魚病研究
Online ISSN : 1881-7335
Print ISSN : 0388-788X
ISSN-L : 0388-788X
53 巻 , 4 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
論文
  • 田中 深貴男, 大力 圭太郎, 中島 真結理, 加藤 豪司, 坂本 崇, 佐野 元彦
    原稿種別: 論文
    2018 年 53 巻 4 号 p. 117-123
    発行日: 2018/12/15
    公開日: 2019/01/23
    ジャーナル 認証あり

     ヘルペスウイルス性造血器壊死症に耐過したキンギョの産出仔の耐病性は向上することが知られ,すでに耐病性の品種東錦系統が作出されている。本研究では,この耐病性品種を利用した交配による新たな耐病性品種の作出とその耐病性形質の遺伝について検討した。耐病性東錦と黒出目金の交配で得られたF1は,原因ウイルスcyprinid herpesvirus 2の感染試験で耐病性を示したが,出目性が消失した。ウイルス感染による耐過F1同士の交配によるF2群から,さらに出目性の感染耐過F2 同士を交配させたF3で耐病性を有する黒出目金を得ることができた。感染耐過F1と黒出目金との戻し交配群も作出した。以上の交配群の感染死亡率から,本耐病性形質はメンデル性の優性遺伝パターンをとることが示唆された。

短報
情報
  • 良永 知義, 花見 梢
    原稿種別: 情報
    2018 年 53 巻 4 号 p. 136-138
    発行日: 2018/12/15
    公開日: 2019/01/23
    ジャーナル 認証あり

    アコヤガイ赤変病は1996年に全国の真珠母貝・真珠養殖場で顕在化し,アコヤガイの大量死をもたらした。本疾病の病原体はいまだ明らかにはなっていないが,疫学的調査から,中国産アコヤガイの輸入とともに侵入したと考えられている。中国産アコヤガイと日本産アコヤガイの交雑家系を用いることにより,当初は真珠の品質の低下をもたらしたものの,本疾病の発生は大きく減少した。本疾病発生後20年の間に,真珠の生産量・生産額は激減するとともに,真珠養殖経営体数・就業者数ともに大幅に減少し,多くの雇用が失われた。生産額は2009年のリーマンショックによる価格低下に伴って半減した後,徐々に回復の傾向を示しているが,生産量の回復は見られていない。また,かつて真珠輸出国であった日本は,今日では輸入国に転換している。このように,海外から侵入した本疾病は,日本の真珠産業衰退へとつながった。

feedback
Top