日本応用動物昆虫学会誌
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23 巻, 1 号
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  • II 被害許容密度の推定
    小嶋 昭雄, 江村 一雄
    1979 年23 巻1 号 p. 1-10
    発行日: 1979/02/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    1. イネクビボソハムシ幼虫の加害がイネの生育および収量にあたえる影響を,人為的に加害幼虫数を調節した圃場で調査し,加害と被害の量的関係と被害許容密度を検討した。
    2. ある程度以上の加害を受けたイネは,無加害のイネより生育が遅延し,葉数,茎数が少なくなった。
    3. 強く加害されると穂数が減少して減収した。穂数の減少は分けつの抑制ではなく,すでに発生している分けつの枯死と推定した。
    4. 減収の要因として登熟の低下も考えられたが,これは,常に働く要因ではないと思われた。
    5. 加害終了後にイネが被害を回復できるのは,加害量が少なかった場合で,加害量が多くなると被害は回復できなかった。
    6. 減収率(Y)は,加害最盛期の株当り3-4令幼虫数(X1)とは,Y=-22.24+26.07logX1,同じ時期の被害葉率(X2)とはY=-20.22+0.39X2の一次式で予想することができると思われた。
    7. この式から,減収を引きおこす下限の加害幼虫数は3-4令幼虫数で株当り7頭,被害葉率では50%程度であった。この式の95%信頼限界を求め,その下限値をとると,前者では3.5頭,後者では20%と推定された。
  • 大兼 善三郎, 滝田 泰章, 内藤 篤
    1979 年23 巻1 号 p. 11-16
    発行日: 1979/02/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    水稲におけるツマグロヨコバイの吸汁部位を,稲体各部に残された食痕の分布状態から調査した。これらの調査は栃木県においてポット試験およびほ場試験の両面から行われた。その結果次のことがわかった。
    1. ツマグロヨコバイの発育段階別吸汁部位は,若齢幼虫は稲体下部であったが,発育が進むにつれて漸次上位に移行した。また吸汁部位は非集中的であった。
    2. 稲の生育段階別にみると,吸汁部位は生育後期になるほど上位に多くなる傾向がみられた。
    3. 若齢幼虫の食痕は葉鞘に,中齢以上の幼虫および成虫の食痕は葉身に多かったが,穂ではいずれも少なかった。穂においては枝梗・穂軸に多少食痕が認められる程度で,籾にはほとんどなかった。
    4. 以上のことから,一般にいわれているような穂への直接加害による減収はほとんどないと考えられた。また加害が稲の特定部位に集中しないことが,ツマグロヨコバイによる減収がそれほど顕著に現れない原因と考えた。
  • 梅谷 献二, 宮田 保
    1979 年23 巻1 号 p. 17-21
    発行日: 1979/02/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    アメリカシロヒトリの雄成虫の前翅にみられる斑紋の出現要因について実験的に追求した。
    蛹期における日長と温度の2条件の組み合わせでは,低温・短日が斑紋の発現をもたらし,高温・長日は逆に無斑紋の出現をうながすことがわかった。この場合,温度条件は日長条件よりも支配的であるが,両要因が拮抗的に働らくことも認められた。
    幼虫期の日長または休眠の有無と斑紋の出現との関連性については,蛹期を低温に置いた場合に斑紋数の増減に影響を与える現象が明らかに認められた。
    野外における本種の斑紋の季節的多型については,結果的に温度要因のみでも説明は可能である。
  • 野口 浩
    1979 年23 巻1 号 p. 22-27
    発行日: 1979/02/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    チャハマキ性フェロモンの生物検定を,連続照明下25°Cから20°Cに温度を下げる処理のみによる簡易な方法(全明下温度処理法)で,鋭敏,再現性のある方法を確立した。また,従来行なわれている夜行性鱗翅目昆虫の生物検定法(日周期法,全明法,全明-暗処理法)と比較検討した。
    1. 雄成虫の反応性を高めるためには,いずれの方法でも羽化後5日以上の経過が必要であった。
    2. 14時間明-10時間暗の日周期法では,暗期6時間に生物検定が可能であるが,暗黒下で操作する必要があった。
