクスにも変化が生じていた.これらltoの変化は, 同じく糖尿病群で見られた4-アミノピリジン非感受性外向き電流の減少と共に, 糖尿病ラット心室筋細胞における著しい活動電位持続時間の延長をもたらすと考えられる.また, L型Ca電流の電流密度も正常群と比べて著しく減少していた.これは糖尿病性心筋症における心収縮力低下の一因である可能性がある.
  • 玉田 淳, 服部 裕一, 山田 陽一, 丸藤 哲, 佐久間 一郎, 北畠 顕, 菅野 盛夫
    1997 年 17 巻 4 号 p. 335-341
    発行日: 1997/07/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    糖尿病心におけるβ受容体を介する陽性変力作用の減弱の機序について解析した.実験には, 8週令雄性WistarラットにSTZを投与して糖尿病を作成した後4~6週経過したモデルを用いた.以下に, 対照群に比した糖尿病群の実験結果をあげる. (1) 左室乳頭筋標本において, β受容体刺激による陽性変力反応は顕著に減弱していた.また, 単離心室筋細胞のCa2+transientと収縮性の増加の程度も同様に減弱していた. (2) 心筋膜標品のβ受容体は, その数は約44%減少していたが, アゴニスト高親和性結合部位の比率には変化がなかった. (3) G蛋白の定量では, Gsには大きな変化はみられなかったが, Giは有意に減少していた. (4) Isoproterenol, forskolin, GppNHpおよびNaFによるアデニル酸シクラーゼ活性の増加は糖尿病心筋でも充分に保たれていた. (5) β受容体刺激による心室筋細胞のICa-L増強には, 対照群と有意な差を認めなかった. (6) β刺激による筋小胞体ホスホランバンリン酸化が障害されていた.
    以上より, 糖尿病心でのβ受容体を介する陽性変力反応の減弱は, 主に筋小胞体機能異常によることが示唆された.
  • 林 秀晴, 野田 直久, 加藤 秀樹, 佐藤 洋, 寺田 肇, 山崎 昇
    1997 年 17 巻 4 号 p. 342-347
    発行日: 1997/07/25
    公開日: 2010/12/10
    ジャーナル フリー
    streptozotocin (45mg/kg) 静注8週後の糖尿病 (DM) ラットの心室筋細胞を用いて, [Ca2+] iと細胞収縮の異常に関する検討をした.蛍光色素のfura-2により測定した静止細胞の [Ca2+] iは, DM群では53±3 (平均±SE) nMと, 対照群の75±5nMに比し有意に低値だった (p<0.01) .また, SBFIにより測定したDM群の [Na+] iは, 対照群に比し有意に低値だったが, Na+/H+交換の阻害剤であるhexamethylene amiloride (1μM) を灌流後には, 両群間で差を認めなかった.また, indo-1により測定したOa2+transientの拡張期とPeak値, および細胞周囲径の変化は, DMで低値だった (p<0.05) .DMラットの [Ca2+] i低値の機序として, Na+/H+交換活1生の低下による [Na+] i低値に基づく可能性が示唆された.また, Ca2+transientのpeak値の低下は, 筋小胞体から放出されるOa2+の減少による可能性が考えられる.以上より, 糖尿病性心筋症の発症および収縮力低下におけるCa2+代謝異常の関与が示唆された.
  • 今永 一成, 上原 明, 亀川 陽次郎, 松村 健
    1997 年 17 巻 4 号 p. 348-357
    発行日: 1997/07/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    STZ誘発糖尿病犬の摘出心筋標本において筋小胞体 (SR) 機能異常について検討した.糖尿病犬 (口M) では正常心 (N) に比べ, 等尺性単収縮の収縮高及び最大収縮速度の減少, 弛緩時間の延長がみられた.post-rest contractionの最大値は, Nではrestinterval 1分に, DMでは30秒に得られ, その大きさはNに比べ減少を示した.post-rest oontraotionのrest deoayはDMではNに比べ大きく, 低温 (20℃) , 低Na+液及びouabainによるrest deoay抑制効果は減弱を示した.rapid cooling contraotureはDMではNに比べて小さく, そのrestdeoayは大きかった.SRのryanodine受容体へのryanodine結合のKd, Bmaxは共にDMにおいてNに比べ低値を示した.
    以上のことから, DMのSRでは, Ca2+の自然漏出亢進に起因するSR内Ca2+量の減少及びryanodine受容体数の減少が示唆された.
  • 塩谷 英之, 上野 洋, 穂積 俊樹, 石田 芳彦, 鹿住 敏, 横山 光宏
    1997 年 17 巻 4 号 p. 358-360
    発行日: 1997/07/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    〈目的〉近年ミトコンドリア (Mit) 遺伝子変異に起因する心筋症の存在が指摘されつつある.一方糖尿病においてもその原因としてMit遺伝子異常が報告されつつある.そこで本研究ではMit遺伝子異常を伴う糖尿病の心病変につき検討した.
    〈方法〉対象は220例の糖尿病患者の末梢血よりPOR法にてMit DNAのtRNA-Leu (UUR) 遺伝子上3243番目の塩基でA-G変異の有無を検索し, 変異が確認された7例 (3.1%) であり, 心エコー検査, Tl心筋シンチ, 一部の例では心筋生検を施行した.
    〈結果〉心エコー検査にて7例全例に心肥大を認めた.7例中2例においては心エコー検査にて%FSの低下およびdiffuseな壁運動低下を認めた.TI心筋シンチでは7例中5例では正常像を呈したが2例では灌流欠損を認めた.心筋生検を施行した2症例では電顕では巨大なミトコンドリアを認めた.
    〈総括〉Mit異常を有する糖尿病においてはMit異常を基盤にして心肥大を呈し, 一部の例では心不全に至ることが示唆された.
