日本応用動物昆虫学会誌
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5 巻 , 2 号
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  • 青木 淳一
    1961 年 5 巻 2 号 p. 81-91
    発行日: 1961/06/30
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    土じょうの成熟の観点から,また土じょうタイプの指標動物として注目すべき腐植食性のササラダニ類(Oribatei)が,植生のみを異にする土じょう中においてどのように分布を異にするかをみるために,東京都下北多摩郡国立町において,相隣接したクヌギ林とアカマツ林を選んで1959年4月より1年間調査を行なった。その結果,クヌギ林より2165頭(30種),アカマツ林より1709頭(21種)のササラダニを得た。アカマツ林においては,見いだされた種類のほとんどがクヌギ林との共通種であるのに比べ,クヌギ林においては多くの固有な種を有していた。また優勢種および恆常種の観点から,各林の主体となる種類を検討した場合にも違いが見られた。概してクヌギ林のほうがアカマツ林よりもササラダニ相が量的にも質的にも豊富であり,このことは腐植の量的・質的な差,更にあわせて調査して判明した土じょうの容重,団粒構造などの物理的性質の違いによって説明される可能性が濃い。季節的な変化をみた場合には,両林ともに春および冬はある水準を維持し,夏に減少し秋に増加することがわかった。特に秋期の増加はクヌギ林において激しく,年間におけるダニ総量がアカマツ林よりも多いのも,これに起因すると思われる。
  • 宮本 セツ
    1961 年 5 巻 2 号 p. 92-97
    発行日: 1961/06/30
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    Flower-visiting habits of 6 species of the genus Megachile were examined during from April to October in 1952-1959. Two common species, M. tsurugensis and M. nipponica, have 2 or 3 generations a year. These bees have already developed ovaries at the time of emergence, and make flower-visiting in the complete form of request (request type A or B). The flowers of Leguminosae and Compositae were visited predominantly by M. tsurugensis and M. nipponica. Moreover, both species preferred such flowers as follows: Trifolium repens, Astragalus sinicus, Vicia unijuga, Lespedeza cyrtobotrya, Cirsium japonica, Aster sp., Erigeron annuus. The tube renting habits of M. tsurugensis and M. nipponica seem to be favorable for practical use as pollinators, because it is possible to protect and multiply these bees by means of artificial providing of their nesting sites.
  • 内藤 篤
    1961 年 5 巻 2 号 p. 98-102
    発行日: 1961/06/30
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    シロイチモジマダラメイガを卵から成虫に至るまで20°,25°,30°Cの定温の下にシャーレ内において単独飼育し,各ステージの発育速度や成虫の生存日数を調査するとともに,休眠性の有無についても実験を行なった。
    発育零点は卵期で13.9°C,幼虫期で雌14.93°C,雄15.06°C,よう期で同じく14.97°C,14.56°Cであり,また有効積算温度はそれぞれ67.9日度,168.1,166.5日度,135.7,147.1日度であった。りんし目こん虫の中では,発育零点はかなり高いほうの部類に入り,1世代に要する有効積算温度は低いほうに属する。このことは本種が暖地性で多発型であることを裏書きしていると思われる。
    本種は関東地方では大体年3世代,四国,東海近畿地方では4世代を営む。これは積算温度から理論的に求めた発生回数とほぼ一致している。
    低温短日の条件下で飼育したものにはよう化しないものが多かった。しかしこの幼虫はのちに加温加湿すると比較的短い期間内によう化した。
