砥粒加工学会誌
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56 巻, 5 号
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  • 第2報:真鍮とステンレス鋼のレーザ突合せ接合
    佐々木 淳, 池野 順一
    2012 年 56 巻 5 号 p. 313-318
    発行日: 2012/05/01
    公開日: 2013/04/08
    ジャーナル フリー
    銅合金とステンレス鋼などの鋼材の接合は,熱伝導率の高い材料と機械的強度の高い材料の組合せであり,熱交換器や配管などへの適応が期待される.しかし,銅合金と鋼材の組み合わせは,熱伝導率や融点といった熱物性値が異なること,双方の主成分である銅と鉄が合金を形成しないことにより,接合は難しいとされてきた.そこで本研究は,真鍮とステンレス鋼の板材に対してレーザ突合せ接合を試み,良好な接合条件の同定を試みた.また,接合部の評価として,破断応力や水密性などの試験を行うとともに,EPMAとX線回折による接合部の解析を行った.その結果,レーザの照射位置を真鍮側にシフトさせることで優れた接合特性が得られることを見出した.
  • 上野 友之, 松沼 健二, 西岡 隆夫
    2012 年 56 巻 5 号 p. 319-324
    発行日: 2012/05/01
    公開日: 2013/04/08
    ジャーナル フリー
    圧粉磁心は,自動車や家電,エレクトロニクス分野で必須の電磁変換用コイルとして使用される.本材料は,絶縁被膜で覆われた純鉄粉をプレス成形して作製され,汎用の電磁鋼板に対して電磁変換効率がよいという特徴を持つ.しかし,本材料に対して通常の仕上げ加工を行うと,その効率が著しく低下する課題が発生する.この原因は,加工面に数十μm厚さの電気導通層が形成されて,材料表面の電気抵抗が大幅に低下するからである.我々はこの課題を解決するために,ELID研削を応用して本材料と研削砥石間に通電しながら加工を行う絶縁再生研削法に発展させた.本手法は,加工中に生じた導通層を電解除去することで絶縁性を再生し,電気抵抗を向上させる加工法である.本研究により,電磁変換効率を損なうことなく圧粉磁心の仕上げ加工が可能となった.さらに付加機能として本手法を適用した加工面は,高い防錆力の発現が確認されている.
  • ナノバブル水と真空紫外光を用いた仕上げ研磨
    桐野 宙治, 榎本 俊之
    2012 年 56 巻 5 号 p. 325-330
    発行日: 2012/05/01
    公開日: 2013/04/08
    ジャーナル フリー
    本論文では,無酸素銅の圧延材表面の超平滑化手法として,ナノバブル水と高エネルギの紫外線である真空紫外光照射を用いた砥粒フリー研磨法について検討した.純水と電解水のそれぞれに,水素と酸素,および窒素をバブリングすることで,ナノバブル水を生成した.このナノバブル水を,真空紫外光照射を用いた研磨の加工液として適用することで,pHと酸化還元電位,および溶存気体の異なる加工液で,微小突起を除去する目的の仕上げ研磨試験を行った.その結果,真空紫外光の照射で突起除去能力が上がること,および,加工液のpHと酸化還元電位は高いほうが仕上げ研磨には適していることがわかった.加工液中の溶存気体に関しては,水素や酸素は真空紫外光照射で分解され,表面欠陥であるエッチピット発生を誘発することがわかった.そこで,電解還元水に窒素をバブリングすることで溶存水素や酸素の量を減らした窒素ナノバブル水を生成し,この液を加工液に適用することで,最もよい条件で仕上げ研磨が行えることがわかった.
  • 吉冨 健一郎, 宇根 篤暢, 餅田 正秋
    2012 年 56 巻 5 号 p. 331-335
    発行日: 2012/05/01
    公開日: 2013/04/08
    ジャーナル フリー
    微細構造体や微細パターンは,小型化や新しい機能性をもたせるために機械部品や電子デバイス,医療用デバイスの作製に応用されている.本研究では,μmオーダの形状精度をもつ微細パターン形成を目指し,エアパルス式ディスペンサを用いた描画システムの描画特性と描画パターンの形状精度について検討した.約10000cPの高粘度紫外線硬化樹脂を用いた実験結果より,点パターンについては形状精度に及ぼす吐出間隙の影響を明らかにするとともに,研削加工を組み合わせることで頭頂部の平坦度1μm以下のピン形状を形成した.直線パターンについては,描画条件に依存するパターン形成の可否および縁の揺らぎと高さのばらつきの小さい描画条件を示し,描画条件の最適化により,縁の揺らぎ2μm,高さのばらつき±2μmの直線パターンを得た.
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