心電図
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3 巻, 2 号
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  • 山田 和生
    1983 年 3 巻 2 号 p. 169-170
    発行日: 1983/03/31
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 佐藤 廣康, 橋本 敬太郎
    1983 年 3 巻 2 号 p. 171-182
    発行日: 1983/03/31
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    アシドーシスが興奮細胞に多くの変化をひきおこすことは以前から知られている。神経, その他の組織では膜の透過性や膜のイオンコンダクタンスの変化, またその不活性化過程の遅延などを起こすといわれているし、またとくに心血管系に対してはアシドーシスは心筋収縮力を低下させ、逆にアルカローシスでは増加させることが報告されている。一方, 心拍数の変化についてもアシドーシスとアルカローシスでは前者が心拍数減少, 後者が増加を起こすといわれている。その他にも興奮伝導の障害, 末梢血管拡張, カテコールアミンの反応性低下等をおこすので, 心機能を抑制し不整脈を発生させる。逆にアルカローシスは低K心電図, 末梢血管収縮, 不整脈をおこし, 骨格筋の痙攣などをおこすといわれている。
    我々はイヌとウサギの洞房結節細胞に対して細胞外液pHを変化させて, その機能的な変化, 電気生理学的な変化を洞房結節の化学受容体としての可能性を含めて考察してみたので, その概略を示すことにした。
  • 河村 剛史, 柴田 仁太郎, 和田 寿郎
    1983 年 3 巻 2 号 p. 183-190
    発行日: 1983/03/31
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    イヌとサルを用いて, 実験的左脚前枝ブロック, 次いで実験的右脚本幹ブロックを作成し, 心表面マッピングによる興奮伝播様式から比較検討した。
    左脚前枝, 中隔枝を含む広範囲の障害にて, 左室前基部心表面に興奮伝播遅延がみられた。サルではもともと同部位が早期興奮部位であり, 左脚前枝ブロックにより, 最終興奮部位となったために, 興奮伝播の方向が大きくかわり, 左軸偏位を示した。ところが, イヌでは同部位はもともと最終興奮部位であり, QRS環の終末部が左上方偏位する程度で, 右脚本幹ブロックを加えることで, QRS軸は左上方へ大きく偏位した。
    QRS軸の偏位には, 心臓全体の興奮伝播の方向性が重要で, 左脚前枝ブロックにより左軸偏位を示すには, 左脚前枝の支配領域である左室前基部が早期興奮部位である必要がある。
  • 安谷屋 均, 平岡 昌和
    1983 年 3 巻 2 号 p. 191-200
    発行日: 1983/03/31
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    摘出した家兎の右心房標本を用い, 頻拍性不整脈の発生に果す結節間伝導路の役割を検討した。結節間伝導路切断前後でアセチルコリンまたは高カリウム投与下にて期外刺激を行うと14例中11例に10拍以上続く頻拍の発生をみた。このうち切断前に頻拍の発生をみなかった11例中8例では前または後結節間伝導路の一方のみを切断することにより440±100.3beats/minの頻拍をみた。これらの標本では心房自由壁を切断してもその頻拍は停止せず, 健側伝導路の切断により頻拍は停止した。また14例中残りの3例では結節間伝導路切断前に540±158.8beats/minの頻拍がみられ, これらの標本では前または後結節間伝導路の一方のみを切断することにより頻拍は容易に停止した。これら3例では, 洞調律時に結節間伝導路の一方に軽度の伝導遅延, すなわち機能的傷害の存在が確認された。以上よりここでみられた頻拍はリエントリーにより生じ, 結節間伝導路がその回路の一部をなしていると考えられた。
  • 土肥 一郎, 鴨下 博, 竹谷 虎雄, 上田 英雄
    1983 年 3 巻 2 号 p. 201-209
    発行日: 1983/03/31
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    テンシロン10mg静注下の右または左頸動脈洞マッサージという二重刺激によって始めて顕在化する3つの主な所見, すなわち3秒以上の洞休止, 1個または連続2個の房室ブロック, 補充収縮の出現例数を調べ, その相互関係について考察した。心房ペーシング下の心腔内誘導により, 長い洞休止期中にも房室伝導障害がAHブロックの形で存在することを確かめた。また補充収縮については, 心腔内誘導でとらえた5例中4例が, いわゆるnodalではなくfascicular originであることを記録し得た。正常房室伝導路の抑制により, 副伝導路の潜在を顕在化させたものが2例あり, また洞調律と補充調律との競合を記録したものが1例あった。洞休止 (3秒以上) , 房室ブロック, 補充収縮の何れか少なくとも1つを有する人は65例中26例であり, この二重負荷は, 将来ある時期に治療を必要とする人を見出すのに有効な方法と考えた。
  • 大国 真彦, 草川 三治, 森 忠三, 早川 国男, 本田 悳, 保崎 純郎, 北田 実男, 山内 邦昭, 伊藤 昭治
    1983 年 3 巻 2 号 p. 211-214
    発行日: 1983/03/31
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    小児心電図心室肥大基準については幾つかの提案があり, 著者らも発表している。しかし最近わが国の小児の体位が著しく向上し, その結果波高値に変化を生じてきたので, 3~18歳の健康小児3136例につきIBM5880心電図記録分析システムを用いて心電図を解析し, IBM, S/370により統計解析を行った。
    70以上の項目について平均値およびパーセンタイル値を算出したが, とくに注目されたのは左側胸部誘導におけるR波高値の性差で, 12歳~18歳の若年者では男子が女子よりも高電位差をまし, 統計的に有意であった。このことは小児の心室肥大判定に当り, 性差を考慮する必要性を示すものと考えられた。
