日本応用動物昆虫学会誌
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30 巻 , 2 号
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  • 西垣 定治郎, 安井 耕史, 牧野 信之, 山崎 明
    1986 年 30 巻 2 号 p. 81-86
    発行日: 1986/05/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    1) 静岡県島田市の茶園内に発生したナガチャコガネ成虫の季節的消長を誘殺灯飛来成虫数により調べた。結果は,6月10日前後をピークとする5月下旬から6月下旬までの1山型の発生を示した。
    2) 誘殺灯で採集された雌成虫の比率は全個体数の0.1%と非常に低かった。
    3) その原因を明らかにするため,圃場網室内で雌雄の成虫の飛翔実験を行った。その結果,夕刻飛翔した成虫のほとんどすべてが雄であり,雌は飛翔しないことが判明した。
    4) さらに,室内でつり下げ飛翔装置を用い,強制的に飛翔を行わせたが,その場合も,35.1%という雄の飛翔率にくらべ,雌のそれは0.7%ときわめて低い値にとどまった。
    5) 以上の結果から,本種の雌成虫は飛翔習性をほとんど持たないことを結論し,そのことが本種の発生形態,分布の拡大,防除手段にどのような影響を及ぼすかを考察した。
  • 河野 義明
    1986 年 30 巻 2 号 p. 87-92
    発行日: 1986/05/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    ニジュウヤホシテントウ成虫の卵巣発育を調節する光周条件について次のような結果を得た。
    1) 臨界日長は13時間50分で,明期15時間以上ではすべての個体で卵巣が発育し,13時間以下の短日で卵巣発育が抑制された。明期が極端に短い条件(0∼2時間)では卵巣が発育する個体も現われた。
    2) 産卵開始後の成虫は短日日長のなかでも明期の長さにより反応率が異なり,12L-12Dにおいて最も高率で卵巣発育が抑えられた。
    3) 暗期中断実験から,暗期終了前9∼8時間と暗期開始後8∼10時間とに光感受性の点があり,これにより暗期の長さが測定され卵巣発育が調節されると考えられる。
    4) 24時間以外の光周期に対しても明瞭な光周反応を示し,この昆虫がこれらの周期(16∼28時間)に同調しながら卵巣発育を調節していると考えられる。このことは,24時間より短い周期において産卵前期間が短縮することからも支持された。ただし,12時間周期の光周期には同調せず,24時間周期として反応すると考えられる。
  • 瀬戸口 脩, 中川 耕人, 小林 正弘
    1986 年 30 巻 2 号 p. 93-98
    発行日: 1986/05/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    サツマイモの主要な食葉性害虫であるナカジロシタバ,エビガラスズメ,イモキバガの摂食量を摂食されたサツマイモ葉身部の乾物重で測定し,摂食葉面積を推定した。実験は20, 25, 30°C, 16時間日長区と25°C 8時間日長区を設定し,25°C 16時間日長区のみ各齢期ごとの摂食量を,他の区は最終齢期の摂食量を測定した。
    ナカジロシタバ幼虫(6齢経過虫)の1頭当り平均摂食量は25°C下で約654mg,葉面積では約170cm2と推定され,最終齢期で総摂食量の約83%を摂食した。摂食量は日長には影響をうけなかったが,20°C下で摂食量が多くなる傾向がみられた。
    エビガラスズメ幼虫(5齢経過虫)の1頭当り平均摂食量は25°C下で約5g,葉面積では約1,300cm2と推定され,最終齢期で総摂食量の約88%を摂食した。摂食におよぼす日長の影響はみられなかったが,30°Cの高温下では摂食量が多かった。
    イモキバガ幼虫(4齢経過虫)の1頭当り平均摂食量は25°C長日条件下で約28mg,葉面積では約7cm2と推定され,最終齢期で総摂食量の約61%を摂食した。摂食量は温度や日長によって影響をうけなかった。
  • 秋葉 芳男
    1986 年 30 巻 2 号 p. 99-105
    発行日: 1986/05/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    カイコおよびアメリカシロヒトリの終齢幼虫の体内におけるBacillus thuringiensisの消長を調べた。幼虫がB. thuringiensisを摂食したのちも生存する場合には体内におけるB. thuringiensisの増殖は見られず,糞とともに急速に排泄された。一方,B. thuringiensisを摂食して斃死した幼虫の体内では発芽したB. thuringiensisは15∼66倍に増殖して,芽胞を再形成した。しかし腸内細菌の密度の高い晩秋蚕期のカイコあるいは第3世代のアメリカシロヒトリの斃死体内ではB. thuringiensisの発芽後の増殖および芽胞の再形成が抑制されると考えられる結果が得られた。自然環境において昆虫の斃死体はB. thuringiensisの増殖の場となりうるが,そのためには競合微生物の少ないことが不可欠と考えられる。
  • 守屋 成一, 志賀 正和
    1986 年 30 巻 2 号 p. 106-110
