魚の体表の創傷部位に取り込まれた水中懸濁微粒子の運搬機構を解明するため, 直径1μmの蛍光ビーズ懸濁液にニジマス稚魚を24時間浸漬後, 魚を流水で飼育した。その後, 20日間経時的に魚を取り上げ, 皮膚, 鰓, 脾臓および腎臓を光顕・電顕を用いて組織学的に観察した。創傷治癒初期には表皮の上皮細胞内および真皮中に認められたビーズは, 8日以後には表皮・真皮中のメラニン顆粒を有するマクロファージに取り込まれ, また, 脾臓・腎臓のメラノマクロファージセンターに認められるようになった。
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