日本呼吸器外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-4158
Print ISSN : 0919-0945
ISSN-L : 0919-0945
18 巻, 1 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
  • 森山 悟, 西田 勉, 富野 晴彦
    2004 年 18 巻 1 号 p. 2-6
    発行日: 2004/01/15
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    急性膿胸の治療では炎症に対する治療と同時に膿胸腔の縮小, つまり肺の再膨張が重要である.抗生剤投与および胸腔ドレナージでは改善しない急性膿胸5例に対し胸腔鏡補助下に膿胸腔の掻爬およびドレナージを行い, その治療効果を検討した.症例は男性4例, 女性1例, 年齢は52-77歳であった.術前病悩期間は3-43日 (平均16日) で, 術前には全例に抗生剤投与と胸腔ドレナージが施行された.術前胸腔ドレナージ期間は1-14日 (平均7日) であった.全例に胸腔鏡補助下にミニ開胸を併用し膿胸腔の掻爬, 洗浄, ドレナージを施行した.手術時間は平均90分, 出血量は平均2659であった.術後胸腔ドレナージ期間は8-18日 (平均11日) であった.5例とも術後経過は良好で, 術後14-27日 (平均19日) で退院となった.炎症が持続し, 隔壁発生により膿胸腔のドレナージが不良となり肺のtrappingをきたした症例に対しては, 胸腔鏡下手術が有効である.
  • 特に気管支および血管形成術併施症例の治療成績について
    前田 元, 澤端 章好, 武田 伸一, 井上 匡美, 奥村 好邦, 麻田 博輝, 早川 正宣, 太田 三徳
    2004 年 18 巻 1 号 p. 7-12
    発行日: 2004/01/15
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    1991年1月から2001年3月までにInduction therapy (IT) 後に手術を施行した肺癌症例84例の術後合併症を分析し, 特に気管支および血管形成術施行症例21例と非施行63例の治療成績について比較検討した.形成術の内容は, 気管支形成術が10例, 血管形成術が6例, 両者の併用が5例であった.「形成術群」の術後合併症は12例 (57%) にみられ, 「非形成術群」の25例 (40%) と比較してやや高率であったが, 有意差は認められなかった.手術関連死亡となったものは「形成術群」では肺炎と膿胸各1例の計2例 (9.5%), 「非形成術群」ではARDS2例と肺炎1例の計3例 (4.8%) で, 「形成術群」で若干高かったが有意差は認められなかった.術後の再発形式でも2群間に差は認められなかった.IT後であっても気管支および血管形成術は安全に行いうる考えられた.
  • 中田 昌男, 澤田 茂樹, 佐伯 英行, 栗田 啓
    2004 年 18 巻 1 号 p. 13-17
    発行日: 2004/01/15
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    標準的医療の実施と医療費削減を目的としてクリニカルパス (CP) の導入がすすんでいるが, 呼吸器外科領域では悪性腫瘍を対象としたCPはまだ普及していない.我々は肺癌に対する胸腔鏡補助下肺葉切除術のCPを作成しその有用性と安全性を検討した.2000年6月から2001年12月までに胸腔鏡補助下肺葉切除術を施行した肺癌64症例に対してCPを用いた術後管理を行った.術後在院日数はCP導入前の79例と比較して有意に短縮した.主なバリアンスは7例 (10.9%) に発生したが, 合併症はCPに関連するものはなかった.入院診療費用はCP導入前後で差はなかったが1日あたりの診療費用はやや増加する傾向にあった.胸腔鏡補助下肺葉切除術におけるCPの実施は安全であり, 入院期間の短縮, 治療の標準化に有用であると思われた.
  • 西村 秀紀, 椎名 隆之, 濱中 一敏
    2004 年 18 巻 1 号 p. 18-22
    発行日: 2004/01/15
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    7年間に血胸を伴う自然気胸 (特発性血気胸) を6例経験し, うち5例は胸腔鏡下に緊急手術を行った.年齢は19-33歳で, 全例が男性, 気胸初発例であった.胸腔ドレナージと同時に500mlを越える血性胸水の流出があり, その後手術時までの総排液量は1200-1550ml (平均1378ml) であった.4例は胸膜頂部の壁側胸膜からの持続性の出血を認め, 1例はブラ近傍に断裂した血管を認めた.胸壁からの出血は容易に止血できた.全例に肺尖部にブラを認め, 自動縫合器を用いて切除した.総出血量は1250-2550ml (平均2114ml) であったが, 全例無輸血で, 術後3-9日 (平均5日) で退院した.特発性血気胸に対する胸腔鏡下手術は安全で有用な治療法であるので, 持続性に出血あるいは胸腔内に凝血塊が遺残している場合には, できるだけ早期に実施すべきである.
