1. ミカンコミバエ
Dacus dorsalis HENDELの幼虫のとび出しは,20, 25°Cの恒暗,恒明では周期性はみられなかったが,12L:12Dでは暗→明の頃にピークがみられた。そして,6L:18Dでは暗期中,18L:6Dでは明期中にとび出す個体が多かった。
2. 明暗周期(25°C, 12L:12D)の後に恒暗に保つと,ほぼ24時間の周期でとび出しリズムが持続されたが,恒明では消滅した。
3. 20°Cと25°Cの温度周期を与えると,恒暗,恒明共に高温(低温)期の長さに関係なく,温度の低下後2時間以内にとび出しが集中した。高温期が長いほど集中度が高くなった。
4. 温度周期(25°C:20°C,各12時間)を与えた後に20°Cに移すと,約24時間周期のとび出しリズムが持続されたが,25°Cではみられず,とび出しが抑制される傾向があった。
5. 温度と日長が1月下旬の自然条件下では,暗→明の刺激に反応するのに必要な暗期の長さは5∼7時間であった。25°C, 12L:12Dでは,10時間の暗期が必要であった。
6. あらかじめ温度周期(25°C:20°C,各12時間)を与えた後に,高温期のいろいろな時刻に20°Cに移すと,幼虫のとび出しが誘発されたが,高温期の1時間目以前では,温度低下後ピークの出現までに1∼2時間が必要であった。
7. 恒暗条件下で温度周期(25°C:20°C,各12時間)を与え,いろいろな時刻に暗→明の刺激を与えると,低温期には反応がみられたが,高温期にはみられなかった。
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