    平均25.5°Cの室温で成虫を飼育したところ生存期間は13日内外で雌雄間に差はなかった。しかし水分や蜂みつを与えないでおいたものは25°Cで9.5日,30°Cで5.7日内外で雄は雌より短命であった。
  • 江口 正治
    1961 年 5 巻 2 号 p. 103-108
    発行日: 1961/06/30
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    油蚕と正常蚕ならびにまだら油蚕を用い,種々の塩基性色素および酸性色素により生体染色を行なうとともに,パラフィンに包理した材料について組織学的な観察を行なった結果,次のようなことを知ることができた。
    1. 数種の塩基性色素をまだら油蚕に注射あるいは添食すると,有賀のNeutral redおよびNile blueの結果と同様,まだら油蚕の皮膚の正常細胞は濃染したが,油蚕性細胞はほとんど染まらず,また絹糸腺,マルピギー管などもまだら状に染色された。しかし酸性色素の注射および添食によっては皮膚はほとんど着色せず,その他の外はい葉起原の器官は一様に着色し,正常細胞と油蚕性細胞との染色性の差はなかった。
    2. Pyronine-Methyl green染色によると正常細胞と油蚕性細胞の核酸には大きな差は認められなかった。
    3. 固定切片を染色した場合は生体染色の場合と異なり,Neutral redおよびNile blueによって油蚕,正常蚕ともに真皮,絹糸腺,マルピギー管などの各細胞はよく染まった。ただまだら油蚕の真皮では油蚕性細胞のほうが染色度が大きいように見えた。すなわち生体の場合と固定材料の場合では塩基性色素による染色性が異なっていた。
    4. 油蚕と正常蚕の真皮細胞についてパラフィン切片による組織学的観察を行なった結果,油蚕性細胞には空胞の見られるものが多く,細胞質が粗であるのに,正常細胞では空胞がほとんど存在せず,細胞質がよりちみつであるように見えた。
    5. 透過性に関係があると考えられているPhcsphataseの作用は油蚕細胞と正常細胞との間に差が認められなかった。
    6. 以上の実験結果を考え合わせると,真皮細胞における尿酸塩や色素の吸着保持についての正常細胞と油蚕性細胞との差には,細胞質たんぱくの荷電や性状の違いが関係しているようであるが,細胞の核酸やPhcsphataseは関係していないように思われる。
  • 於保 信彦, 安田 壮平, 深谷 昌次
    1961 年 5 巻 2 号 p. 109-113
    発行日: 1961/06/30
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    ニカメイチュウおよびサンカメイチュウの体液と黄きょう病菌分生胞子発芽管の伸長速度との関係は点滴法と体内注入法を用いて調査した。その結果,両種ともその蛹化期が近づくにつれて黄きょう病菌の発芽管の伸長速度は大となり,3月頃から有意的に伸びるが,それは精細胞の形状の変化より早めに現われた。
    越冬幼虫の体重と黄きょう病菌の発芽管長の関係を点滴法を用いて調査した結果,ニカメイチュウでは体重と黄きょう病菌分生胞子の発芽管長は正比例し,精細胞および精巣の長径とも平行的な関係を示すことが認められた。サンカメイチュウでも同様の傾向が認められたが,ニカメイチュウとは逆に体重の小さいものほど発芽管の伸長速度は大きかったが,発芽管長と精細胞長径との間には平行的な関係が示された。
    ニカメイチュウ1化期では高令になるにしたがって発芽管の伸長速度は早くなり,令が進むにつれてその体液は,黄きょう病菌分生胞子の発芽管伸長に都合のよいように変化することが認められた。各種硬化病菌を用いた結果でも黄きょう病菌と同様の傾向を示したが,黄きょう病菌を用いての調査は,いろいろの点で容易なことがわかった。
    以上の結果から,蛹化前期の硬化病菌による高いり病率は温湿度の影響のほかに,メイチュウ自体の体液の変化による抵抗性の低下にも関係があるのではないかとの示唆を得た。したがって幼虫の体液と黄きょう病菌分生胞子の発芽管伸長速度との関係を累年観察するならば,これらの成績をもとにして,ニカメイチュウおよびサンカメイチュウの発生量を予察するという可能性も生ずるわけである。
  • 小林 淳二, 平松 寛
    1961 年 5 巻 2 号 p. 114-121
    発行日: 1961/06/30
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    ほ場群を対象としてみた場合のニカメイチュウ被害の分布実態を知るため,1957∼8年には予察燈を中心とする半径300mの円周内水田,1959年には和歌山県日高川下流平野1500ha,1960年には紀の川下流紀伊地区において,ニカメイチュウ第1化期被害盛期(7月中旬),第1化期末期(8月中旬)および第2化期幼虫分散後(10月中旬)の被害株,被害茎または幼虫数を調査した。
    1) 第1化期被害盛期においては第2化期の場合ほど場所間における密度差は著しくないが,広い地域を対象として見るときは数百haという大きな場所を単位として被害株率で6∼9倍の密度差が認められた。1959年の調査では概して平坦広遠地に少なく,傾斜地など地形の複雑なところに多い。
    2) 第1化期末期においてはパラチオン剤の散布と環境抵抗により著しく密度は低下するが,パラチオンの2回散布も第1化期被害盛期の密度差を破壞するほど強力に働かない場合が多い。