  • 桜井 裕幸, 鈴木 健司, 渡辺 俊一, 浅村 尚生, 土屋 了介
    2004 年 18 巻 1 号 p. 23-27
    発行日: 2004/01/15
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    肺炎症性筋線維芽細胞腫瘍は稀な肺疾患の一つで, 以前より炎症性偽腫瘍, 形質細胞肉芽腫などの名称で知られてきた.その病理組織学的特徴は種々の慢性炎症細胞が混在した筋線維芽細胞由来の紡錘形細胞の密な増殖像である.症例は25歳, 男性.検診の胸部X線写真にて異常影を指摘され, 当院紹介となった.左舌区の約2cm大の境界明瞭な孤立性結節であった.術前確定診断には至らなかったが, 悪性腫瘍を完全に否定し得なかったため, 確定診断もかねて手術を施行した.術後の病理標本では肺炎症性筋線維芽細胞腫瘍と診断された.術後経過は良好で, 術後2年10ヵ月経過した現在, 再発を認めていない.本疾患は最近いくつかの報告によってその腫瘍性性格が主唱されている.今回, この稀な疾患の経験例を報告するとともに, 若干の文献的考察を加えた.
  • 前田 亮, 阪井 宏彰, 上林 孝豊, 中川 正嗣, 和田 洋巳
    2004 年 18 巻 1 号 p. 28-32
    発行日: 2004/01/15
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    術後早期に再発を来たしたpleomorphic carcinomaの二切除例を経験した.症例1は65歳男性.右上葉の腫瘤影に対し, エコー下針生検を施行したところ, high gradeの癌が疑われたため, 胸壁合併右上葉切除術を施行した.病理組織診断にて全体的にspindle cellを主体とした肉腫様の成分を認め, 多核のgiant cellも認めたためPleomorphiccarcinomaと診断した.pT2N0M0 (stage I B) であったが, 術後4ヵ月目に多発肝転移で再発した.症例2は46歳女性.血痰を主訴とし, 胸部レントゲン写真にて右上中肺野に巨大な腫瘤影を認めた.右上葉切除・中葉部分切除術を施行した.病理組織診断にてgianat cellの目立つ大細胞癌の像を認め, WHO分類改訂第3版に基づくpleomorphiccarcinomaと診断した.pT2N1M0 (stage II B) であったが, 術後2ヵ月目に多発脳転移で再発した.二例共に術後早期に遠隔転移を来たし, 急速に進行した.
  • 榊原 賢士, 奥脇 英人, 野村 友清, 伊藤 秀幸, 森田 敬知
    2004 年 18 巻 1 号 p. 33-37
    発行日: 2004/01/15
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    M. szulgaiの2切除例を経験した.症例1: 70歳男性.肺結核に対して右上葉切除の既往あり.1989年喀血で受診し, M. szulgai症と診断された.その後, 抗結核薬による治療をおこなっていた.右肺は, 気管支断端瘻をともなった荒蕪肺となり, 菌陰性化せず, 喀血を繰り返えすため, 右胸膜肺全摘をおこなった.症例2: 42才男性.1998年1月右上葉の異常陰影を指摘, 喀疾検査にてM.kansasiiと診断された.治療中, 排菌続き, 右上葉嚢胞内に混合感染を繰り返えすため, 右上葉切除を行った.空洞壁組織よりM. szulgaiを同定した.2例とも術後排菌なく経過良好である.
  • 佐藤 暢人, 松本 譲, 児嶋 哲文, 平口 悦郎, 小西 和哉, 村上 貴久, 加藤 紘之
    2004 年 18 巻 1 号 p. 38-42
    発行日: 2004/01/15
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    慢性腎不全患者における副甲状腺機能亢進症は, 二次性のものがほとんどである.一方, 縦隔内異所性副甲状腺腫は副甲状腺腫の約2%と比較的稀な疾患である.今回我々は透析患者に発症した縦隔内異所性副甲状腺腺腫による原発性副甲状腺機能亢進症 (1°HPT) の一例を経験したので報告する.
    症例は42歳, 男性.慢性腎不全により, 他院で血液透析を受けていたが, 血清Ca, P, intact-PTHの上昇を認めたため, 当院に紹介された.胸部CT, MRIでは前縦隔に径3cm大の腫瘤影を認め, 99mTc-MIBIシンチでは前縦隔に集積像を認めた.また, 頚部の副甲状腺の腫大は認めなかった.以上より, 縦隔内異所性副甲状腺腺腫による1°HPTと診断し, 胸腔鏡下に腫瘍摘出術を施行した.病理組織学的には副甲状腺腺腫と診断された.
    本症例のように, 慢性腎不全患者であっても高Ca血症を呈した場合, 1°HPTも念頭に入れて検査する必要があると考えられた.