    発行日: 1986/05/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    1) 茨城県土浦市郊外の丘陵林地で1978∼1979年冬季より7年間にわたりチャバネアオカメムシ成虫の越冬状態を調査した。
    2) 林床の落葉両手10つかみを調査単位とし,ハンド・ソーティングにより落葉中より越冬成虫を分離した。
    3) 越冬地の方位,林内の状態の差による越冬個体数の差は明確でなく,調査単位当たり個体数の分布集中度,Iδも1に近い値を示した。また,林内で場所的に顕著な越冬個体の分布の偏りも認められなかった。
    4) 越冬中の本種に特有な越冬色を呈した死体が落葉中より発見されていないので,越冬期間中の死亡率は低いものと見なされた。
    5) 越冬密度は年次変動が大きく,調査期間中,調査単位当たりの平均値で40倍以上の変動幅を示した。
    6) 越冬密度の上昇に対して越冬後個体群密度(指標として茨城県筑波郡谷田部町のクワへの飛来個体数および予察灯への誘殺数を用いた)の増加は頭打ち傾向にあると考えられた。
  • 安藤 喜一
    1986 年 30 巻 2 号 p. 111-116
    発行日: 1986/05/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    青森県弘前市で,1976年ごろからマメコガネの発生量が増加している。ブドウに飛来した成虫を毎朝捕獲して,発生消長を調査した結果,1山型であった。初発日は6月30日±2.1日(7年間の平均±S.D.)であった。50%捕獲日の4年間の平均は7月21日,終息日は8月17日であった。飛翔活動は降雨によって著しく阻害された。雄の発生消長のパターンは雌と異ならないが,寄生植物上では雄が雌よりも多かった。弘前におけるマメコガネの多発生の最大の要因は,芝生や草地の増加と考えられる。
  • 松井 正春
    1986 年 30 巻 2 号 p. 117-122
    発行日: 1986/05/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    シロイチモジマダラメイガの光周反応を明らかにするために,埼玉県鴻巣市で採集した個体群について,ダイズを主材とした人工飼料およびダイズ莢を飼料として飼育し,以下の知見を得た。
    1) 卵期から光周処理をした場合,20°Cにおける臨界日長は約13.75時間であり,8L-16Dから13L-11Dの間ではほとんどの個体が休眠し,6L-18D以下の日長ではしだいに休眠率が低下した。25°Cにおける臨界日長は約13.5時間であった。12L-12Dおよび13L-11Dでは休眠率が高く,これより短日側では休眠率がしだいに低下した。30°Cでは12L-12Dあるいは13L-11Dでも休眠率は低かった。
    2) 本種は,卵期にも光周感受性を有し,25°Cで卵期だけ長日処理(16L-8D)した場合,ほとんどの個体が非休眠となった。卵期の後半(眼点期以降)に最も強い光周感受性がみられた。20°Cにおいて卵期だけを長日処理(16L-8D)し,幼虫期を11.5L-12.5Dから13L-11Dの間で飼育した場合に100%の休眠率を示した。しかし,幼虫期を14L-10D以上および11L-13D以下の光周期で飼育した場合に休眠率は低下した。
    3) 幼虫の各齢期のはじめに連続3日長日処理(16L-8D,25°C)を行い,その他は短日条件で飼育した場合,1齢から4齢までにはかなり強い光周感受性がみられたが,老熟幼虫では低下した。
    4) 野外条件では,8月下旬頃に産下された世代から休眠個体が現われた。この時期の野外の日長(30分の薄明薄暮を加えた)は,14時間弱から13.5時間弱であり,室内実験により得た本種の臨界日長とほぼ一致していた。
    5) 野外条件下においた越冬幼虫は,11月に12L-12D, 25°C条件に移しても発育抑制を強く受け休眠状態にあったが,1月および2月に移した個体では休眠覚醒率が高く,3月には休眠はほぼ完全に覚醒していた。
  • 古田 公人, 茅 洪新
    1986 年 30 巻 2 号 p. 123-128
    発行日: 1986/05/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    A. areolatusはモミジニタイケアブラムシの第1世代と第3世代に主として寄生し,春に2世代経過する。モミジニタイケアブラムシはカエデのみに周年寄生するが,その間,有翅虫が出現し,好適な生息空間の多い樹上で増殖する。有翅虫が産仔を始めると寄生蜂も後を追ってあらわれ,寄生する。こうしてアブラムシとマミーも高密度となる。第2世代マミー数は第1世代マミー数とアブラムシ数によって決まっており,アブラムシ密度の上昇につれて多くなる。しかし,アブラムシ密度が低く,寄生蜂密度が高くともアブラムシに対するマミーの割合は0.4をこえない。寄生をまぬがれた個体は越夏型1齢幼虫を産下する。
  • 浦辺 研一, 池本 孝哉, 武井 伸一, 会田 忠次郎
    1986 年 30 巻 2 号 p. 129-135
    発行日: 1986/05/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    1978年と1980年の6月から7月にかけて,埼玉県大宮市郊外の水田に生息するアキアカネ幼虫とシナハマダラカ幼虫について,捕食者-被捕食者関係の野外調査を行った。