  • 粟野 直行, 大和田 憲司, 待井 一男, 刈米 重夫, 高木 雄行, 粟野 亥佐武
    1983 年 3 巻 2 号 p. 215-222
    発行日: 1983/03/31
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    二次微分傾斜計型の超伝導量子干渉計 (SQUID) を用いて, 健常者の心磁図マップを作製し, 心磁図における各波の波形を検討し, さらに, 心磁図マップより心起電力推定の可能性を検討し若干の考察を加えた。心磁図におけるQRS波は, 前胸部のほぼ中央部でR型, 左方でqR型もしくはrS型, 左上方でrSr'型, 左下方でQS型を示した。その大きさは前胸部の中央部で最大で, 遠ざかるにつれて小さくなった。P波は, 上方で下向き, 下方で上向きであった。T波は, 前胸部右方から下方において上向き, 左方で下向きであった。また, 健常者の左上方にST低下を示す例があった。QRS波の極性の分布については, 陽性領域は経時的に前胸部の右上方より中央部下方に移行した。これら経時的な磁界分布の変化は心臓の興奮伝播によるものと考えられ, 心磁図測定により, 逆に, 心起電力が推定できるものと考えられた。
  • 篠田 晋, 伊藤 明一, 長島 道夫, 鈴木 彦之
    1983 年 3 巻 2 号 p. 223-229
    発行日: 1983/03/31
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    器質的心疾患を有さず, 心電図上第1度あるいはWenckebach型第2度房室ブロックのみられた若年者27例 (男23, 女4, 年齢10~20歳, 平均16歳) を対象とし検討を加えた。PR間隔あるいは房室ブロックの程度は検査日により変化を示すことが多かった。電気生理学的検査時, 1: 1房室伝導を示した21例では, PR, AH間隔は平均232, 156msecと延長し, 房室結節の有効不応期も平均560msecと延長を示した。運動やatropine負荷試験により, 負荷前1: 1房室伝導を示した例では負荷後心拍数は増加し, PR間隔は短縮を示した。またWenckebach型房室ブロックの症例では負荷後1: 1伝導に改善し, 伝導性の悪化した症例は認められなかった。以上より, 対象とした若年者の房室ブロックの発現には迷走神経の緊張: 充進状態が関与しており, 長期追跡調査でも予後は良好と考えられた。運動やatropine負荷試験等の非観血的方法に対する反応により, 房室ブロックの予後を判定しうることが示唆された。
  • ―Pindolol錠を対照薬とする二重盲検群間比較試験―
    山田 和生, 外山 淳治, 渡辺 務, 村上 映二, 元田 憲, 伊藤 裕康, 下村 克朗, 杉本 恒明, 藤浪 隆夫, 外畑 巌, 小川 ...
    1983 年 3 巻 2 号 p. 231-250
    発行日: 1983/03/31
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    3分間に30拍以上発生する心室性期外収縮を有する患者145例を対象として, mexiletineカプセルの抗不整脈効果ならびに有用性をpindolol錠を対照薬として二重盲検群間比較法にて検討した。
    心電図 (3分間記録) を参考とした主治医の判定によるmexiletineの期外収縮に対する効果, 最終全般改善度および有用度は, いずれもpindololのそれに比べ有意に (P<0.01) 優れた成績を示した。対象患者の一部 (51例) に施行したHolter心電図の解析結果でもmexiletineは明らかに期外収縮数を抑制した (P<0.05) がpindololでは有意な抑制効果を示さなかった (P>0.5) 。発現した副作用 (両群ともに16例) は, 両群ともに食欲不振, 悪心など消化器症状が主であり, そのほか振戦, 眠気など以外に認むべき重大な副作用は発現しなかった。
    以上の結果より, mexiletineは心室性期外収縮に対してpindololに比べ有用性の高い抗不整脈薬と考えられる。
  • 河合 直樹, 岡田 充弘, 岩瀬 正嗣, 小出 正文, 大杉 茂樹, 都田 裕之, 志貴 一仁, 都築 雅人, 近藤 照夫, 横田 充弘, ...
    1983 年 3 巻 2 号 p. 251-256
    発行日: 1983/03/31
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    極めて稀な疾患である先天性右肺欠損症の1例について, 標準12誘導心電図, Frankベクトル心電図, 体表面心臓電位図および胸部心臓CT所見を比較した。CT像では右肺欠損および左肺の拡大に加え, 心臓の右上方偏位と著明な反時計回転を認めた。標準12誘導心電図では主として著明な反時計回転を認め, ベクトル心電図ではQRS環の著しい前方偏位が存在した。これらの心電図, ベクトル心電図所見はCTで認めた心臓の反時計回転の程度と概略一致するものと考えられた。体表面心臓電位図では極大と右室breakthroughの位置は正常に比し右上方に著明に偏位した。また最大極大の出現時間 (32msec) の短縮および最大極大値 (2.35mV) の増大もみられ, これらは心臓の右前胸壁への接近によるものと考えられた。心臓の反時計回転以外の右上方偏位および右前胸部への接近等の心臓の位置異常は, 標準12誘導心電図, ベクトル心電図よりも体表面心臓電位図により鋭敏に反映された。
  • 1983 年 3 巻 2 号 p. 267-273
    発行日: 1983/03/31
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 1983 年 3 巻 2 号 p. 275-298
    発行日: 1983/03/31
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 1983 年 3 巻 2 号 p. 299-320
    発行日: 1983/03/31
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
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