臨床神経学
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依頼総説
  • 桑原 聡
    2024 年 64 巻 5 号 p. 321-325
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/05/24
    [早期公開] 公開日: 2024/04/20
    ジャーナル オープンアクセス HTML

    慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー(chronic inflammatory demyelinating polyradiculoneuropathy,以下CIDPと略記)は慢性免疫介在性脱髄性末梢神経障害の総称であり,中心病型は対称性に近位筋・遠位筋が障害される典型的CIDPである.概念の変遷により類縁疾患が分離された結果,典型的CIDPとvariant(遠位型,多発単ニューロパチー型など)を含んだ病型が定義された.2021年に欧州神経学会(European Federation of Neurological Society,以下EFNSと略記)と国際末梢神経学会(Peripheral Nerve Society,以下PNSと略記)による診療ガイドラインが公表された.CIDP診断は(1)典型的CIDPまたはvariantの臨床像,(2)電気生理学的な脱髄の存在,(3)除外診断によりなされる.治療の第一選択は免疫グロブリンあるいは副腎皮質ステロイドであり,さらに免疫グロブリン維持療法が推奨され,また免疫抑制薬がオプションとされた.近い将来分子標的薬が加わることが予想される.本稿ではEAN/PNSガイドラインを踏まえたCIDP診断・治療のアップデートを概説する.

総説
  • 高井 康行, 山上 明子, 石川 均
    2024 年 64 巻 5 号 p. 326-332
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/05/24
    [早期公開] 公開日: 2024/04/20
    ジャーナル オープンアクセス HTML

    Leber遺伝性視神経症(Leber’s hereditary optic atrophy,以下LHONと略記)は,若年男性に多いとされるが,小児から高齢までに発症しうる遺伝性の視神経症である.主な原因はミトコンドリア遺伝子変異で,ミトコンドリア内の電子伝達複合体Iの機能不全に関連している.急性から亜急性の視力低下を来し,片眼発症が多いが,数週間から数ヶ月で両眼性に進行する.視力の低下は著しく,多くの患者で矯正視力(0.1)以下になる.LHONは視神経炎の鑑別診断として重要であり,対光反射や蛍光眼底造影検査,MRI検査などが有用である.正確な診断と適切な治療のために,脳神経内科医と眼科医の連携が重要である.

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