    3) 第2化期においては必ずしも第1化期末期の密度差がそのまま再現されないで,この時期独特の分布が見られ,毎年定まった場所に集中塊状化した分布が示された。
  • 大島 格
    1961 年 5 巻 2 号 p. 122-133
    発行日: 1961/06/30
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    Experiments of the above title are done by middle rotations of the homogenizer, which rotates a little more than 26 r.p.m. and mixes moths twice per rotation by the action of agitation vane inserted at 45 degree to the base of a drum. As the number of an unit group, 600 and 200 moths are adopted in accordance with the ordinary custom of egg producers. Results are as follows.
    1. After rotation of the homogenizer for only five seconds, the distribution of almost all groups of diseased moths becomes already binomial or normal.
    2. As the rotation time of the homogenizer becomes longer and longer, the distribution of diseased moths tends more and more to fit the normal formula than the binomial, and in some cases, it takes PEARSON'S II-type distribution curve or in other cases, even if rare, more than halves of the number of experiments centre to the position of population mean value p, though their mode deviate slightly to right or left side of the position p'.
    3. The effect of homogenizing action of this machine seems to be not seriously influenced by the percentage of diseased moths.
    4. Interaction-test, comparing p & p' and q & q' or by SNEDECOR'S R×2 method using population variance, pq, shows in all cases the uniformity of variance, after rotated samples for five seconds or more.
    5. Inspections using confidence interval p±3√pq/ and p±2√pq/ show equivalence in all former cases and in latter cases, when the time of rotation becomes fifteen seconds or longer. POISSON distribution inspection using x2-test also proves to be equivalent in all cases of experiments.
    6. Abstraction of the required number of moths to be inspected can be easily done from any part of their unit group by picking out at a sampling and the number of sampling units, fifty, may not necessarily be needed, if the homgenizer is previously used.
    7. If the high rotatory speed is used, the required time of rotation can be reduced to half, however in order to exclude fine scales of moths, infected with spores of pébrine, by the electric fan, the rotation time for thirty seconds may be desirable.
