日本応用動物昆虫学会誌
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4 巻 , 2 号
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  • 内藤 篤
    1960 年 4 巻 2 号 p. 77-82
    発行日: 1960/06/30
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    関東地方におけるマメシンクイガの生態,特に発生消長および被害について,1955∼1959年,関東東山農試(埼玉県鴻巣市)において調査を行なった。
    第1化期の羽化は7月中旬から始まるが,誘ガ燈への飛来は8月上・中旬に最盛期が見られ,8月下旬∼9月上旬には終息した。第2化期は9月中旬∼10月上旬で,9月下旬に最盛期があった。
    産卵数の消長は成虫の発生消長と時期的に大体一致し1化期は8月中旬,2化期は9月下旬∼10月上旬に最盛期があった。幼虫数の消長はこれより遅れて1化期は8月下旬,2化期は10月中旬∼11月上旬にそれぞれ最盛期があった。しかし2化期の幼虫数は,1化期に比べてはるかに少なかった。これは気温の低下や晩生ダイズの稔実不良などによる環境抵抗が2化期においてより大きいためと考えられる。
    野外から得られた1化期5齢幼虫について2化するものの割合を時期的に調査すると,8月上旬では多いが漸次少なくなり,9月中旬以後では全部幼虫のまま越冬にはいった。本種は東北以北では年1世代であるが,関東以南では2世代を営むものがあり,暖地では2化するものが多いと思われる。
    本種の被害はダイズの開花結実期と発生時期に深い関連があり,当地方では極早生種は回避されて被害がきわめて少ないが,早生,中生種は1化期の発生時期にあたり,被害が最も多い。晩生,極晩生種は2化期の加害を受けるが被害はそれほど大きくない。
  • 小林 尚
    1960 年 4 巻 2 号 p. 83-95
    発行日: 1960/06/30
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    So far as I am aware, the Genus Eysarcoris of the Family Pentatomidae is represented in Japan by six species which are, except for two rather rare species, well known pests very injurious to the rice plant, the soy bean and other various cultivated crops. It is considerably related to the genera, Carbula and Rubiconia, in which four species are known in Japan. Among these ten species, the larval stages of Rubiconia intermedia (WOLFF), Eysarcoris guttiger (THUNBERG) and Carbula humerigera UHLER have already been reported by the author (1951, 1953, 1956), but Carbula crassiventris (DALLAS), Rubiconia sp. and Eysarcoris melanocephalus (FABRICIUS) have not been studied yet. The developmental stages of four other species of the Genus Eysarcoris, E. parvus UHLER, E. lewisi (SCOTT), E. ventralis (WESTWOOD) and E. fallax BREDDIN, together with their ecological notes, are described in this paper.
    The diagnoses of the Genus Eysarcoris
    Egg: Short elliptical, light brown, with three dark rings, of which one is on operculum and two are on the side wall. Chorion white, with conspicuous large reticulations which is furnished with stout spines. Micropylar projections white, comparatively long, clavate, somewhat curved interiorly. Egg-burster mostly light brown except brownish central portion, well-chitinized T-shaped, of which the axis is not tapering inferiorly, the arms are tapering laterally, and membranous appendages are entirely translucent. Egg-mass ordinarily consisting of about 4∼14 eggs, arranged in two rows or sometimes in one row.
    Larvae: Stigmata placed each interior to connexivum of abdominal segments from second to seventh. Body rather elliptical in the 1st instar, rather ovoid in the 2nd to 4th, and elliptical, considerably angled at the humeral portion in the 5th instar. Body above sparsely furnished with short hairs, impunctate in the 1st and punctate in the 2nd to 5th instars. Median lobe longer than lateral lobes except the 5th instar of E. parvus UHLER in which it is about as long as lateral lobes. Lateral lobes without clear projections anterior to eyes, antero-lateral portion quite evenly arched in the 1st instar, subtruncate in the 2nd and 3rd, and truncate in the 4th and 5th instars. Posterior angle of pronotum nearly adjacent to the anterior angle of mesonotum. Thorax serrated laterally in the 2nd to 5th instars. Abdominal dorsal plate of the anterior odoriferous gland orifices wider than the plate of the median orifices in the 1st and 2nd instars, while the former is as wide as or narrower than the latter in the 3rd to 5th instars. The dorsal plates on the 1st and 2nd abdominal segments distinct in the 1st to 4th instars except E. lewisi (SCOTT) in which they are absent or indistinct in the 3rd and 4th, and absent in the 5th instar.
    Key to the species of the Genus Eysarcoris
    1 (6) Egg with two rather clear dark rings on the side wall. In the larvae except the 1st or the 1st and 2nd instars, the ground colour of abdomen nearly white or light brownish, each with a row of rather indistinct, small sparsely punctate yellowish white spots and a rather wide, obscure, densely punctate, greenish, brownish or reddish longitudinal streak somewhat interior to connexiva.
