ワイドギャップ半導体材料である単結晶窒化ガリウム(GaN)は電力損失の低いパワ-デバイスへの活用が期待され,基板の高品質化や大口径化などの取り組みが進められている.しかし同材は,高硬度,高化学安定性,および脆性という特性を有するため,従来のシリコン基板に対する手法では加工が困難である.そこで本研究では,GaN (0001)基板Ga面において,過酸化水素水(HP)への紫外線(UV)照射によってヒドロキシル(OH)ラジカルを発生させて,GaN材料表層を改質し,加工の高効率化を試みた.さらに改質と除去を連続的に行うことのできるUV援用テ-プ研削加工法を考案した.その結果,同加工法を利用することにより,通常の加工法に比べて表面平坦化に及ぼす時間が1/6となり,6倍以上の加工速度向上の可能性が見いだせた.