日本応用動物昆虫学会誌
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43 巻, 3 号
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  • 植松 秀男, 山下 勉
    1999 年 43 巻 3 号 p. 113-121
    発行日: 1999/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    慣行防除されている農家のアブラナ科作物圃場を中心にコナガの幼虫と蛹,およびそれらの寄生蜂の発生状況を調べた.寄生蜂は7種が認められたが,Cotesia plutellae(コマユバチ),Oomyzus sokolowskii(ヒメコバチ),Diadromus subtilicornis(ヒメバチ)の3種が優占種であった.コマユバチは春∼夏,および秋∼冬の両作期に安定して認められたが,ヒメバチは春∼夏作で,また,ヒメコバチは秋∼冬作で多く認められた.殺虫剤が全く散布がされていないか散布回数がきわめて少ない圃場(月当たり0.5回未満)では,コマユバチでは70%内外,ヒメコバチでは50∼60%,ヒメバチでは40%以上の寄生率が観察された.BT剤は寄生蜂にほとんど影響しなかったが,有機リン系,合成ピレスロイド系,およびメソミルなどの殺虫剤が月1∼4回散布された圃場では寄生蜂の発生量は著しく低かった.
  • 孫 緒艮, 天野 洋
    1999 年 43 巻 3 号 p. 123-127
    発行日: 1999/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    寄主を異とするトドマツノハダニの各個体群の寄生性と個体群間の生殖親和性を研究し,以下の結果を得た:
    1. トドマツノハダニの針葉樹個体群と広葉樹個体群をそれぞれ広葉樹と針葉樹に接種して寄生性を調べた結果,相互に異なるグループの飼育植物上では生育が悪く,繁殖も困難であることから,生殖的隔離の存在が示唆された.
    2. クリ類を寄主とする中国泰山産個体群と日本松戸産個体群との間には交配に際する雌雄認知に何らかの支障が認められ,F1世代の性比は雄に偏った.
    3. 広葉樹個体群間の交配における組合せは,雌の産卵数には大きな影響は与えなかった.
  • 森下 正彦, 高藤 晃雄
    1999 年 43 巻 3 号 p. 129-134
    発行日: 1999/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    和歌山県中部地域のエンドウ-スイカ作付栽培圃場とその畦畔植生において,カンザワハダニの発生調査を行った.スイカは6∼7月に収穫した後は茎葉が枯れ上がり,夏期にはカンザワハダニは圃場内で認められなくなったが,畦畔植生のクサギでは密度はきわめて低いものの発生し,8月にエンドウが播種されるとクサギからエンドウに移動した.その後,発生密度が徐々に高くなり,11∼12月に発生ピークとなった.一方,クサギ上の個体は,クサギが落葉すると下草のカラスノエンドウ(一部はアケビ)に移動し越冬した.スイカが3月下旬に定植されると,カラスノエンドウからスイカに移動した.休耕圃場周辺のクサギにおいても4∼12月に継続して発生したことから,クサギにおける発生には圃場からの移動が必ずしも関与していないと考えられた.カンザワハダニは圃場で薬剤淘汰を受けても,畦畔植生上の薬剤淘汰を受けていない感受性個体群との交雑があるために薬剤感受性が高く保たれていると考えられた.
  • 上野 高敏, 平井 一男
    1999 年 43 巻 3 号 p. 135-137
    発行日: 1999/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    There is no information on parasitoids that attack larvae and pupae of the oriental corn borer Ostrinia furnacalis (OCB) in Japan. Larval and pupal parasitism of OCB infesting sweet corn was investigated in a field at Tsukuba, central Japan. Three larval and one pupal parasitoid species parasitized 31.0% and 2.9% of OCB larvae and pupae, respectively. The gregarious Braconid parasitoid Macrocentrus grandii was abundant and parasitized 15.7% of OCB larvae. The solitary Ichneumonid Temelucha sp. nr japonica was newly recorded as a major parasitoid (7.8%) of OCB larvae.
  • 昆野 安彦
    1999 年 43 巻 3 号 p. 137-138
    発行日: 1999/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    The insecticides susceptibility of adults of the water strider, Gerris latiabdominis, was studied. The water strider is quite susceptible to insecticides and the LD50 values of organophosphates, carbamates, pyrethroids, nereistoxins, and neonicotinoids ranged from 0.24 to 31.6μg/g. The LD50 values for fenitrothion, BPMC and PHC were low compared to those for several Hemipteran insect pests of rice paddy.
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