    3. 全明法での生物検定は,感度が不充分であった。
    4. 全明-暗処理法では,暗期4時間に高い反応活性があったが,暗黒下で操作する必要があり,また,暗処理時間内に雄の反応活性が変動した。
    5. 全明下温度処理法は,明るいところで操作ができる上に,雄の反応活性が高く,また,長時間安定した反応活性が得られた。
  • 雌蛹体液中にみられる性フェロモン活性
    林屋 慶三, 北尾 元一, 山崎 敦子, 熊澤 誠人, 岡田 裕伸, 西田 順
    1979 年23 巻1 号 p. 28-32
    発行日: 1979/02/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    1. カイコ雌蛹体液中に性フェロモン活性が見出だされた。この活性は体液をアルカリ処理してのち,エーテル抽出した場合にエーテル抽出液中に認められた。体液を直接エーテル抽出した場合には認められなかった。
    2. この性フェロモン活性を示した物質は体液中ではタンパク質と結合し不活性な形で存在しているものと考えられる。
    3. 生物検定法で全蛹期にわたってこの物質の消長を追求した結果,古くより性フェロモンの生産,分泌器官と考えられてきた側胞体にボンビコールが蓄積される以前に,すでに体液中にこの物質が蓄積されている。したがって,体液中より化蛾直前に側胞体へ移行し,そこで活性なボンビコールとなると考えられる。
  • 浅野 昌司, 亀井 正治
    1979 年23 巻1 号 p. 33-38
    発行日: 1979/02/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    ナミハダニの卵,幼虫,若虫および成虫に対するcycloprateの生理活性をインゲン葉を用いた室内試験で調べた。
    ナミハダニの卵期間は4.9日で,卵から成虫までの期間は10.5日であった。雌雄間での発育の差はほとんどないが,卵期間は雄の方が長く,幼虫から成虫までの期間は逆に雌の方が長い傾向がみられた。
    卵に対するcycloprateの生理活性は,ふ化阻害の他にふ化直後の幼虫致死にもみられた。また,発育後期の卵に対しては活性が低かった。幼・若虫に対しては,いずれも活動期に対する致死作用はないが,静止期あるいは静止期からの脱皮途中や直後に致死がみられ,発育に伴う阻害作用のあることがわかった。成虫に対しては高濃度で致死作用がみられたものの,その作用は高くなかった。しかし,産下卵のふ化が著しく阻害された。その作用の一部は,成虫に対する直接の不妊作用によることがわかったが,それは一時的なもので後に回復し,大半は葉面に残留する薬剤に産下卵が接触したことによるふ化阻害にもとづくものであった。
    室内試験の結果から,cycloprateの野外におけるナミハダニの密度抑制効果は,成虫に対する致死活性は低く,主に,卵に対するふ化阻害と幼・若虫に対する発育阻害による所が大きく,中でも卵に対する活性が最も大きく関与していると推察された。
  • 小山 健二
    1979 年23 巻1 号 p. 39-40
    発行日: 1979/02/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
  • 杉本 渥
    1979 年23 巻1 号 p. 40-42
    発行日: 1979/02/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    It has been observed in the laboratory that melon flies emit a smoke while producing a high-pitched buzzing sound at dusk. This smoke has a faint smell of burning.
  • 一戸 文彦, 仲宗根 早苗
    1979 年23 巻1 号 p. 42-43
    発行日: 1979/02/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
  • 山田 偉雄
    1979 年23 巻1 号 p. 43-45
    発行日: 1979/02/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
  • 伊藤 高明, 広瀬 忠爾
    1979 年23 巻1 号 p. 46-48
    発行日: 1979/02/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
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