  • 四方 裕夫, 上田 善道, 野口 康久, 土島 秀次, 松原 純一
    2004 年 18 巻 1 号 p. 43-48
    発行日: 2004/01/15
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    慢性腎不全による透析患者に石灰沈着が著しい血管を認める事があるが, 非透析者でも全周性管状石灰化を伴った大動脈いわゆるporcelain aortaを経験する.Porcelain aortaは硬く脆弱なため, 心臓手術や大血管手術において, 大動脈遮断など大動脈自体の手術操作が困難な場合がある.たとえocclusion balloonなどにより血流が遮断できたとしても, 血管壁が硬くて吻合が困難な場合があり, porcelain (unclampable) aortaは心臓血管外科医にとって課題となっている.今回我々は57歳, 男性の透析患者のporcelain aortaに浸潤した左上葉の大細胞癌を経験した.Porcelain aortaのため大動脈の遮断, 側遮断, 浸潤部の切除, 人工血管置換が困難で結果的に非根治の左上葉切除術となった.このため術後60Gyの放射線療法を行い, 1年8ヵ月現在, 局所再発, 胸水, 肺内転移, 骨・脳などへの遠隔転移も認めず生存中である.
  • 沖田 理貴, 中田 昌男, 佐伯 英行, 澤田 茂樹, 栗田 啓
    2004 年 18 巻 1 号 p. 49-53
    発行日: 2004/01/15
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    症例は50歳男性.器質化肺炎に対する胸腔鏡下肺生検後の経過観察中に胸部X線検査で右中肺野に異常影を認め, 精査目的で当科入院となった.胸部CT検査で右上葉の腫瘍と縦隔リンパ節腫大を認め, 右肺癌と診断し, 右上葉切除術およびND2aリンパ節郭清を行った.病理検査の結果, 上葉の腫瘍は肺腺癌であったが#3, 4縦隔リンパ節は大細胞癌と診断された.縦隔リンパ節癌の原発巣を検索するも発見できず, 肺腺癌 (pT1N0M0 stage I A) と原発不明縦隔リンパ節癌の同時性重複癌と診断した.術後23ヵ月無再発生存中である.
    本邦において肺門あるいは頚部リンパ節癌を伴わない縦隔リンパ節単独の原発不明癌は自験例を含め22例の報告があるが, 組織型の異なる原発肺癌を重複した症例は報告がない.
  • 河内 康博, 重田 匡利, 藤田 雄司, 宮下 洋
    2004 年 18 巻 1 号 p. 54-57
    発行日: 2004/01/15
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    Primary ciliary dyskinesiaの一部分症であるKartagener症候群は内臓逆位・慢性副鼻腔炎・気管支拡張症を3主徴とする比較的まれな疾患である.気管支拡張症による喀血を繰り返した1例を経験したので報告する.症例は42歳, 女性で, 29才時副鼻腔炎手術の既往あり.3年前より喀血を認め, 内臓逆位, 気管支拡張症, 慢性気管支炎の診断で薬物療法が行われた.2年前に喀血増悪し, 気管支動脈塞栓術を2回施行した.再度多量の喀血を来たし, 外科に入院した.CT検査では完全内臓逆位, 右下葉および右舌区S5の円柱状気管支拡張・気管支壁肥厚を認めた.術中気管支鏡検査で責任病変を確認し, 右肺下葉およびS5区域切除術を施行した.術後2年6ヵ月の現在喀血の再発はなく, 経過観察中である.
  • 伊藤 宏之, 乾 健二, 後藤 直樹, 坂本 和裕, 高梨 吉則
    2004 年 18 巻 1 号 p. 58-63
    発行日: 2004/01/15
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    症例は56才男性.右上葉肺癌, 胸壁浸潤の診断で, 2002年10月15日に右上葉切除+ND2a+胸壁合併切除 (第3-5肋骨部分切除) を肋横突起靱帯で行った.術後胸腔ドレーンの排液が, 漿液性淡々黄色で1日500ml以上の日が一週間以上続き, また術後6日目より頭痛・眩量・耳鳴等の症状が出現・継続したため, 髄液瘻の発生を疑った.脳槽シンチを行い確定診断を得た.胸腔内と脳脊髄腔内の圧格差が髄液痩発生の原因と考え, 気漏がないことを確認しドレーンをクランプした.胸水貯留による肺虚脱が起きないことを確認した後, クランプ後2日目にドレーンを抜去したところ, 抜去後6日目で症状は消失し, その後軽快退院した.二ヵ月後に再度脳槽シンチを行い, 髄液瘻が治癒していることを確認した.その後も特に問題なく経過観察中である.
