頭部MRIで特徴的な液面形成(fluid-fluid level)をみとめた化膿性脳室炎の2症例を報告する.両症例とも,側脳室後角に液面形成をともなう,拡散強調像画像高信号,T
2強調画像低信号の貯留性病変をみとめた.画像所見より化膿性脳室炎と診断し,高用量メロペネムによる治療を開始した.治療開始後,画像上の異常病変は消失し,臨床症状は完全に寛解した.側脳室における液面形成をともなう貯留性病変は,他疾患では報告がなく化膿性脳室炎に特徴的といえる.化膿性脳室炎は,臨床症状が非特異的であり,診断の遅れから予後が不良になることがあるため,その特徴的な画像所見を認識し,かつ早期から適切な広域スペクトラムの抗菌薬を高用量選択することが予後改善に重要である.
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