砥粒加工学会誌
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58 巻, 12 号
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  • 移動時に受ける抵抗力の測定
    甲斐 義章, 福田 将彦, 松原 厚, 河野 大輔
    2014 年 58 巻 12 号 p. 759-764
    発行日: 2014/12/01
    公開日: 2015/05/02
    ジャーナル フリー
    光学部品の加工などに用いられる超精密加工機には,ナノメートルオーダの加工面精度と形状精度が要求される.とくに形状精度を実現するために,超精密加工機には極めてなめらかな移動が求められている.送り系の移動方向には,摩擦力を含んだ抵抗力が存在する.この抵抗力は加工機の輪郭運動精度に影響を与える.超精密加工機に用いられる案内は,移動時において極めて小さい抵抗力である必要があるため,超精密加工機の多くには摩擦の少ない流体軸受けを使用した案内が採用されている.これに対して,高精度な転がり案内を採用して高精度な輪郭運動制御を実現している事例もある.転がり案内には転がり摩擦が存在し,その変動が輪郭運動精度に影響することが知られている.しかし,超精密加工機に用いられている転がり案内の運動に対する抵抗の特性を明らかにした事例は少ない.本研究では超精密加工機に用いられる有限軌道V-V転がり案内に着目し,移動時の抵抗力を測定することで,その特性を調査した.その結果,本実験対象ではスティック摩擦と呼ばれる移動直後の停止時に残る抵抗力が極めて小さく,移動時の抵抗力は移動速度によって変化することがわかった.
  • 上野 友之, 徳岡 輝和, 大橋 一仁, 塚本 真也
    2014 年 58 巻 12 号 p. 765-770
    発行日: 2014/12/01
    公開日: 2015/05/02
    ジャーナル フリー
    圧粉磁心は,絶縁被膜で覆われた純鉄粉をプレス成形して作製された材料である.本材料は,軟磁性特性を示す磁心材料として知られており,自動車分野や家電分野では必須の電磁気変換部品として利用されている.本材料は,とくに高周波領域での磁気特性が高い点や形状自由度が高い点が特長であり,電磁気変換部品の小型化や高性能化に適している.近年では圧粉磁心に対して一層の高性能化や高精度化の要求が高まっており,これらの要求に応えるためには仕上げ加工が必要である.従って,圧粉磁心の仕上げ加工条件が,その特性に与える影響を定量化することは重要である.筆者らは,圧粉磁心に対してプレス成形では制御が難しい厚み寸法の高精度化をモデルケースに正面研削法を選択し,砥石粒度や各種加工条件が圧粉磁心の磁気特性や機械的特性に及ぼす影響を調査した.その結果,圧粉磁心の上記特性を変化させる因子について考察を行い,仕上げ加工時のZ方向分力による圧粉磁心の特性への影響を明らかにした.
  • 曹 建国, 野村 光由, 呉 勇波, 藤本 正和
    2014 年 58 巻 12 号 p. 771-776
    発行日: 2014/12/01
    公開日: 2015/05/02
    ジャーナル フリー
    硬脆材料の有効な加工法として超音波援用研削がある.しかし,硬脆材料の超音波援用研削における材料除去のメカニズムは究明されていない.本報では,SiCセラミックスの超音波援用研削における材料除去プロセスを調査するため,単石ダイヤモンドドレッサを用いた超音波援用スクラッチング(UAS)試験と平滑化粒子法(SPH法)によるシミュレーションを行った.また,慣用型スクラッチング(CS)試験とシミュレーションも比較のために実施した.そして,得られた結果を基にSiCセラミックスの内面研削実験を行い,解析結果の検証も行った.その結果,CS試験では通常の研削同様に直線状の切削溝が形成されるが,UAS試験では正弦波状の切削溝が形成される.また,UAS試験において2つの切削モードが存在し,断続切削と連続切削がある.そして,超音波振動を援用すると,延性・脆性遷移点が深くなることがわかった.その結果,超音波振動を援用して研削を行うことにより,SiCセラミックスにおける高精度内面研削加工の実現が容易になることを示した.
  • 笠原 裕昭, 佐藤 秀明, 亀山 雄高, 佐藤 秀樹, 小柳津 善二郎, 眞保 良吉, 東江 眞一, 高橋 正敏
    2014 年 58 巻 12 号 p. 777-778
    発行日: 2014/12/01
    公開日: 2015/05/02
    ジャーナル フリー
    純チタンは生体親和性に優れた材料であるが,加工が難しいため歯冠修復材料として十分に普及していない.このため,機械加工特性を改善する目的としてチタン銀合金なども開発されている.本研究では,ポリ尿素樹脂ボンド軸付きGC砥石を用いて,純チタンおよびチタン銀合金の研磨を行った.その結果,市販の歯科技工用軸付き砥石よりも優れた研磨性能を示し、またチタン銀合金は純チタンよりも加工しやすいことがわかった.
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