  • 井上 博, 下野 真由美, 藤木 明, 朝日 寿実, 村川 裕二
    1997 年 17 巻 4 号 p. 361-366
    発行日: 1997/07/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    糖尿病例の心室再分極過程 (QT時間) の変化と自律神経機能障害との関係については不明な点が多い.ホルター心電図記録のRR間隔の周波数解析により心臓自律神経機能を評価し, RR-QT関係がどの様に修飾されるかを検討した.健常例では夜間の方が昼間に比べてQT時間は長い.しかし糖尿病例では昼夜のQT時間の変化が健常例に比べると小さい.QT時間の日内変動には, 迷走神経機能ばかりでなく交感神経機能も密接に関与している.臨床的に神経障害を合併した糖尿病例では, 健常例や神経障害非合併例に比べてQT時間は短いが, QTc時間には有意な差は見られず, 薬理学的除神経の結果と一致した.神経伝導速度の低下例では高周波成分が小さく, RR-QT関係の相関係数が小さい.糖尿病症例のQT時間を検討する場合には自律神経機能ばかりではなく, 心筋障害などの要因も考慮することが重要である.
  • 紀田 康雄, 柏木 厚典
    1997 年 17 巻 4 号 p. 367-373
    発行日: 1997/07/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    糖尿病患者には突然死する症例がしばしば見受けられ自律神経障害との関連が示唆されてきた.しかし, 死因の明らかであった症例では心筋虚血に関連した死亡が多い.半数以上は院外で急変しているため, これら突然死の成因は明らかにはされていない.多分, 自律神経障害にともなう心・呼吸停止や不整脈, 重篤な低血糖によるもの等が含まれる可能性はある.突然死が糖尿病に多い背景には高血糖以外にも様々な冠危険因子を重複し易い事, 細小血管障害や心筋症, 自律神経障害, 組織の代謝障害など糖尿病特有の病態を伴う事が挙げられる.長期間高血糖が続き, 壊疽, 腎不全, 増殖網膜症, 起立性低血圧など晩期合併症を有する例が八イリスク群と言えよう.従って, 対策には早期から血糖の良好なコントロールを継続できるような専門医による指導体制と各種合併症の定期的な評価, 予防と治療法の確立が急務である.
  • 関口 昭彦, 古瀬 彰, 小塚 裕
    1997 年 17 巻 4 号 p. 374-384
    発行日: 1997/07/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    雑種成犬を用いて心外膜側から連続的ないし経時的にHis束電位を記録する方法を実験的に研究した.ます心外膜側からマッピングを行いHis束電位の記録可能部位は, 右心房と大動脈根部との境界であるaorto-atrial grooveを中心とする領域であることを同定した.続いて安定した記録のために針電極を自家作成し, 記録可能部位の2ケ所に刺入し双極誘導で記録した.この電極刺入点は実験犬のホルマリン固定した心臓標本の刺激伝導系を剖出して検討することにより決定した.さらに従来のカテーテル電極による心腔内電位記録を対照として, 心房頻数刺激法と心房早期刺激法を行い, A-HおよびH-V時間の変化を検討することにより, 心外膜側から記録されたspike電位をHis東電位と同定した.本研究によるHis東電位記録法は, 記録部位の指標を示すことで, より普遍化され簡便な記録法として基礎的, 臨床的応用も可能と考えられた.
  • 中川 陽之, 小林 洋一, 志野原 睦, 小原 千明, 宮田 彰, 千代田 和美, 丹野 郁, 蔵野 康造, 菊嶋 修示, 馬場 隆男, 片 ...
    1997 年 17 巻 4 号 p. 385-392
    発行日: 1997/07/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    症例は51歳, 女性.繰り返す失神, 前失神発作と洞性徐脈のため入院.非観血的検査において異常は認めず, 臨床心臓電気生理学的検査では迷走神経亢進状態が診断された.失神の原因として, 自律神経的要因が考えられるため田中式自律神経機能検査, ティルト試験 (HUT: 80度受動起立, 最長30分) を施行.田中式自律神経機能検査ではβ-sensitivityの亢進, α-sensitivityの低下が認められた.HUTにおいては起立後21分15秒に再現性の認められる自律神経調節性失神 (NMS) が誘発された.更に田中式自律神経機能検査の結果から交感神経α1受容体直接刺激薬である塩酸ミドドリン併用下にHUTを施行したところNMSは認められず, 以後, 塩酸ミドドリンの経口投与により約14カ月の経過観察において失神症状の再発はみられていない.本症例は塩酸ミドドリンが有効であり, このNMSの発生機序の1つとして, 末梢血管収縮に対する交感神経α受容体感受性の低下が示唆された.
  • 1997 年 17 巻 4 号 p. 393-399
    発行日: 1997/07/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    日本心電学会「運動負荷心電図の標準化に関する委員会」では, 同学会の抗狭心症薬判定小委員会のトレッドミル試験による薬効評価基準を実際の労作狭心症例180人 (平均年齢59.9±9.2歳) について検討した.投与薬剤は各種抗狭心症薬であり, Bruce法によるトレッドミル負荷試験をおこなった.この基準は同一運動時間のST下降度と運動耐容時間を個別に判定するものである.同一運動時間のST下降度の「やや改善」以上は60.9%, 運動耐容時間の「やや改善」以上は62.2%であった.運動負荷試験による薬効評価に適した症例は, 観察期に運動誘発胸痛があり, 2mm以上のST下降があり, 運動耐容時間が6分前後の症例と考えられた.同一運動時間のST下降度と運動耐容時間による総合判定は, 改善度が高くなる傾向にあった.
  • 心電図自動診断
    安井 昭二
    1997 年 17 巻 4 号 p. 400-404
    発行日: 1997/07/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
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