  • 竹沢 秀夫
    1961 年 5 巻 2 号 p. 134-140
    発行日: 1961/06/30
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    トビイロウンカ卵の越冬機構を明らかにする研究の一環として,秋期における産卵時期の早晩と卵態越冬との関係について調査した。結果を摘記すれば次のとおりである。
    1) 秋末期における産卵時期の早晩と越冬卵の出現との間にはきわめて密接な関連があり,野外の自然温下で秋期おそく産下されたものほど越冬卵が多い。
    2) 越冬胚子の発育期は秋期における産卵時期の早晩によって左右され,晩期産下卵ほど黄はん期での越冬卵が多くなり,越冬卵率も高かった。これらの結果から越冬胚子の発育期は黄はん期であると考えられる。
    3) 越冬期間中における生存卵率ならびにふ化可能卵率の変動を調査した結果,生存卵率は1月下旬から4月上旬にわたる期間中著しい変化が見られなかった。しかし,ふ化可能卵率は1月下旬以降次第に減少し,翌春気温の上昇に伴い越冬卵が発育を再開してからのち急に低下する傾向を示した。
  • 有賀 久雄, 吉武 成美, 渡部 仁, 福原 敏彦, 長島 栄一, 河合 孝
    1961 年 5 巻 2 号 p. 141-144
    発行日: 1961/06/30
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    1) 数種りんし目こん虫を用いて,カイコの多角体病誘発に効果のある種々の理化学的処理を行ない,多角体病の誘発を試みたが,その大部分において誘発が認められなかった。このようなカイコと野外こん虫における誘発効果に差異を生ずる原因については,潜在ウイルスの有無,潜在ウイルスの活性化の難易などが考えられる。
    2) カイコの細胞質多角体病ウイルスはヒマサン幼虫にも高率ではないが伝染することを明らかにした。この場合ヒマサン中腸細胞に形成された多角体は小形で不せい形を呈するが,これはカイコとヒマサンの中腸細胞中の生化学物質に相違があるためと考えられる。
    3) アメリカシロヒトリの核多角体には4角形と3角形のものがあるが,それぞれ別種のウイルスによって形成されると考えられる。この2種多角体を同時に添食すると,供試虫のすべてが混合感染するが,3角形多角体を添食したのちに4角形多角体を添食すると,3角形多角体のみが形成された個体が多かった。これはさきに侵入したウイルスがあとから接種されたウイルスの侵入増殖を妨げるためであろう。4角形多角体添食ののちに3角形多角体を添食した場合には,このような干渉現象はほとんど認められなかった。おそらく4角形多角体ウイルスが3角形多角体ウイルスよりもvirulenceが弱く,干渉する程度が低かったためであろう。
  • 橋本 康, 菅原 寛夫
    1961 年 5 巻 2 号 p. 145-150
    発行日: 1961/06/30
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    淡水魚モツゴとヒメダカの農薬微量定量用供試生物としての適性を検討した。まずその感受性を調べるため,各種農薬を作用させたところ,両種とも有機塩素剤の多くとその他数種の農薬に特に敏感であることが明らかになった。また有機リン剤に中毒した魚のなかには腹部が屈曲し,その屈曲した部分に内出血の認められる個体が多数観察され,抗生物質に中毒した魚は興奮,けいれん状態を経過せずに死んでゆくなど,薬剤の種類により特異的に反応することも認められた。よって,これらの特徴を利用して次のような微量定量を試みた。すなわち
    (1) モツゴを用いてPCPの水中における分解過程を追跡し,この分解の要因を調べた。
    (2) 同じくモツゴによってカキとカンランに散布したエンドリンの残留試験を行ない,その分解過程を調べた。
    (3) ヒメダカとミジンコのパラチオンに対する感受性の差を利用して,パラチオンにより汚濁していると考えられた池の水を検定した。
    これらの試験はいずれも良好な結果を得たので,両種とも供試生物として使用できる可能性が高いと判断された。
  • シャーマン マーチン, 早川 充
    1961 年 5 巻 2 号 p. 151-153
    発行日: 1961/06/30
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    センチニクバエおよびアズキゾウムシに対する炭酸ガスの麻酔効果および毒性を試験した。
    炭酸ガス露出時間が長いほど両種こん虫のそ生に要する時間は長くなった。ニクバエにおいては羽化後6∼8日のものは2∼4日のものより麻酔された時間が長くなるがアズキゾウムシでは羽化後3日まで差がなかった。
    ニクバエに対し70分以内の露出は無毒であるが180分になると毒作用を示し特に老令虫区では約60%の死亡率を示した。一方アズキゾウムシに対しては180分露出でも炭酸ガスは無毒であった。
  • 大串 竜一
    1961 年 5 巻 2 号 p. 154-155
    発行日: 1961/06/30
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
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