砥粒加工学会誌
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49 巻, 8 号
AUG.
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論文
  • 谷 泰弘, 関根 洋和, 柴田 順二, 上村 康幸
    2005 年 49 巻 8 号 p. 441-444
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/08/11
    ジャーナル フリー
    目づまりを生じやすい工作物の固定砥粒研磨を可能にするために, その非粘着性に注目してフッ素樹脂を結合剤とする砥石の開発を試みた. しかし, フェノール樹脂や三フッ化塩化エチレン樹脂粉末を用いて乾式成形法で製作した砥石では目づまりを抑制することができなかった. また, 四フッ化エチレン樹脂で砥石を乾式成形した結果, 結合度が弱く加工に用いることができなかった. そこで, 四フッ化エチレン樹脂の砥石の結合度を高めるために, 四フッ化エチレン樹脂のフィブリル化に注目し, 結合剤に乳化重合四フッ化エチレン樹脂を用い, 成形条件を最適化した結果, 加工に使用できる結合度をもつ砥石の開発に成功した. この砥石を用いることで, 目づまりを抑え, シリコンウェーハの連続加工が可能になった. また, この砥石の結合度を高めるためには, 結合剤率を増加させ, 成形圧力を高めることが効果的であることが判明した.
  • 谷 泰弘, 高 鉉采, 上村 康幸
    2005 年 49 巻 8 号 p. 445-449
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/08/11
    ジャーナル フリー
    高仕上げ面粗さが得られるレジンボンド砥石の特徴と目づまりしにくいというビトリファイド砥石の特徴をあわせもつ, 樹脂のコーティング膜をもつ砥粒を低融点ガラスで結合したハイブリッドボンドの砥石の開発を行った. その結果, ハイブリッドの効果を出すためには低融点ガラスの焼成温度では溶融しない樹脂をコーティング剤として使用することが必要であることが明確となり, このハイブリッドボンドの砥石では目づまりを生じることなくシリコンウェーハの加工が可能で, 研削比は多少低下するものの, 仕上げ面粗さが向上することがわかった. また, 超微細砥粒もここで提案している方法により樹脂で結合した凝集砥粒を作製することで, 砥粒径に対応する仕上げ面粗さを得ることが可能になることを明らかにした.
  • 臼杵 年, 佐藤 公紀, 田中 千秋
    2005 年 49 巻 8 号 p. 450-455
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/08/11
    ジャーナル フリー
    本研究では, 工具摩耗を左右する重要な情報である工具刃先温度の測定を非導電性材料の切削時にも行える方法を提案し, その有用性を工具-被削材間熱電対法と比較して検証した. その結果以下の結論を得た. 本研究で提案する工具間熱電対法で測定した工具刃先内平均温度は, 工具間の接触面積を小さくしていけば, 工具-被削材間熱電対法で測定される工具-被削材間接触面平均温度 (切削温度) に近い値が測定され, また本実験の範囲では, そのペアリングの熱伝導率の良い方の工具で単独測定された切削温度に近づいていく. 工具間接触面積は, 0.125mm2で刃先温度を把握するには十分な信頼性があり, 切削中の外乱ノイズも入りにくい. また接触面積を変化させた測定データから外挿により工具-被削材間接触面平均温度を推定することも可能である. また非導電性材料として, 木材2種, アクリル樹脂, マシナブルセラミックス切削時の工具刃先内平均温度を測定した.
  • ―AEセンサを用いた制御システムの開発―
    由井 明紀, 奥山 繁樹, 北嶋 孝之
    2005 年 49 巻 8 号 p. 456-460
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/08/11
    ジャーナル フリー
    平面研削加工における非加工時間の占める割合は高く, その短縮が望まれている. 非加工時間の中には, トラバース研削におけるテーブルオーバーランが含まれ, 加工時間短縮の妨げになっている. 一般に, 平面研削盤のテーブルは油圧シリンダにより駆動され, ストローク長さの制御は行われていないため, 工作物の形状によっては不必要なオーバーランが発生する. これを解消するために, 砥石と工作物が干渉している間はテーブルが一方向に進むが離れるとすぐに進行方向が反転する制御システムを開発した. 砥石と工作物の干渉の有無は, 加工中に研削点より発生するAE信号レベルの変化により検知した. 本システムを汎用のNC平面研削盤に搭載して, 各種形状の工作物の研削加工テストを行い, 加工時間を22~38%短縮できることを明らかにした.
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