本研究では, 工具摩耗を左右する重要な情報である工具刃先温度の測定を非導電性材料の切削時にも行える方法を提案し, その有用性を工具-被削材間熱電対法と比較して検証した. その結果以下の結論を得た. 本研究で提案する工具間熱電対法で測定した工具刃先内平均温度は, 工具間の接触面積を小さくしていけば, 工具-被削材間熱電対法で測定される工具-被削材間接触面平均温度 (切削温度) に近い値が測定され, また本実験の範囲では, そのペアリングの熱伝導率の良い方の工具で単独測定された切削温度に近づいていく. 工具間接触面積は, 0.125mm
2で刃先温度を把握するには十分な信頼性があり, 切削中の外乱ノイズも入りにくい. また接触面積を変化させた測定データから外挿により工具-被削材間接触面平均温度を推定することも可能である. また非導電性材料として, 木材2種, アクリル樹脂, マシナブルセラミックス切削時の工具刃先内平均温度を測定した.
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