現在, 金属材料の表面性状の改善, とくにメッキ法を含む諸工程においては, 発生する廃液の処理が地球環境保護の立場より問題となってきており, 近い将来その改善策が求められることは必至である. 本研究では, 金属材料のメッキ前処理およびメッキ工程において環境を配慮したドライブラスト加工法の適用を提案するものであり, まずマルテンサイト系ステンレス鋼 (SUS420J2) の表面性状の改善を行った. 前報においては, 噴射加工条件 (噴射圧力, 噴射量, 噴射時間, 噴射材質, 噴射材粒子径, 噴射角度) と加工表面粗さおよび光沢度の関係について明らかにした. 本報告では, それらの結果をもとにメッキ加工時における密着性を評価するために, 噴射条件が加工表面ぬれ性に及ぼす影響を実験的に検討した. その結果, カバレージの相違がぬれ性に対して大きな影響を与えることが明らかになった.
抄録全体を表示