砥粒加工学会誌
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59 巻, 6 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 第1報:食い付き性の改善と振動モードの影響
    磯部 浩已, 山田 和也, 原 圭祐
    2015 年59 巻6 号 p. 328-333
    発行日: 2015/06/01
    公開日: 2015/09/09
    ジャーナル フリー
    ドリル加工において,工具を超音波振動させることで,加工抵抗の低減や切りくずの分断による排出性向上などの効果が知られている.本研究では,チタン合金Ti-6Al-4Vに対する直径1mm以下の小径ドリル加工について,実験的に超音波振動重畳の効果を検証する.加工初期段階における高速度カメラを用いた撮影および切りくずの観察によって,とくに工具と被削材が接触した直後の切削状況について実験的に検証した.その結果,被削材に振動するドリルのチゼルが被削材に食い込むことで,穴位置のずれが抑制されることがわかった.また,断続切削の条件下では,切りくずが断片化し,工具寿命も飛躍的に延びることが確認された.また,ドリルの振動モードがバリや穴位置のばらつきに与える影響について実験的に明らかにした.
  • 豊浦 茂, 宮本 弘之
    2015 年59 巻6 号 p. 334-340
    発行日: 2015/06/01
    公開日: 2015/09/09
    ジャーナル フリー
    本研究は良好な仕上げ面粗さと高い平面度を有する仕上げ面を高能率に加工できる精密ベルト研削技術の構築と装置の開発を目的としている.ベルト研削で問題となる形状精度の低下を,可撓性の研削ベルトを空気圧で浮上させ,回転する被削材との理想的な干渉状態を創りだすことで解決し,形状精度の高い仕上げ面の創成を可能にした.本論文では開発した流動の数値解析(CFD)によるプラテン上の圧力分布の計算結果が,デジタル圧力計で実測した圧力分布と定性的によく一致することを示し,プラテンの設計・開発や圧力分布の解析への本プログラムの有用性を確認する.また製作したエアー浮上式精密ベルト研削装置を用いて,アルミナ研削ベルトによるSS400鋼の精密ベルト研削を行った結果,通常のベルト研削に比べて仕上げ面粗さが良好な高精度加工面が形成できた.さらに圧力分布形状を利用した仕上げ面形状の修正が可能であることから,エアー浮上式精密ベルト研削は高精度加工面の創成に有効であることを示す.
  • 諏訪部 仁, 四田 一高, 石川 憲一
    2015 年59 巻6 号 p. 341-346
    発行日: 2015/06/01
    公開日: 2015/09/09
    ジャーナル フリー
    シリコンをはじめとする結晶系材料のスライシング加工にはマルチワイヤソーが用いられている.マルチワイヤソーには遊離砥粒方式と固定砥粒方式が存在するが,高い加工能率を得られることから固定砥粒方式のマルチワイヤソーを用いることが主流となってきている.現在では,この固定砥粒マルチワイヤソーに揺動振動を付加することで,より高硬度な材料のスライシング加工を行う試みが行われている.この揺動振動援用型の固定砥粒マルチワイヤソーの特徴は固定砥粒ワイヤを工具として用い,走行中のワイヤを揺動振動させることで工作物とワイヤの接触面が線接触から点接触に近づくため,高い加工能率が見込まれる点にある.そのため,揺動振動の有無が加工に与える影響は大きいと言えるが,その加工特性は明確には明らかとなっていない.そこで,本研究では揺動振動援用型固定砥粒マルチワイヤソーの加工特性の解明を目的とし,揺動角度を変化させた時の加工面性状に与える影響や加工中の加工溝内部の様子を観察することで加工溝内部で生じる現象が加工に与える影響に関して検討を行った.
  • ~L/D100の実現に向けた検討~
    静 弘生, 升田 善之, 奥田 孝一, 布引 雅之, 山本 泰三
    2015 年59 巻6 号 p. 347-354
    発行日: 2015/06/01
    公開日: 2015/09/09
    ジャーナル フリー
    本研究では,ステンレス鋼の小径深穴ドリル加工において各種の切削条件が加工穴性状に及ぼす影響について調べた.実験では,送りや工具材種,油剤供給方法などを変化させて加工を行い,切削動力や工具摩耗,油剤供給状態を観察し小径深穴加工における問題の解明とその改善を行った.その結果,工具の座屈や摩耗が少なく進捗度の高い加工穴性状を得る切削条件を見だし,直径2mm,穴深さ200mm,L/D=100の穴加工を達成した.
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