    アキアカネ幼虫は,6月上旬には5∼9齢幼虫になり,7月上旬までに10齢(終齢)を経てすべて羽化した。6月上旬における生息密度は高く,調査したA水田(920m2)では約5万匹,B水田(1,000m2)では約3万匹と推定された。シナハマダラカ幼虫密度は,アキアカネ幼虫密度が減少した6月下旬頃から増加した。またA水田内における両者の場所的な分布には重なり合わない傾向が認められた。
    水田より捕獲したアキアカネ幼虫の腸管内容物について,血清学的方法によりシナハマダラカ幼虫体成分の検出を試みたところ,陽性反応を示し,実際の水田における捕食関係が確認された。その割合(捕食率)は6月上旬には低く(0∼2.7%),6月20日前後に最も高まる(33.3∼56.5%)傾向がみられた。
    アキアカネ幼虫によって捕食されたシナハマダラカ幼虫の割合(被捕食率)は,6月上旬から中旬にかけて90∼100%の値も推定され,シナハマダラカの発生初期におけるアキアカネ幼虫の捕食者としての役割は大きいと思われた。
  • 秋山 正行, 松本 和馬
    1986 年 30 巻 2 号 p. 136-141
    発行日: 1986/05/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    マツアワフキAphrophora flavipesの幼虫期の生態を,東京大学演習林田無試験地(東京都田無市)に植栽された6年生のアカマツ12本,クロマツ13本で1984年に調査した。幼虫は4月末から5月末にかけて孵化し,孵化開始後約60日で最初の成虫が出現した。幼虫の頭盾幅を測定したところ,齢間で重なりが見られたが,体格も同時に考慮すると5齢期を区別できた。幼虫の作る泡は新梢と1年枝に限って見られ,前者ではとくに基部に初期の幼虫が,後者では末端部に後期の幼虫が多く存在した。一つの泡にしばしば複数の幼虫が潜み,平均値は終始1より有意に大きく,幼虫には集合する傾向があった。枝階別の垂直分布を調べると,6月に入ってから大きな変化があり,幼虫が枝から枝へ移動していることが示唆された。枝階に基づいて層化して求めた枝1本あたりの平均密度は5月21・22日頃にピークに達し,アカマツで7.8匹,クロマツで6.7匹であった。RICHARDS-WALOFF法によって求めた枝1本あたりの孵化個体数は,アカマツで10.5(木1本あたりでは290匹),クロマツで14.0(木1本あたり328匹)であった。1日あたり生存率はアカマツで0.990,クロマツで0.970と比較的高かった。調査木上に見いだされた捕食性昆虫は泡の中に侵入せず,捕食例は確認できなかった。
  • 野里 和雄
    1986 年 30 巻 2 号 p. 142-143
    発行日: 1986/05/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
  • 斉藤 一三, 金山 彰宏, 佐藤 英毅, 緒方 一喜
    1986 年 30 巻 2 号 p. 144-146
    発行日: 1986/05/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    The fauna and distributions of the blackflies in Tokyo Metropolis were investigated by collecting the early stages of flies at 22 sites in winter seasons of 1983 and 1984. A total number of 1, 036 larvae and 79 pupae belonging to 2 genera and 9 species was collected at 14 sites, which are located exclusively in highlands of the western part of Tokyo Metropolis. Simulium (odagmia) iwatense was newly recorded from Metropolis. Predominant species was S. (Simulium) japonicum (44%) followed by S. (Eusimulium) uchidai (43%) and S. (Gnus) bidentatum (7%).
  • 大串 龍一
    1986 年 30 巻 2 号 p. 147-149
    発行日: 1986/05/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
  • 鷲塚 靖, 日巻 茂美, 楠美 明男
    1986 年 30 巻 2 号 p. 150-152
    発行日: 1986/05/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    昆虫類58種(台湾産15種,日本産43種),土壌動物,小動物17種(台湾産8種,日本産8種,台湾・日本産1種)に含まれるカリウム,カルシウム,マグネシウム,ナトリウムの含量について調査した。その結果,4元素の含量と分布は昆虫の食性や系統分類学上における顕著な有意差がみられず,土壌動物,小動物のそれらについても同様な結果になった。また,これらの4元素の生態系における移動と分布はリン,窒素のそれらと著しく異なっていた。
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