    2 (5) Egg about 0.9∼1.0mm in length, with micropylar projections which are about 32∼35 in number. In the 2nd to 5th instars, punctures on the body massive, a metallic luster indistinct (E. parvus) or partially faint (E. lewisi). Posterior angle of pronotum considerably developed and pronotum nearly as wide as mesonotum in the 5th instar.
    3 (4) Egg about 0.9mm in length, with micropylar projections which are about 35 in number. In the 3rd to 5th instars, lateral margin of pronotum whitish except the posterior portion, mesonotum with a pair of white spots.
  • 津川 力, 山田 雅輝
    1960 年 4 巻 2 号 p. 96-101
    発行日: 1960/06/30
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    1958年,室内飼育によるモモシンクイガ幼虫と,ほ場より採集したものとについて頭幅を測定し,これから齢期の判定を行なうと同時に,成長する割合や変異について考察した。
    1) 頭幅測定の結果,室内飼育では1化期,2化期ともに変異曲線が独立した4つの山を形成し,4齢を経過することがわかった。
    2) ほ場より任意に採集した幼虫についても,室内飼育のものとほぼ同様な結果を得た。
    3) 1化期における頭幅の成長比は齢の進行につれて減少する傾向を示すが,2化期では2, 3齢間の成長比が最も大きかった。
    4) 22±1°Cの定温器で飼育した1化期幼虫は,果実内で約15日間を経過し,21±2°Cで飼育した2化期幼虫では約17日を要した。
    5) DYAR, GAINES & CAMPBELLおよび徳永の式をそれぞれ適用して幼虫頭幅の成長を吟味した結果,1化期,2化期ともにGAINES & CAMPBELLの式が最も適合度の高いことがわかった。
  • 平田 貞雄
    1960 年 4 巻 2 号 p. 102-110
    発行日: 1960/06/30
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    ヨトウガの幼虫を7種の植物,アカザ,キャベツ,タイナ,ハクサイ,ハツカダイコン,ホウレンソウ,およびバレイショの葉で,容器あたり1頭と10頭との2密度区を設けて,25°C,常暗の恒温器内で飼育し,形質変異の発現に対する密度の働きが食草によってどのように左右されるかをみた。幼虫期とよう期との調査では次の諸点が明らかになった。
    1) 幼虫期の発育速度に対する集合の影響は食草によって左右され,集合が発育を促進するように働く場合(アカザ,キャベツ,タイナ,ハクサイ,ハツカダイコン,ホウレンソウ)と,逆に遅延するように働く場合(バレイショ)とがある。
    2) 幼虫体色はどの食草でも集合により暗色化するが,その程度は食草によっていくぶん異なる。またそのような集合の影響は発育に長時間を要するような食草の場合におけるほど顕著のようである。
    3) 幼虫期の死亡率はどの食草でも集合によって高くなるが,単独の場合に対する相対的な死亡率は,多くの個体を死亡させるような食草におけるほど低い。よう化個体の性比からみれば,幼虫期の集合による死亡は雄よりも雌のほうが多いようである。さなぎ期間に死亡する個体はほとんどない。
    4) さなぎ体重は幼虫期の食草のいかんにかかわらず集合によって軽くなるが,その程度は食草によって一様ではない。概して,幼虫期の発育所要日数が多いか,もしくは集合区の発育をかえって遅延させるような食草では,そうでない食草でよりも集合によるさなぎ体重軽減の度が弱いようである。
    5) さなぎの休眠率は幼虫期の食草の種類によってかなり左右され,休眠さなぎを全く生じない場合(アカザ)から,40%前後生ずる場合(ハツカダイコン,ホウレンソウ)まである。幼虫期密度との関係についてはあまりはっきりしなかったが,いちおう,それは食草によって一様ではなく,集合により休眠率が高くなる場合と逆に低くなる場合とがあるようにみられた。
  • 高橋 保雄
    1960 年 4 巻 2 号 p. 111-114_1
    発行日: 1960/06/30
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    家蚕幼虫角皮の凍結切片を作成して光学顕微鏡で観察したところ,孔管がめいりょうに認められた。孔管は角皮の中央部付近で分岐し,樹枝状を呈している(図版,1)。角皮の内部における分岐前の孔管は2∼4μの太さであり(図版,2A),中央部ないし外部における分岐後のそれは1∼2μになり(図版,2B, C),そしてそれらは角皮表面の小突起に連なっているようである。
    普通に染色したパラフィン切片を光学顕微鏡で観察すると,表角皮と外角皮とを識別することが比較的困難であるが,無染色の凍結切片を位相差顕微鏡で観察すると,両者を明確に区別することができる(図版,3)。なお,無染色のパラフィン切片を位相差顕微鏡で観察しても,ある程度表角皮を識別することができるが,めいりょうではない(図版,4)。
  • 笹本 馨
    1960 年 4 巻 2 号 p. 115-118
    発行日: 1960/06/30
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    窒素施用量の異なるポットに水稲を栽培し,水稲茎に対するニカメイチュウ幼虫の選択行動を調べた。各区水稲茎が窒素施用量の多少によって影響を受けていることは,幼虫の飼育結果から明らかである。
    窒素施用量の異なる水稲茎葉を幼虫に選択させたところ,幼虫は常に多窒素区に多く食入した。また水稲茎のアルコール抽出物に関する実験でも,幼虫は多窒素区を選好した。以上より窒素肥料は,すでに明らかにされている栄養上の関係だけでなく,幼虫の選択行動に関与する物質の生成にも関係を持つものと考えられる。またアルコール抽出物を含有するろ紙上の食こんからみて,多窒素区水稲茎は少窒素区に比べて摂食促進作用を持つ物質を多量に含む可能性も考えられる。
  • 西尾 美明
    1960 年 4 巻 2 号 p. 119-122
    発行日: 1960/06/30
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    The writer and his co-worker (1959) described the larva of chrysomelid-beetle attacking the root of rice plant under a scientific name of Donacia simplex FABICIUS.