  • 大野 喜代志, 内海 朝喜
    2004 年 18 巻 1 号 p. 64-67
    発行日: 2004/01/15
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    胸部CTで, 肺門リンパ節転移巣が心嚢内へ直接浸潤している疑いのある肺腺癌症例に対し, 切除可能性や手術術式を決定するために, 経胸腔的にビデオ心嚢鏡を試みた.近年, III B期非小細胞肺癌に対して, multimodality treatmentが実施されてきていることから, 心嚢内大血管への浸潤を疑う, 肺門部巨大腫瘍の病期決定にも, ビデオ心嚢鏡は有用な診断法であると考えられる.
  • 似鳥 純一, 吉田 純司, 萩原 優, 船井 和仁, 塩野 知志, 高持 一矢, 西村 光世, 永井 完治
    2004 年 18 巻 1 号 p. 68-71
    発行日: 2004/01/15
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    症例は凝固系, 循環器系に異常のない57歳男性.検診にて左上肺野に異常陰影を指摘され当院を受診.肺癌にて左肺上葉切除, リンパ節郭清を施行した.術後第4病日に突然の腹痛が出現.精査の結果, 上腸間膜動脈血栓塞栓症と診断した.緊急開腹術で, 上腸間膜動脈血栓を除去し, 開腹術後21病日に軽快退院した.極めて稀な肺癌術後合併症を経験したので報告する.
  • 元石 充, 藤本 利夫, 岡崎 強, 松倉 規, 塙 健, 山下 直己, 桑原 正喜, 松原 義人
    2004 年 18 巻 1 号 p. 72-76
    発行日: 2004/01/15
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    症例は69歳男性.2001年6月の人間ドックで胸部レントゲン上異常陰影を指摘され, 骨髄腫の疑いにて当院内科紹介となった.骨髄穿刺では形質細胞の増加は認められなかったがIgGの上昇がみられ骨髄腫と診断した.以後受診されなかったが2002年7月人間ドックで再び異常を指摘され受診てした.腫瘍の増大, IgGの上昇が認められ入院となった.MP療法 (melphalan, prednisolone), 放射線治療を行うも腫瘍の縮小を認めず, 外科的切除を行った.孤立性形質細胞腫は比較的稀な疾患であり, 本邦報告例を含め, 若干の文献的考察を加えて報告する.
  • 四方 裕夫, 上田 善道, 中積 泰人, 土島 秀次, 佐川 元保, 佐久間 勉, 渡邊 洋宇, 松原 純一, Yasuhisa Noguc ...
    2004 年 18 巻 1 号 p. 77-82
    発行日: 2004/01/15
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    症例は53歳, 男性.1998年2月, 前医で胸腔鏡下の肺生検で, 非特異性間質性肺炎II群と診断.ステロイド加療中に胃癌が指摘され, 1999年9月胃全摘術を受けた.2001年3月, 左肺上葉の異常陰影の気管支鏡下生検で悪性と判明した.腹部手術後の通過障害や腸閉塞など3回の手術を繰り返していたため手術を望まず.2001年10月当院消化器外科での腸閉塞症の加療の際に再度胸部異常陰影指摘.陰影の急速な増大を認めたため, 今回手術を希望した.2001年11月7日右肺上葉切除+ND2a (pT2N1M0, Stage II B) を施行した.切除組織より通常型間質性肺炎と診断した.術後経過は良好で問質性肺炎の増悪もなく退院した.血清KL-6とSP-Dを指標として経過観察中, 食欲低下のため消化器外科へ入院.肺癌の肝転移と判明, 動注療法と化学療法を行った.次第に呼吸困難が増悪し, 2002年10月11日死亡した.間質性肺炎に胃癌と肺癌が発症した興味ある症例を経験した.
  • 桝屋 大輝, 中野 淳, 後藤 正司, 中島 尊, 岡本 卓, 劉 大革, 亀山 耕太郎, 石川 真也, 山本 恭通, 黄 政龍, 横見瀬 ...
    2004 年 18 巻 1 号 p. 83-86
    発行日: 2004/01/15
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    症例は28歳, 男性.職場健診で胸部異常陰影を指摘された.近医で気管支鏡下肺生検を行うも診断確定には至らず, 精査加療目的で当科紹介入院となった.胸部CT検査では1t.B8aと1t.B8bの間の領域に長径12mm大の腫瘤陰影を認めた.画像上肺過誤腫を疑ったが肺癌も否定できず手術を施行した.腫瘤の位置から部分切除が困難で, 核出術を行った.迅速病理で粘表皮癌と診断され, 引き続き左肺下葉切除術 (ND1) を施行した.本症例は画像所見から肺過誤腫と鑑別を要した点と, 粘表皮癌でも稀な末梢発生であった点で興味ある症例と考え報告した.
feedback
Top