アユにTMPとSAの合剤を経口投与したときの,アユ体内でのTMPおよびSAの吸収,排泄および残留性について試験をおこない,次の結果を得た。1.アユにTMPとSDXの合剤(1:5)を純末総和換算で30mg/kgの投与量となるように餌料のクランブルに吸着させ,1回だけ自由摂餌投与したところ,各組織中におけるTMPの最高濃度値は肝臓では2時間後に10.8mcg/g,腎臓では6時間後に4.4 mcg/g,筋肉では,2,3時間後に1.8 mcg/g,血液では1時間後に0.4 mcg/mlであった。 SDXについては各組織とも1時間後に最高濃度を示し,肝臓では2.2mcg/g,腎臓では,2.6mcg/g,筋肉では2.7 mcg/g,血液では5.8 mcg/mlであった。また,各組織中でのTMPとSDXの比率(SDX/TMP)は時間および組織ごとに異なった。2. アユにTMPとSDXの合剤(1:5)を純末総和換算で30mg/kg/dayの投与量となるように餌料のクランブルに吸着させ,1日1回10日間連続投与したところ,TMPは肝臓では24時間後,腎臓,筋肉では48時間後,血液と脾臓では6時間後には定量限界以下となった。SDXについては肝臓,腎臓,筋肉では24時間後,血液と脾臓では12時間後には定量限界以下となった。
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