    Recently Dr. Michio Chûjô kindly suggested me that the scientific name the writer adopted was misused and the correct one should be Plateumaris sericea LINNÉ.
    The 8th abdominal segment of the female of Plateumaris sericea LINNÉ is very hard, dark brown and shows peculiar form. The tergite tongue-like, somewhat smaller than sternite. The sternite shovel-like and the terminal sharply pointed.
    It seems that the 8th abdominal segment of the female has a special usage in oviposition and the oviposition-habit of the species differs remarkably from that of other groups.
  • 三浦 義彰, 伊東 広雄, 重松 昭世
    1960 年 4 巻 2 号 p. 123-126
    発行日: 1960/06/30
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    1) 5齢の第1日から第7日までのカイコを使って,in vivoで後部絹糸せんの核酸およびタンパク質への32P, 14C-グリシンなどの標識化合物の取り込みを調べた。実験方法としてミクロオートラジオグラフが用いられた。
    2) DNAはこの期間中合成されない。RNAは第2日ごろに合成が最も盛んであり,またタンパクの合成は3日以降急激に盛んになり,6日,7日ごろが最盛期である。このようにRNAとタンパク質の合成期がずれていることは,RNAとタンパク質は同時合成の必要がないということになろう。
    3) 32Pと14C-グリシンとでは,RNAへの取り込まれ方が異なっていて,2日ごろ32Pが細胞質の絹糸せん外周部のRNAに多く取り込まれているのに,14C-グリシンは核内のRNAにのみしかはいらない。また,RN-ase処理後のいわゆるコーアの部分のRNAには,32Pも14C-グリシンもはいり込まない。核内のタンパク質への14C-グリシンのはいり方は,どちらかといえば絹糸せんの内周部に多い。
  • 三橋 淳, 深谷 昌次
    1960 年 4 巻 2 号 p. 127-134_2
    発行日: 1960/06/30
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    ニカメイチュウ脳の神経分泌細胞は中央,側方および後方の3群からなり,中央群は更に染色性の異なるA, B 2種の細胞からなる。アラタ体は数個の巨大な分泌細胞と輸郭の不めいりょうな小細胞からなり,いんこう(咽喉)側神経球と密着して一体をなし,その境界は判然としない。
    休眠の覚せい(醒)に伴い,脳の神経分泌細胞ではB細胞だけが顕著な変化を示した。すなわち,休眠中のB細胞では細胞質が一様に充実しているが,休眠覚せいとともに次第に空胞がみられるようになり,よう(蛹)化ま近かのものでは巨大な空胞がみられるに至った。この空胞のみられる状態は分泌物を放出している活動的な時期と考えられる。また,アラタ体の分泌細胞ではB細胞とは逆に,休眠中に巨大な空胞がみられたが,休眠覚せいとともに空胞は消滅し,よう化前には巨大な空胞は全くみられなくなった。
    アラタ体いんこう側神経球の複合体は休眠中は大きいが,休眠の覚せいにつれて小さくなり,よう化前約18日で最小となり,その後再び大きくなることがわかった。
    以上の結果から,アラタ体は休眠期中高い活性を維持しているが,休眠の覚せいに伴って次第に不活性になることが推察される。また,脳のB細胞の活性がアラタ体の活性と密接に関係していることは注目すべきことである。
  • 草野 忠治
    1960 年 4 巻 2 号 p. 135-136
    発行日: 1960/06/30
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
  • 青木 淳一
    1960 年 4 巻 2 号 p. 136-137
    発行日: 1960/06/30
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
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